“クトゥルフ神話TRPG”って何?!(星野チエがキーパーのときに気にしてること編)

こんちにちえ。ほぼ元探索者の星野チエです。

前回の記事で予告した通り、今回は私が実際にキーパーをする際にやっていること、あるいは気をつけていることについてオフラインセッションでのプレイを前提に綴っていこうとおもいます。

やっていること・・・とは言いますがキーパーをやり慣れた方が見れば「こんなのやって当たり前でしょ!!!」みたいなことばかりですので、私と同様にキーパー初心者な方や、これからキーパーやってみたいなという方に向けての情報共有的な雰囲気でなんらかの参考になればいいかなとおもっています。

ちなみに、今回もあらかじめネタバレ的に私がキーパーをやる上でのテーマを一言で表して置くならば「余裕でいる」ことです。演出面の話も挟んだりする予定ですが、とにかく精神的に余裕を持つことを心がけるようにしています。キーパーに余裕があれば、ともに遊ぶプレイヤーたちも安心ですし、なにより、自分自身もストレスなく純粋に楽しむことができますからね。今回の記事はこの「余裕でいる」ことが背景にあるということを頭の隅っこに置きながら読んでいただけたらわかりやすいかもしれません。

1.とにかくシナリオを読み込む

これ以上ないくらい当たり前のことのようにおもえますが、当たり前だからこそちゃんとやっておくべきことでしょう。

シナリオの全貌を知るのはキーパーのみ・・・だからこそ、そのシナリオがどんな背景で、どんな導入で、どんなイベントがあって、どんな情報があって、どんな結末があるか、のおおよそを理解しておく必要があり、これをおざなりにして間違った解釈でプレイヤーたちを悪い結末に導いてしまっては後味が悪いですからね・・・。

それから、キーパーはプレイヤーたちの宣言をアドリブで処理していかなければなりません。そのアドリブをどうするかで頭を悩ませるために時間がかかるのは仕方がありませんが、それに加えて予定通りに進んでいるのに「ええっと、どんなイベントだっけ・・・」といったようにつまずいてしまうのはスマートではありませんし、そうしたキーパーを目にしたプレイヤーたちも「大丈夫かな・・・」とすこし不安になったりしてしまうかもしれませんからね。

私の場合は、簡単にシナリオの背景や流れなどをなにもみずに説明できるくらいになるまではシナリオを読み返します。もちろん、セッション中はシナリオを読みながらやりますが、そのシナリオのおおよそをあらかじめ理解しておくことで余計な部分に目を通す必要がなくなり、そのときそのときに必要な細かい情報のみを読むだけで十分になって気持ちがだいぶ楽です。

ただ、文章自体が長いシナリオともなると不安があるとおもいます。そうしたとき、私はプレイヤーたちが長めに雑談や相談、あるいは茶番をしているとき、ある程度それらに耳を傾けつつ不安な部分を改めて読み返したりしています。休憩中に読み返すこともできますが、やはり休憩は休憩としてしっかり休んだ方が疲れませんから、セッション中に隙間時間を見つけて復習してしまいましょう。


2.BGMを用意しておく

なくても構いませんが、私個人としては絶対に用意しておきたいのがBGMです。

プレイヤーたちを楽しませるのはシナリオの内容もそうですが、キーパー自身のパフォーマンスも関わっていて、それはアドリブによる処理方法、そしてそのシナリオの雰囲気を演出するという部分がおおよそです。

いまは明るいシーン、いまは暗いシーン、いまはめっちゃピンチなシーン・・・といったシナリオの雰囲気の演出は稲川淳二さんのように巧妙な語り口でも可能ですが、これはかなりスキルが必要です。そこで、簡単に演出できる方法として私が愛用しているのがBGMというわけです。

私はiTunesでシナリオ毎のプレイリストフォルダを作って、その中にイベント毎のプレイリストを作り、そこにそのイベントにあった雰囲気の曲を投げ入れています。前章からの繋がりですが、このイベント毎のプレイリストを作るときにシナリオを見ずに「このイベントの次はこのイベント・・・」といった風にやっておけば、シナリオの復習も兼ねることができるのでオススメだったりします。

