【M&A】いちごアセットはなぜJDIを買収したか?

おはようございます。連続で生活リズム修正はだんだんと成功確率が上がってきています。願わくば、来週くらいからはこれをもう少し早めていく所存です。たぶん成功のキーポイントは朝一の散歩と、合間合間のマインドフルネスです。僕はご多分に漏れずスマホ中毒なのですが、スマホ触りたくなったときにマインドフルネスをのんびり行うことでその欲求が抑えられている気がします。これはもうちょっと続けてみて確実な成果が出たらちゃんとレポートしようと思います。

さて、M&A市場も恐慌で冷え込みつつあるため、今度からはめぼしいニュースが無い際には、M&Aの各案件についての考察(想定したシナジー、M&Aにおける論点、判断の決め手あたり)をそれぞれ記載するような形式に変更しようと思います。今回取り上げるのは昨日も記事に記載したいちごアセットによるJDI買収です。

想定したシナジー

いちごアセットは投資家であるため、基本的には収益さえ上がれば良しという考え方です。JDIはただでさえ1月時点で株価はおよそ70円ほどであったのに、現時点では様々な不祥事が明らかになり、株価は40円前後。それを35円で議決権まで購入できたので、相当なお買い得なはず。現時点が底値と踏んでの決断なのでしょう。

2019年3月期時点で、資本金より借入金のほうが大きくなっており、完全に赤字です。営業利益すら出ていません。市場の評判はさらに底を打っている状態です。

その一方、現時点で人員整理や余剰資産の売却の見通しも立っています。今後はiPhoneSEであったり、市場トップシェアの車載用ディスプレイの売れ行きが伸びれば株価も上がってくる見込みであるはずです。

M&Aの論点

①JDIの膿は出きったか?(今が本当に底値か?)

まずは様々な闇を抱えるJDIに関する真実を解き放つところからスタートしないと、投資する側からすればリスクを背負うこととなります。4月ごろに追加で監査法人の意見不表明があったり、不正会計の真実が次々に明るみに出るなど、こうした追加の発覚というのは、買収前にJDIの膿を出し切らせる作業なのだと理解しました。そうすれば株価も下がるし、より適切な市場の評価額で購入できる、ということです。

②どうやって負債を減らすか?

現時点でもINCJ(旧産業革新機構)が連帯保証している借入金は1070億円もあり、利息の返済で収益を圧迫されてつぶされてしまう可能性もあるので、出資をするという形態をとっています。

借入金も返済できず追加出資、おまけに営業利益も出ていないとはずいぶんジリ貧な有様です。INCJは国民の税金ファンドに実質なっており、こんなところに投資している暇はあるのか、というのは正直な疑問です。。

INCJと手を組んでいる限り余計な忖度も入るなど再建プランもまともに描けないのは自明です。これまでも引くに引けないとズルズル問題を先延ばしにしているだけだから。

③どうやって利益を創出していくのか?

おまけに車載用ディスプレイやiPhoneSEがあるといっても営業利益は赤字なわけです。会社の資産も切り崩しているため、積極的な投資もできる状況にない。八方ふさがりです。技術力がある、といっても短期的な博打でちょろっと株価が上がるくらいしか期待が持てない気がします。

判断の決め手

以上から考えると、買値が底を打ったから、抜本的な逆転ホームランを打つための秘策があるから、の2点しか考えられません。

特に後者については私の浅薄な調査や知識では逆転策が思い浮かびませんでした。この企業ならではの強みが見えないのです。

強いて言えばこの記事の中にあるVR技術でしょうか。コロナ禍でAR/VR関係の需要は飛躍的に伸びていくでしょうし。。

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