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ファンタジーはもう読めないと諦めかけていたオタクが「ダンスマカブル」に刺された話


「ダンスマカブル」イベントお疲れさまでした!!!!!
後半、すごかったですね。すごかったです。ほんとに。

この令和というご時世、面白い作品が、手に余るほど存在する。沢山の読みたいものリストを作ってどこから消化しようか迷っていたところに、マジで突然落ちてきた落雷、「ダンスマカブル」。結論から言うと、この「ダンスマカブル」というストーリーにありえんくらいドハマりしてしまいました。

・分岐ルート〜エンディングまでのネタバレ有
・ゴリゴリの個人的見解
・オタクの壮大解釈あり

☆ダンスマカブルがとにかく刺さった


まず、最初に言いたいのが

めっっっっっっっ~~~~~~~~~~~~~~っっっっちゃ最高だった。ホントに。ダンマカ。最高だった

久しぶりに一筋縄ではいかないストーリーを読ませていただきました。すっげ〜〜〜〜〜〜〜ぶっ刺さったまじでほんとに、なによりも”好き”が勝つ。本当にありがとう。とりあえず、まずはそれを言いたい。

去年プライベートのタイミング的になんかメッチャ忙しくて劇中劇一個すっ飛ばしてるので、落ち着いたら妖万華鏡今すぐにでも読みたい。ラブストーリーは突然に。いつだって、予想もしないところに、爆弾は落ちているものです。歴史は繰り返す(?)

しかし読むか~、となったのが5周年イベントの時だったので、イベント終了の一週間前から前半を死ぬ気で爆走し、マジで必死こいてストーリーかき集めました。オート機能の存在に気付いたの実装から半年後だったのですが(遅いな)あれメッチャすごいな。1年分くらいの太陽のEsperanza聞きました


ゼルダ生まれゼルダ育ちの筆者にとって、まず地上の世界観がそもそもヒット。アルムが見た「地上」の美しさへの感動に、一種の共感があったことがすべての始まりでした。運命の如く引き寄せられた物語に、飲み込まれてゆくことになります。

☆「16人」に溶け込んだ「ŹOOĻ」

感性をアイナナに育てられてきたオタクだから当たり前っちゃ当たり前なのですが、“嘘も君が真実だというならそう受け止める”波党の人間にダンスマカブルは刺さりすぎる。ほんとに。あと、私はマジでアルムが大好きなので、そこもデカいと思います。アルムとリーベルの「わがまま」は、正直賛否両論だと思うので。

永遠は無い。無いけれど、無いからこそ、今が愛しいと思えるというアイナナ全体の示すテーマ自体は、劇中劇の中でも変わってないのがアイナナらしかったですね。

じゃあ、この”ダンスマカブル”における永遠とは、何を指すのでしょうか。
このストーリーの中で何度も問われているように、それぞれの信じるものがそれぞれ違う。16人のキャラクターにとっての永遠も、おそらくそれぞれ違う。それぞれが違う「永遠」を、信じて貫いて、全うしたことがほんとに美しかったのです。

荒廃した世界の中で、死ぬことだけが解放だったというテーマのストーリーを読んたのが本当に久しぶりだったのでマジで痺れました。

そして、配役について。

これは後半にも続くと思うのですが、今回ダンスマカブルがブッ刺さり、転げて亥清悠くんにまで落ちてしまったのは、アイドリッシュセブン、TRIGGER、Re:valeの三強の中に完全に溶け込んだ「ŹOOĻ」を目の当たりにしたのがメチャクチャでかいです。

楽と大和はさすがの配役でした。そこに入ってきた悠が本当にスゲーのです。

オレが演じたアルムは、リーベルたちと出会うまで、ずっと教会にとらわれていて、外に出るのは4年に1回っていう、少し変わった生い立ちの役。
台本をもらって、最初、かわいそうっていうか、
ちょっと同情しながら読んでたんだよね。
でも、どんどん彼の世界が広がって、自分の人生を考えるようになるんだ。オレもすごくわくわくした。
そういう気持ちが、見ている人に伝わるといいな。

ダンスマカブル公式サイト、亥清悠くんのキャストコメントより。

ね~~~~~~~~~~~~~~~~~~~もう役者じゃん!?!?!?
もはや亥清悠くんは自分より5つくらい年下になってしまったのですが、だからこそか?だからこそ、もう際限のない愛おしさが出てきてしまって止まらねぇのです。マジでよかった。マジで良かった。みんな演技がうめ~~~~~~~~~~~~~~~~っていうのと完全に八乙女楽が持つ「まっすぐ」とリーベルの「まっすぐ」がベストマッチしたところと、いすみんの素直さがアルムを演じるにあたりメチャクチャうまく引き出ていたっていうのがあって、も~~~~~~~完全に知らない扉が目の前で自動で開いた気分でした。

