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チャオプラヤ川でバタフライ〜タイBLに恋して〜 ① 2gether the series

はじめまして! 紫煙と申します。

2getherからタイBLにハマり、もうすぐ一年。季節が春めいてきて、ああ、もうあれから1年が経とうしている…と思ったら、なにやら想いが溢れてきて。

とてもTwitterだけでは書ききれない!

かねてから気になってはいたものの、手を出してこなかったnoteで記事を書こうと思い立った次第。書いていて上手くまとまらなくて、何やら歯痒いのですが、よろしければお付き合いください☆


☆タイBLにハマったきっかけは『2gether』☆

2020年緊急事態宣言下、自粛期間中にTwitterで流れてきた2枚の写真。

いとけない笑顔の青年が何やら電話をしている…そこに現れた美青年が、両手に菓子をこれでもかと詰め込んだ袋を持って現れた姿。

なに?タイのドラマ?BLだって?マジかよ、実写でBLが見れるの?
えっ!?YouTubeで無料!?あ〜俺って全然YT見ないしなぁ。まあ、面白そうだし見てみるか…

それが、自分が2getherそしてタイ沼にハマって抜けられなくなったきっかけでした。

唐突ですが、自分はゲイ。男らしい見た目の男性がタイプなんです。2getherの主人公2人は謂わゆる「イケメン」です。カッコ可愛いとは思いましたが、

「ああ、女性が好きそうな見た目だな。一般的なゲイの感性からすると界隈ではあまり人気のある見た目ではないなぁ」というのが正直なところでした。

それがどうでしょう。

Win Metawin演じる主人公のTine(タイン)の笑顔が可愛い!!
仏頂面したBright Vachirawit 演じるSarawat(サラワット)の男前っぷり!!

今までアイドルには興味がなく、ただ音楽を聞くだけ。漫画を読むだけ。アニメや映画を見るだけ。ましてドラマなんて全然見て来なかった。生身の俳優に興味を持つなんて、今まで全くありませんでした。それなのに!


見れば見るほどストーリーに引き込まれ、BrightWin2人が演じるSarawatTineに魅了され、仲間たちと楽しく大学生活を謳歌する姿に、なにやら感動すら覚えてしまったのです。

そう、一言で言えば「衝撃」でした。

☆なぜタイBLがこんなにも心を震わせるのか☆

「とにかく顔がいい!みんな見て!」

2gether放送当時は、そんなツイートが溢れていました。確かにそうなんです、見た目がいいんです。それはもう非の打ち所がないくらい。

でも、自分が2getherに惹かれたのは、それだけじゃなかった。

2getherの世界は、『やさしさが溢れている』んです。


【2gether 物語の始まり】

タインとサラワットが繋がったきっかけは、タインがグリーンという男の子に告白されたこと。自分は女の子が好きなのに、怒涛のモーションをかけてくるグリーンにほとほと困ったタインが、友人たちフォン、プアク、オームに相談。

タインは元カノに相談して、グリーンの前で彼女を演じてもらい、諦めてもらおうとする。しかしグリーンは元カノと知り合いで、作戦はあっけなく失敗。

友人たちに、そんなに嫌なら大学一のモテ男サラワットに「彼氏」になって貰えば?と言われ、タインはなんとかしてサラワットに『偽彼氏』を引き受けてもらおうとするのだが…


こんな感じで2getherは始まるのですが、自分はもう、そこから引き込まれていました。

☆やさしさが溢れる『2gether』の世界☆

まず、タインは元々女の子が好きで、男性は恋愛対象じゃなかった。そこにグリーンが現れた。恋愛対象ではない男から告白されたわけです。

タインは当然断るんですが、その断る姿から

「あ、これは今までのドラマとちょっと違うぞ」と思ったんです。

友人たちが「今まで学校の友だちの中にも、ゲイもレディーボーイもいたろ?」と聞けば、タインは「ああ、でも俺は女の子が好きなんだ。自分の生活に他人が入り込むのは嫌だ」と答えました。

