母の話

 「SHINちゃん、ほんとあなた昔のお母さんにそっくりだわ...喋り方も仕草も...」

と言って泣き崩れたNさんを今でも思い出す。

母が亡くなって初七日法要が終わった後、母の高校の同級生でずっと仲良くしてたNさんに挨拶へ行った時のことだ。

それまで自分は母や父、兄たちと似てると思ったことは殆どなかった。性格もバラバラだし趣味や食べ物の好みもバラバラ。休みの日に昼前に起きたら誰もいないことも結構あったくらい、個人プレーの集団みたいな5人だった。だから家族とか兄弟とか言われてもあまりピンと来ることがなかった。

それだけにNさんの言葉が刺さった。

「あぁ、自分と母はそんなに似てるんだ。やっぱり自分は母の子どもなんだ。親子なんだ。」

母が亡くなってからというものの、自分と母が似てると言われることが不思議と多くなった。親戚やお付き合いがあったご近所さんから今更のように。亡くなった母の面影を自分に重ね合わせているのだろうか。自分では全然意識してなかったところが似ていたんだなと。(会話してる時の手の仕草が特に似ているらしい)

薄ぼんやりではあるけど、親子とか兄弟とか家族とかっていう繋がりが客観的に見えてきた気がしてる。色んな家族の形は今はあるけど、ウチは今までと変わらずこんな繋がりでこれからも続いていくのかなと。そして大事にしていかなきゃいけないんだということも。

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