☆分岐ルートについて

ラブライブの「硝子の花園」とかAKB48の「禁じられた二人」とか、Hello,again~昔からある場所~の歌詞に出てくる「記憶の中でずっと二人は生きていける」とかのフレーズがやたら刺さる人種なので一生二人でいられたらな~」みたいな言説をずっと説いてる曲が昔からやたら好きで、月明りイルミネイトの「眩しい世界から切り取られるなら二人がいい」に関しても大変長いこと心の重要ワードとしながら生きていており、永遠に二人で切り取られることを夢見て生きてきた節はあります。

だけどまさかホントに推しカプが世界から切り取られるとは思わなんだ。

だから上ルートの「リーベルと共に永遠を生きる」の字面はホントに衝撃的で、何度オタクの妄想かと疑ったかはわかりません。ホントにびっくりした。しかしこのタイプの永遠は初めてだ。

結論から言うと、トゥルーエンドは下だとしておきたいです。
だけど、”上の世界線を選べる”ということが個人的にはメチャクチャ大事だったりします。

この分岐で分かっているのは、リーベルとアルムが共に新しい世界を作るルートは存在しない、ということだけ。
出会ってしまったところからカウントダウンは始まっていたけれど、この二人に”出会わないという選択肢”は無いのだということを、嫌というほど突きつけられました。しんどい。

一体どこを、永遠と切り取れば.......永遠って.....何なんですか......

カバネとクオンという前例を描き、カバネが二人に選択を委ねた時点で、彼らの答えは出ていました。アルムの自由をこちらに選ばせたのはさすがにビックリしました。ちっぽけなオタクにそんなことはできんのよぉ!そこが一番選べないんじゃ〜!と思ってひとしきり爆笑したのですが、結局上⇨下の順番で読みました。人生で初めてメリバ浴びた。

まず、カバネとクオン、コノエ。彼らにとっての永遠は”死”に代わったということも分かります。だからこそ、分岐上ルートは彼ら3人を救うためのトゥルーエンドとして存在したことがホントに良かったなと思うのです。生半可な気持ちで二人を永遠の世界に放り出すことはできない。
アルムはリーベルの意思と共に生きることを選びますが、生き残った者が死者をどのように捉えるか、ということもオルカが説いてくれました。

上下どちらのルートを選んでも、二人で一つの永遠を作る以外の道は、無いわけです。生まれ変わってもまた出会ってくれそうな確信がある。アルムの幸せの形が、リーベルの幸せの形と同期してしまった。それも、アルムの自由意志に基づいて。上下どっちのルートもあるということがそもそもオタクにとっての救いだったわけです。

“永遠を選ぶことができる”ことに意義があるのだと。アイドリッシュセブンの劇中劇として描かれるからこそ、余計に。出会えた時点で、永遠なのですよ。多分。

「I’d rather die tomorrow,
than live a hundred years without knowing you」

ポカポンタスのこの名言を思い出しました。
彼らの出会いを運命だと形容するなら、二人なら世界の運命も受け取れてしまいそうでなところがある。リーベルは本当に後悔しないのだろうな、と、なぜか心からそう思わされてしまいます。

上ルートでは不死の命を継承することで次の物語に繋ぐのかな、と思っていたのですが、どうやらそうもいかないようですね。ただ、カバネとクオンという前例をわざわざ提示してもなお、何にもなくなった世界で永久を生きる二人を不幸だと思えないのです。「アルムが『選べる』という自由を手に入れた」時点で、この「ダンスマカブル」が問う答えが出ていたような気もする。この分岐に関しては咀嚼しても咀嚼しても分かんね~~~~~!!!となるのですが、二人がお互いを思う気持ちこそが永遠なのだという見解だけは変わりません。リーベル・アルム、出会えて本当に良かったね。

あと諸々いいな~と思ったところの感想です。

つらかったのが、フーガの死。正直ココがどうしようもなくつらかった。リーベルとアルムが出会ってしまったことが、周りをここまで狂わせる。運命の歯車は残酷で、アルムの誘拐に成功しなければリーベルはフーガの憧れたリーベルのままだったかもしれない。だけど、リーベル自身が信じる自分は、アルムと出会ったあとの自分なわけで。これだけはどちらの分岐でも救いが無くて、マジでしんどかったです…

シャオ、プラセル、エーテルネーア、ヴィダも劇中で死を遂げますが、令和のストーリーは人が死ぬって本当なんですね。自分自身、「キャラクターの死」からかなり遠いところにいる人間だったのでどっかで生き返るんじゃね?ってまだ頭の中で思っている間にストーリーが終わったりしました。ヴィダは最後まですごかったな~~~~~~~~九条天すごい。最後まで黒縄夜行としての運命を貫いたの、まじでかっこよかったです。生ぬるくなくてよかった。

ロイエとシャオもよかったです。シャオ、以外と早めに死んでしまったんですが、ロイエの中間管理職はメチャクチャ良かったです…

ナーヴ協会でリーベル・クヴァル・ヴィダの三勢力が揃うところメチャクチャ痺れました。今回、あれだけアルムが目立っているにも関わらず主題歌がTRIGGERっていうところがマジで「良い」んですよね...溶け込んでる。完全に。主題歌パワーすごい 妖万華鏡でMEZZO"がやったときどうして平気でいられたんだ?