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ちなみに、私はほぼほぼ常時なんかしらのBGMを流しっぱなししていますが、異常事態が起きるシーンではパンっと音を止めて無音のまま描写をはじめたりします。明るい曲であれ、暗い曲であれ、そのセッション中は「音楽が流れている状態が日常的」とプレイヤーたちの感覚に刷り込ませたうえで、急に音楽が流れていない状態を持ち出すことでわかりやすく非日常に切り替わる演出ができます。


3.プレイヤー資料を印刷しておく

プレイヤーたちはキーパーの口から語られる描写や情報などを忘れないように必死でメモしてくれますが、しかしそれにも限界がありますし、それを続けていると疲れてしまいます。

たしかに、記憶することや記録することはプレイヤーのスキルにも関わってきますが、やはり余計な負担は減らしてあげたいものです。なので、シナリオで登場する重要で長文の情報はプレイヤー資料として印刷してプレイヤーたちに渡しています。

印刷物として渡すことでプレイヤーたちがメモをする手間が省け、それによってメモの書き損じを防いだり、不要な労力が発生させないことでプレイヤーたちの集中力がほかの部分で発揮できるようになりますし、なにより「わざわざ印刷物にして渡してきた情報」としてプレイヤーたちもその情報をより気にかけてくれるかもしれませんからね。


4.とにかくぶっちゃける

アドリブでの処理には限界がありますし、アドリブを考えすぎるのは自分の中の余裕を奪うことにもなってしまいます。

なのでプレイヤーたちの宣言で「これは困る!!!」とか「それをされるといたずらに時間を浪費させてしまう!!!」といった場合には「ぶっちゃけシナリオが壊れちゃいます」とか「ぶっちゃけそこに行っても情報はないです」といった感じで「それはキーパーにとってもプレイヤーとってもいい結果を生まないです」という旨を伝えてしまいましょう。

これは以前の記事でもそれなりに、詳しめに話したことですが、プレイヤーたちもセッションを楽しむため、キーパーを困らせてセッションをつまらなくさせることは望まないはずなので、困ってしまったらすぐにプレイヤーにぶっちゃけて宣言を取り消してもらったり、あるいは面白くなるように演出を相談してしまったりしていいとおもっています。


5.休憩を挟む

基本的にはキリがいいところまで続けますが、1時間半プレイして15分程度休むを目処にしています。

セッションは楽しいですが、ずっと集中していろんなことを考えたり、ずっと同じような体勢をとっていたりと、心身ともに疲れやすいのでこまめに休憩をとって、外の空気を吸ったり、軽く身体を動かしたり、仮眠をとったりと参加者それぞれがおもいおもいにリラックスすることでセッション中の集中力が増して、楽しみやすい状況が作れます。休憩中にかけるBGMもうるさすぎない明るめな曲をかけておくのが個人的に好みです。

休憩への入り方も「危機的な状況をまぬがれてひと段落しましたね。それでは休憩しましょうか」といった感じで完全にプレイヤーたちを安心させた状態で区切りをつけるのもいいですが、私がよくやるのは「危機的な状況をまぬがれてひと段落しましたね。それでは休憩・・・とその前に描写があります」と休憩明けに起きるイベントの冒頭に軽く触れたうえで区切ったりします。こうすることでイベントのインパクトを与えつつ、続きが気になるようにして、プレイへのモチベーションを保ってもらえるようにしています。


6.最後に

以上が今おもいつく「こんなことを気にしながらキーパーやってるなぁ」といった事柄でした。当たり前のことばかり語ってしまいましたが、これを読んでくれたあなたにとってなにか得るものがあればとても嬉しいです・・・!!!

ひとえに私が初心者キーパーで、キーパーをすることに対してまだまだ余裕でいられないので、冒頭でも言った通り「余裕でいる」ために準備をし、セッション中も強がらずにプレイヤーたちに頼るようにしています。

もうちょいとキーパーに慣れてくればさらに上手なアドリブができたり、もっと演出面を派手にすることができるかもしれませんが、いまは以上のことをこなすだけでも精一杯な状態です。

私がステップアップして、今度こそ「技術」と呼べるようなものを手にしたときにはこうして記事にしてみたいものです。

では、これにて今回の記事を締めたいとおもいます。また次回の記事もよろしくお願いします!!!





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