【M&A】大戸屋HD 筆頭株主コロワイドの経営陣刷新提案に反対表明

こんばんは。一昨日更新できなかったリベンジで今日は二本分更新します。ニュースでも割と報道されている大戸屋の件です。調べてみると、筆頭株主が買収検討していたり、創業家と経営陣が対立していたり、赤字になっていたりと散々ですね。個人的には大戸屋好きなのですが。。なんでこんなになってしまったのかを見てみようと思います。

この記事を取り上げた理由

以前に大戸屋は競合のやよい軒に店舗数で追い抜かれてしまい、利益率も下がっているというニュースも見たことがありました。割とよく行く店なので、何が原因でこのような事態になっており、今の経営陣が打ち出そうとしている策が果たして妥当なのかを検討したく取り上げました。

要旨

①定食チェーンの大戸屋ホールディングスは、筆頭株主で、牛角などを運営しているコロワイドから経営陣の刷新を要求する株主提案を受けています。

②牛角などを運営するコロワイドは、来月開かれる大戸屋ホールディングスの株主総会で、経営の主導権を握るため大戸屋の12人の取締役候補者のうち過半数の7人をコロワイド出身者などにするよう要求する株主提案を行います。またコスト削減のために店内での調理を見直し別の施設で料理をまとめてつくることも要求しています。

③25日、大戸屋は、提案には反対すると表明しました。そのうえで、新たな中期経営計画を発表し、採算がとれない直営店の閉店を進めるほか、冷凍食品のネット販売など新たな事業にも力を入れていくとしています。

解釈

大戸屋HDは2016年の時点でも役員人事を巡って創業家と揉めていたようです。この時点で創業家の息子の常務の任を解いたり、窪田社長は創業者の意図を組んでいないとも言われるような態度をしていたようです。

2017年の株主総会では、前年に選任された役員11人のうち、2人が3か月もたずに退任したことも明らかになります。ここでは議題の内の一つ、ストックオプションとしての新株予約権の発行が創業者一族の反対もあって否決されます。

その後、コロワイドが2019年10月に創業家より株式を取得したことで、大戸屋HDの筆頭株主となりました。コロワイドは居酒屋「甘太郎」で事業を起こした企業であり、以前よりM&Aを活発に行っており、牛角、かっぱ寿司、フレッシュネスバーガーなどの運営会社を買収しながら規模拡大をしています。連結売上高は2400億円にも上り、250億円の大戸屋HDをはるかにしのぐ規模です。

そんなコロワイドが大戸屋HDに株主提案をするに至ったのは、業績悪化に対する抜本的な説明が無かったからだ、としています。下記のコロワイド社長の発言を見る限り、コロワイド側はあくまで株主として、創業家の代理として、大人に対応しているように見えますね。

(取締役として)今回候補にさせていただいた人たちは、コロワイドの言うことをそのまま素直に聞くようなメンバーではない。そういう意味では、大戸屋を征服したい、われわれの思うままにしたいといった思いではなく、あくまで企業価値を上げたいという思いから選んだメンバーだ。
メニューに口出しするつもりもない。大戸屋の優れた部分は残しつつ、合理化できるものはしようと考えているだけだ。大戸屋のブランドは非常に魅力的。一朝一夕に作れるものではない。たとえば、大戸屋ではキャベツを今でも店内で切っているが、技術の発展によりセントラルキッチンで切って店舗に運んでも、品質は変わらない。

このタイミングで株主提案に踏み切ったのは、コロナショックによるものとのこと。2/3がFC店である中、店舗数を維持するためには早急な改革は急務であるとのこと。これもまあ納得です。

それに対しての大戸屋HD社長の言い分はこちらをご覧ください。感情論ばかりで読む気がしません。そもそも「セントラルキッチン」が主要な論点なのでしょうか?

収益改善の施策は何か?ということを代案として示すべきだと思いますし、そもそも上場企業は株主が所有者に当たるわけであり、株主をあからさまに拒否するような言い草はいかがなものかと。。

IRを見る限りも抜本的な策を打たない限りは厳しそうだなと思っていたら中計はまじで根性論ばかりで笑ってしまいました。あーこれは買収されるべくしてされるんだろうな・・・

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