当たり前の応対ではあったんですが、その場面で自分はとても嬉しくなったんです。

男性が好きな男性っぽい男性」も「男性が好きな女性っぽい男性」も「女性が好きな男性」も、当然のように肯定されているセリフだと思ったからです。


「なんであいつは俺のことをこんなふうにかまってくるの?」
「もしかしてあいつは、俺のことが好き?」
「俺はあいつのことをどう思ってるんだろう?」

そんなタインの心の動きを、タインの視点から視聴者が一緒に追っていく。
そこにいろんな秘密や劇的な展開があるわけですが、それは置いといて。

「古き良きBLの王道」を全て詰め込んだようなストーリーに視聴者は歓喜する。2getherはまさにエンタメに徹した恋愛ドラマです。

「顔の良い男の子同士がなにやら可愛くいちゃついてるぞ!」
っていう見方もできるし、

「視線や喉の動きまで、徹底して役作りをしている!」
と俳優の演技力の高さに驚くこともできるし、

「劇中の音楽がいい!歌詞と場面、セリフがリンクしている!」
と作中で使われるScrubbの音楽の素晴らしさを楽しむこともできる。


BLは「キワモノ」という扱いを、日本ではどうしても受けてしまう印象があるのですが、2getherはとにかく作品自体のクオリティーがとてつもなく高いんです。

そして、作品の根底に流れていて、全てを支えているのが
「誰もが誰かを好きになる。それって性別は関係ないよね。」
っていうメッセージ性だと思うのです。


☆「全肯定された世界」☆

「LGBTQ+」という言葉が現在ではかなり人口に膾炙してきましたが、2getherではLGBTQ+、ジェンダーの問題に深く切り込んでいるわけではありません。そこに強い政治的なメッセージは全くない。

ただ当たり前のように「そこにある」だけです。ジェンダーや性的志向にフォーカスされているのではなく、ただ視聴者の誰もが、タインとサラワットの2人の恋の行方が気になるだけなんです。

そう、ゲイもヘテロも関係ない。「全肯定された世界」がそこにはありました。

それってすっごい衝撃的なこと。

料理だとか芸術だとかセンスの良い服装だとか、スキンケアに気を遣っているだとか、ちょっと女性的な趣味を持っているとすぐに「女子力が高い」と言われ、
言葉遣いが優しいだけで「オネェ」と言って囃し立てる。

そんな風に男性を揶揄う場面は、日本の生活ではよく見かける光景だと思うのですが、2getherではそういう場面が全くと言っていいほどないのです。

グリーンは謂わゆる「オネェ」なわけですけど、タインは、付き合わないと言っているのにグイグイ迫ってくること自体にうんざりしているだけで、グリーンを人格から何から全て否定している訳ではありません。むしろやんわりと断るだけで、嫌ならもっと強く断ればいいのに!なんて思ってしまうくらい。

