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ゲイとキャリア

忙しさにかまけて全く更新してませんでした。本業優先なのでまあそりゃそーだろって感じなのですが、根本的に自分自身、文章を書くこと自体実は好きでも得意でもないことに気がつき始めています。(これはまた追ってどっかで書こうと思ってますが)

そんな中ひさびさに筆を取ろうと思ったのはPridehouseの「おうちでカラフルトーク!」なる企画に良く知る上司と知人が本日出演し、そこでLGBT当事者ならではのキャリア感について語っていたからです。
たぶんここにそのうち当日の動画がアップロードされるはずです。。

その中で上司のお人柄らしく、思春期の頃は自殺未遂までするほど悩み、役員就任の際に「仕事だけでなく人間的な面も認められたい」という思いからカムアを決意し、「自分の持つ倫理観や使命感を諦めたくない」という思いからLGBT支援の活動を続けている、という言葉に改めて自分自身の襟も正された思いであり、忘れないうちに「俺ってなんでこんな仕事頑張ってるんだっけ?」ってことを書いていこうと思います。

就活前〜1社目

就活を始める前にも僕はとあるITベンチャーで1ヶ月インターンをしたり、その後も院進学と同時に外部機関で2年間インターンしながら修士を取得するなど、当時から相当に「意識が高い」若者でした。
野心として成り上がりたいみたいなものがあったわけでなく、学生時代に何気無く同級生が言った「ホモなんて人間として中途半端な役立たずだ」みたいな言葉に心底腹が立って、「てめーより100倍優秀だってことを証明してやるよ」みたいなマインドで生きていた結果なように思います。(これは今でも大して変わらず)
性格的にベンチャーとか外資に行きそうだとか好き勝手な下馬評を並べられたのにも捻くれ根性が発動し、日系のゴリゴリドメ企業にストレート入社したのも懐かしい思い出です。
一社目は予想に違わず「30歳で結婚してない奴は性格異常者だ」なんて言葉をかけてくるくらいどうしようもない先輩もいましたが、仕事の成果で目にモノ言わせてやろうと奮起しました。が、そもそも(当たり前ですが)仕事の成果で人の評価をする社風でも無かったことを察し、6年で1社目を後にすることとしました。

2社目〜3社目

2社目・3社目ではクローゼットとすることによる無駄なストレスが鬱陶しいので完全に開き直ることとしました。社内的なLGBT啓蒙活動にも流れで参加させていただくことになり、雑誌に載せてもらったり大きなイベントにも立たせてもらったり、良い思い出です。あと、ゲイであることを利用すれば社内の伝手も面白いくらいに広がるので、そこにはマイノリティゆえの悲壮感も全くありません。
ただ、それとは裏腹にそういう目立ち方をするとそれ自体気に食わない人はいるもので、そういう意味での面倒臭さは感じました。また、LGBTに関連する活動というのは企業の人事戦略的な要素もたぶんにはらみ、やろうと思えば無限に仕事の範疇を広げていける中で、それを本業としてどこまで取り組むのか?という問いにもぶつかることになります。僕の答えは、ノーです。何故ならば、「かわいそうな困っているLGBTの人に手を差し伸べる」という経験を僕自身して来なかったし、そんな安易な同情が人の役に立つとは思えないからです。そんなことより、LGBTであるという特権を利用して人脈広げたり他者に持てない情報を勝ち取ることの方に興味があります。よって、僕の中でこの種の活動は一旦一段落とすることに決めました。

4社目と、それ以降

新しい会社ではずっと在宅勤務であることもあって、まだカムアはしてませんが、別にゲイであることを隠してもいません。自分の社会人としてのスキルや時代的な流れもあり、ゲイであることでなんらかの差別化の加点要素が入るとも思えないためです。聞かれりゃ別に言うけど、とか、不快なこと言われたら戦いますけど、くらいの感じです。
振り返ってみれば僕のアイデンティティにおいてゲイであることって昔から大した重みは無いんです。もちろん人並みに悩んだり苦しんだりしたことはあったけど、ストレートの人だってみんな遍く持つコンプレックスの一つに過ぎないような気がしていて、「別にそれをバネに強く生きるきっかけをもらえればいーんじゃん?」って感じです。

こういう時代にもなってきましたし、「ゲイだから」「マイノリティだから」とかそういう言葉に振り回されて悲劇のヒロインになるよりも、その特徴を武器にいかにこの人生戦っていくか、が大事だと思っています。
たまたま僕にとっては仕事とゲイであることが上手く絡み合って、なんとなくキャリアアップしていくきっかけになったように思いますし、別にそれは趣味であっても友人関係であっても何でも良いように思います。大事なのは、ゲイであることともう一つの何か(それは仕事でもOK)とで上手くシナジーを生み出せるよう、労働環境や周りの人を上手くコントロールしていくことなんだと思います。

(余談ですが、僕は絵も描けないし踊りも踊れないし見目も麗しくないので、そういう才覚に恵まれてる人はそっちにレバレッジかけつつ仕事もそこそこ食うに困らぬ程度にやれば、幸福度は高くいられるように思います。いつだって、他人の芝は青いもんですよ。)

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