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【日本酒】人気銘柄との格差ってそこまである?

 ごきげんよう、しまてるです。

 今回は、日本酒フリークの皆様に向けて書かせて頂きます。

 皆様、改めて問いたいと思います。


 『人気銘柄(プレミアム銘柄)と他の地酒ってそんなに差がありますか?』


 正直、私は最前線で毎日試飲や買って呑んでいる中で、他のしっかり作ってらっしゃる地酒と味や品質にそこまでの差や開きを感じないように思います。

 これは昨今の醸造技術の飛躍的進化はもちろん、ボトリング技術、流通温度の改善などからエンドユーザーの手に渡るまでの設備投資や工夫までを、大幅に改良しているお蔵元が増えてきたのが最たる要因かと思います。

 2020年7月14日現在、インスタグラムで十四代と調べるとなんと11万5千件越えの投稿件数を確認しました。

 而今で7万8千件、田酒で7万7千件、飛露喜で5万件、磯自慢で3万件・・・そして驚くべきは、新政が12万5千件です。十四代超えました。佐藤さん本当にすごいですね・・・!

 海外の記事もあるのでこれはプレミアと言えるか曖昧ですが獺祭は27万2千件です。露出の多さと流通量の多さを物語っております。

 さて、どのお酒も素晴らしい品質と個性を持っているかと思いますが、定着化したネームバリューによる人気が独り歩きしていて、その強いイメージから本当に自分が好みとする酒質に迫れていないように感じるのです。

 『いや、そんなことはないぞ!』という方が多いと個人的には非常に嬉しいのですが、体感ではなく実際に現場にいてお見掛けするシーンや聞こえてくる声を聴いていると、そういった方は少数派と言い切れます。

 

 【人気格差の原因ってなんだろう?】

 地酒における人気格差は、間違いなく口コミ文化とSNSの普及が一大要因といえるでしょう。昔はマスメディアやグルメ専門雑誌でしょうが、今はエンドユーザーの方が拡散速度が速く、マスメディアがそれを拾って情報発信し直すという状況がほとんどです。

 しかし、なぜ格差が定着したのか?と問えば、それは『当時は飲んで感動するレベルのお酒』であったからです。

 とても嫌な言い方をすると、その当時の地酒のレベルが人気銘柄に比べ低い物が多かった・・・という事になります。※是非、反対意見をお待ちしております!

 

【どれも美味しい時代が来た!じゃあどれも人気銘柄になれるのか?】

 結論から申し上げると天地がひっくり返っても非常に難しいです。

 何故なら世界に胃袋は決まった数しかなく、お酒は生活に必需ではないコンテンツだからです。嗜好品の運命といいましょうか。

 人気銘柄の台頭が終わる事は、恐らくありません何故ならその人気銘柄を醸す蔵元さんも最前線の市場で日々研鑽、切磋琢磨、しているからです。

 怠けず驕らず品質の向上に尽力されているからこそ、人気銘柄なのです。

 しかし、それでは浪漫がない。シンデレラワインのように夢はないのでしょうか?

 いやいや、諦めるには早すぎます。『どれも美味しい時代』が来たのですから、どの地酒にも同じ土俵に立つチャンスは作れる思います。

 

 【酒屋が考える地酒みんなが人気になる施策】

 では、そのチャンスを作らないといけません

 どうするか?簡単なことです。市場が変わる努力をすればいいのです。

 ①酒屋が人気銘柄だけを推すのではなく、協力して他の地酒にもっと力を入れる。(○○本買ったら而今を販売できる権利を・・・とかもうやめませんか?)

 ②一般のお客様に対してもっと他の地酒を伝える機会(催事ではなく定期開催数を多くする等)を増やし、感動を得て頂き拡散してもらう。

 ③量り売りを常用化、間口と裾野を広くして『設備や経済面からボトリングが多様化できない蔵元』の料飲機会増加。

 ④酒販店各社、メーカー、卸の中に常勤しているソムリエや有資格者といったプロによる非営利の情報発信団体を作り、蔵からの希望性ですべての地酒のペアリングノートを載せるなどするサイトやブログを運営し情報誌なども発行する。(情報統制と一本化)

 ざっと考えただけでも、まだまだ地酒を流行らせようと行動すればこれだけの事が出来ます。中でも④は1年以内に私が初めようと考えております。

 

【ネームバリューが入り口でもいいので、色々楽しんでほしい。】

 最後になりますが、入り口のお酒がプレミアム銘柄や人気銘柄でも良いと思います。

 ですが、そこで日本酒が好きになれて今後も飲みたいと思って頂けたなら、ぜひ未体験の銘柄をどんどん飲んで頂きたいです。

 私は、それで日本酒が心から好きになりました。愛すほどになりました。人生の中で一つの文化を愛せるほど夢中になれるって本当に幸せなことです。

 地酒のほぼすべてが美味しい、という時代で日本酒を楽しめる状況に身を置けることだけでも素晴らしく幸運で素敵な事だと思いませんか?

 

 今回も最後までお読み頂きありがとうございました。

 季節のお酒の記事にも書きましたが、今こそ競合の壁を越えて地酒を様々な方向性から活性化させなければいけません。

 皆様が愛すべき銘柄に出会える事を心から願っております。

 

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