【M&A】IHIの前期純利益7割減 重工3社、資金収支悪化

こんばんは。昨日さぼってしまったため、本日は二連続で行きます。重工大手三社は元々利益が出ていないことで知られており、かつてはKHIとIHIの統合なんて噂もありました。最近の日本の大手三社の動向に注目するため、本日はこの記事を取り上げます。

この記事を取り上げた理由

私自身元々重工三社すべてを担当して営業もしていたので、雰囲気はどこもわかっているつもりです。どこもお堅めの重厚長大産業で、人もいいし、製品に関しての苦情などもそんな無い。なのに、なんだか利益が出ていないのはなんでなんでしょう。そもそもエネルギーという業界自体が無くてはならないもののはずなのにデスマーチになっているのか、状況を確認したく取り上げました。

要旨

①重工大手3社の2020年3月期の連結決算が19日に出そろった。この日発表したIHIの純利益は前の期比68%減の128億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした自動車向け部品などの販売不振が収益を圧迫している。業績低迷に伴い各社の資金収支も悪化が鮮明だ。

②損益以上に悪化が目立つのが資金収支だ。IHIと川重の2社はマイナスだった。IHIでは営業活動で生じるお金を示す営業CFが145億円のプラスと前の期比で約7割減少。この影響でFCFは613億円のマイナスとなった。今後も井手博最高執行責任者(COO)は「エンジンなどの販売が減少し、利益とキャッシュフローへの大幅な影響は不可避だろう」と警戒する。

③十分な資金を確保できない状態が続くリスクに備え、各社は手元資金拡充に動いている。銀行借り入れやコマーシャルペーパーなどによる資金調達を進め、3月末の現預金はIHIで約1400億円に、川重で1000億円強に増えた。このためIHIだけでなく、川重も20年3月期末に18年ぶりの無配とした。三菱重は前期の年間配当は増やしたが、今期については大幅に減らす方針だ。

解釈

さらっと書かれてますが、FCFは3社中2社がマイナスという衝撃の結果です。そもそも原油価格減でエネルギー関連の売り上げは当分下がる見込みですし、リストラや資産の売却などは全然ありえそうですね。かつ、PBRはどこの会社も1倍をきっています。他にも大手でいろんな会社が1倍をきっているとはいえ、かなり危険水準といえそうです。

とはいえ、どこの会社も資金繰りが厳しいのでこれらの買い手が見つかるかも相当怪しいところです。航空機事業を持っているMHIも今のところはFCFはプラスですが、PBRはマイナスのためうかうか構えてられる状況では全くありません。MHPSは火力発電事業でGE、シーメンスを抜き世界トップシェアになったようですが、こうも原料価格が乱高下していたり新エネルギーなども出てきている今、この事業がどこまで採算合うのかは怪しいところです。

過去に頓挫した合併話、全然ありえそうですね。

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