【M&A】「買収巧者」のエア・ウオーター、海外企業を狙う

おはようございます。今日は朝起きた際にマインドフルネスをしてみたのですが、脳みその調子がばっちりです。寝起きにやったら2度寝するんじゃないかと思っていましたが、全然そんなことはありません。むしろ覚醒します。思い込みを避け、いろいろ試してみることで新たな気付きが得られますね。さて、今日は景気がよさそうなニュースです。

この記事を選んだ理由

コロナ禍の影響で各企業ともM&Aによる投資は控え気味であったり、そもそも投資規制や買収防衛策なども出てきてしまっているような有様ですが、全く別の動きをしている会社もあるようです。いわゆる巧者とされている企業の思惑を読み解くことで、全体的な潮流がどうなっていくのか、またその時に考慮すべきリスクや条件なども含めてみていきたいと思います。

要旨

①エア・ウォーター社は21年度までにM&Aを活用して売上高1兆円に増やし、22年度までに事業組織を再編しホールディングス制に移行する。海外売上高比率を現在の10%から18%まで引き上げることが目標。

②国内事業は医療や食品への多角化を進めてきた。買収した子会社同士での相乗効果の出しやすさ、および管理の省力化を目的として、事業会社・グループ会社ともに削減を目指す。

③これまで多角化を推進していたのは、国内の産業ガス市場の成長鈍化を見越して。多角化の軸としたのがM&Aだ。産業ガス事業で得られる資金を元手に、100億円未満のM&Aを多用。2000年以降で100社超を買収した。18年度の連結売上高のうち10年以降にM&Aした会社は約4割を占める。

④海外でもM&Aを成長の原動力とする考えだが「海外は買収先の経営者が信頼できるか見極めづらい」(同社)など難易度が高い。規模が大きくリスクも高い海外M&Aで事業を拡大できるか。買収巧者の力量を問われている。

解釈

従来より産業ガス大手二社のM&A戦略は対照的であった。一発長打を目指す大陽日酸と、コツコツ買収を積み重ねるエア・ウォーター。今回は大陽日酸がこれまで食らいついていた土俵にエア・ウォーターが乗り込んでいく格好です。ただ、こちらでもエア・ウォーターの戦略は空白地を狙っていく戦略の様子。事業を変革が出来る、多角化が出来る、という自社の強みを押し出す格好であり、あくまで産業ガスの一本足打法になっている大陽日酸とも対照的な見込みです。

こうやってみると、全く同じような事業をしてそうな二社なのに対照的で面白いですね。たしかにこんな目線であれば、空白地であれば景気動向もさして気にならないですし、元々の自社の財務体制が盤石であれば買収も怖くないですね。

ところが財務指標をみると、自己資本比率は37.2%、FCFはマイナスなのでそこまで自身満々といえる値でもありません。ROEは過去三年で9%超なので、そこはまあまあ良いです。よって、最初の海外の買収戦略もやはりこれまで同様小粒中心でいくのかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?