☆リーベルとアルムという主人公

こういう世界観が確立されてるストーリー、マギを最初に読んでしまったので何読んでもマギっぽいな〜と思ってしまってなんとなく読めていなかったのですが、今回メチャクチャ刺さってよめた理由は、リーベルとアルムの圧倒的な眩しさがヒットしたからだと思います。
特にリーベルに関しては、あれほどまでに強いセンスとカリスマ性を持っているのにも関わらず、リーベルが「人間の顔」をするようになったのはアルムに出会ってから。アルムもまた、リーベルに出会って初めて、「自分を生きる」ということを知っていきます。あの、「お互いが世界の全て」感、なんかメチャクチャ最高じゃなかったですか??????????ていうか八乙女楽ってめっちゃくちゃカッコいいな三年前から知ってたが

あと、もう一つデカい要因なのは、シンプルに自分が人生疲れてるときに読んでしまったから、アルムの持つ素直さに異様に助けられてしまったということもあり、余計にブッ刺さってしまいました。亥清悠くんの真の清らかさなのか、なんなのか。通ってきた道なはずなのにほんとに新鮮だった。

あとフルボイス!これはめちゃくちゃデカかったです。シンプルに広瀬裕也さんの声が大好きなのでアルムがしゃべるたびに一秒もすっ飛ばさず読んでました。アルムもリーベルも立ち絵が良すぎるのですが、親の顔ほど見たアイナナの立ち絵にまだこんなに沸けるの、ほんとに驚いてます。雛鳥に世界を教えるようなふたりの雰囲気に完全に飲まれてしまいました。

「信じるものがそれぞれ違う」ということが劇中で何度も出てきましたが、何を信じればいいかが自分の中に強くあるほど、私たちの人生は特異ではない。だからこそ、アルムとリーベル、お互いがお互いの「信じるもの」である形が、ほんとにほんとに嬉しいのです。

シナリオライターの山中さんの、ダンスマカブルに関するコメントが以下のものです。

皆様はあのどうしようもない世界に触れてみて、誰の見え方に共感でき、誰の価値観が愛せたでしょうか。そしてそんな皆様からリーベルは、アルムは、どう見えていたでしょうか。

 この物語が、万人に受ける物語ではないことを知っている。ダンスマカブルは、おそらく賛否の分かれる作品です。山中さんのこの問いに答えるならば、私は、「リーベルとアルムの選んだ答えが好き」なことが、がいまの自分の気持ちであるのだと、自信を持って言えます。タイミングが違えば、この二人のことを愛せなかったかもしれません。この二人が大好きだと言える今読めたことが心の底から嬉しいのだと、胸を張って言えます。
また、アルムの持っている"人を笑顔にする力"という話、どこがで既視感があると思えば、我らがセンター七瀬陸くんですね。正直、この「ダンスマカブル」を通してその気持ちを自ら体感できたような気がします。

☆ありがとうダンスマカブル

 実はここ数年くらい、中高生の頃に感じていたような作品やストーリーへのときめき?みたいなものを感じられないようになってきて、そりゃ最初に読んだ世界観ゴリゴリの漫画が一番衝撃的なのはそりゃそうか~~って感じなんですけど、それでもあのときめきに出会えないのは寂しいな、もう自分にファンタジーは無理なのかな、とあきらめかけていたところでした。

そんな時に突然落ちてきたダンスマカブルは、"あの"ときめきを教えてくれたような気がするのです。他に何も手がつかなくなるようなあの感じがやっぱりメチャクチャ最高なんですよね…一年くらい失ってた「物語っておもしれぇ~~~~~」っていう感覚をありがとう。手も足も出ない。劇中劇とかいうコアなところにズブ落ちしましたが、個人的にはリーベルとアルムには愛と名のつくものの全てを経験してほしい。沼を見過ごしてた愚かな自分...あ~~めちゃくちゃ最高だったなぁほんとに。ダンスマカブルが好きだ。いろいろな価値観の中で、心の底からそう言えて本当に良かった。

ありがとうダンスマカブル。
ありがとうアルム、悠。
ありがとうアイドリッシュセブン。

この作品を、大好きでいる気持ちを、きっと忘れません。
山中先生ありがとう!!!超絶面白かったです!!!!!!!!!!


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