「そんな言い方ってなくない?」
「あ、女性蔑視だ」
「あ〜ホモフォビックだな」

とか、作中のセリフにいちいち過敏になることが一切なく、ずっと安心して見ていられるんです。

人によって受け取るニュアンスは違うだろうし、細かく考察すれば「あれ?」ということもあるかもしれませんが、

自分にとっては、とにかくノンストレスで見ることができました。
これってゲイ当事者である自分にとって、今までになかったことでした。


☆誠実で真摯な製作陣と俳優たち☆

ドラマ視聴中に、演じる人たちにも興味が湧いて、当時は色々と調べもしました。

Win Metawin(ウィン・メタウィン)
2getherが初のドラマ出演、かつ初の主演。

Bright Vachirawit(ブライト・ワチラウィット)
若い時から芸能活動をするも、本作が初のBLドラマ出演。

ツイートや公式のビハインドなどを追っていくと、2人がいかにこのドラマに真摯に向き合ってきたのかがわかります。

2人は2getherの原作小説を読み込んだと言います。特にブライトくんは相手役のウィンくんがタインを演じる姿で、夢にまで出てきたとか。

共通点を見出そうと、2人でサッカーに興じたり、2人で過ごす時間を増やしたとか。

本作の監督Champ氏は、製作にあたって事前に入念なワークショップを行ったともおっしゃっていました。

BLだから特別というわけではなく、良い物を作りたいという気概が伝わるエピソードや、俳優陣が楽しそうに撮影に臨んでいる姿を、ドラマ放映中にもYTで投稿されたビハインドシーンで、触れることができました。


☆ブライトとウィン、魂を分け合った2人☆

ドラマ2getherには原作小説があって、タイで大ヒットしたそうで、視聴者の本作にかける期待は相当大きかったとのこと。

そんな大きなプレッシャーがかかる中、ブライトくんとウィンくんは、本作で互いを支え合っていました。

本作が初主演のウィンくん、それまでヒット作に恵まれてこなかったブライトくん。

2人の魅力は、2getherで見事に輝きはじめ、日を追うごとに美しく花開いていく。

そんな姿をドラマ放映と同時に、2人のインスタグラムやTwitterでリアルタイムで追っていくことができたのも、当時世界的に、そして爆発的に2getherがヒットした要因でもあったのだと思います。

自分はそんな2人を漫画「BANANA FISH」のアッシュと英二に重ねてしまいました。前年にアニメになったBANANA FISHに、自分が原作漫画と共に大ハマりしていたこともあったのかもしれませんが、

とにかく2人は、まさに「魂を分け合った」と言ってもいいくらい、互いが互いを大事に思っていることが、ドラマの外でも感じることができた。

そのことがドラマの魅力をさらに押し上げていたように感じます。


☆チャオプラヤ川でバタフライ☆

このように、いくつもの要素が重なり合って、今までに見たことのないような、史上最高と言ってもいいくらい、素敵な恋愛ドラマとなった2gether

ただただ多幸感に包まれる…こんなドラマに出会ったことない!
もはや人生は2gether視聴前と視聴後では全くの別物となりました。

そこからはもう、「沼にどっぷり浸かった」状態です。抜け出したいなんて思わないくらい。

どうやらタイではBLドラマをYシリーズと言うらしい。Yは日本の「やおい」からきているらしい。他にもタイBLドラマがあるらしい。どれ、見てみるか。

気づけばYTで見れるタイBLを片っ端から視聴していました。
BLではないドラマも、バラエティ番組も見て、あまりの面白さに感動しっぱなし。
歌詞の意味も分からないのにタイの音楽をAppleMusicでプレイリスト化して、
果ては2getherで二次創作小説にまで手を出し、自分で書き始める始末。

そう、それはまるで…

チャオプラヤ川でバタフライ!

って感じです。


2getherから、推しと呼べる俳優や、心震える名作ドラマの数々に触れ、人生が鮮やかに彩られるかのようでした。これまでの人生で、こんなにもハマったことなんて一つもありませんでした。


そして気づけば、2getherと出会って一年が経とうとしています。

世界が不安に包まれていたあの2020年の春。
鬱屈とした気持ちを押し上げてくれたのは、タイでした。

2getherと出会っていなかったら、タイBLと出会っていなかったら、果たして今こうして楽しく生きて来れたのだろうかと思うほどです。

大変な年になってしまった2020年、もうすぐ年度が終わります。
2021年はタイドラマは注目作が目白押し。BLだけでなく、数々のドラマが予定され、今から楽しみで仕方ありません。

これからもタイに想いを馳せつつ、2021年も楽しく推し活、元気に生きていこうと決意しています。この記事を読んで頂けた方、一緒にタイドラマを楽しみませんか?


今後も、タイドラマへの想いを記事にしていけたらなと考えています。
ここまで拙い文章を読んでいただいてありがとうございました!



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