【M&A】「チームB」超えるM&Aを 日本企業、新常態の条件

こんばんは。せめて週に二回くらいはのんびりM&Aの勉強がてら更新を続けていこうと思います。フォーマットも以前の内容だと陳腐化していたので、簡略化することにします。今日はこの記事を取り上げます。

要旨

①日本の株式相場がコロナ危機から回復している。世界的に株安が加速した3月から先週までの値動きを見ると、日経平均株価は3%高。20カ国・地域(G20)会議参加国の主要株価指数では、金融危機で振れが激しいアルゼンチン(8%高)に次いで2位につける。

②M&A助言のレコフは4月、企業などのM&A関係者にコロナ禍の影響を聞いた。買収・売却の検討を始めたとの回答は26%に上る。ゴールドマン・サックスによると、手元流動性が有利子負債を上回る企業の割合は日本で49%。15%の米国や21%の欧州に比べて懐にも余裕がある。

③投資家の悩みは、M&Aの「打率」が高いと言えないことだ。だからこそ、安易なM&Aに反対する敏腕ぞろいの「チームB」を社内に作り、戦略や価格などあらゆる観点から案件をたたくのだ。投資銀行の商売は「案件を進めてなんぼ」の面があり、「NOというバンカー」の声に耳を傾けるしくみは「株主のために厳しく検討した」と説明責任を高め、アクティビストの批判をかわすだろう。

考察

まさにコロナ禍の不況はM&Aのチャンスである一方、M&Aの成功率は僅か2割と言われています。ここでも記載されている通り、一般論としては、自らの成長戦略チャートを描いた上で行うM&Aか、それがなく案件ありきで行うM&Aでは、結果は大きく異なるのはもちろんです。要は「なぜその案件をM&Aするのか?」「シナジーやリスクに見合った金額で買収出来ているか?」「シナジーやリスクを絵に描いた餅で終わらせないためにはどうすればいいか?」といったプランを綿密に立てていくことが必須です。

また、買収前に自社が立てた目標を5割以下しか達成できていない「買収失敗企業」のうち、M&Aの交渉中に適切な撤退判断ができないとする割合は半数近くに上るとも言われています。

JPモルガン証券投資銀行部の土居浩一郎マネジングディレクターは「カネ余りで1つの買収対象企業に複数の買い手が出てくることが常態化しており、足元では買収の難易度が上がっている」と指摘。(1)価格(2)相手先の規模(3)買収の質――の3つのうちどれかで妥協しなければ買収成立が難しくなっているという。競争激化で価格もつり上がり、M&Aの成功に向けたハードルは一段と上がっている。

中期経営計画等において「M&A による拡大戦略」を掲げ、M&A にかける予算を計上し、その予算内で買収相手を検討していくケースや、余剰資金活用の視点から M&A を実施するというケースもよくみられますが、「M&A の成功に必要な要素として成長戦略と M&A 戦略の一貫したストーリー構築」、「経営トップのコミットメント」の2つを意識することで成功率を高めることが出来ると言われています。M&Aをして終わり、ではなく、一貫してシナジーを上げていくために経営者から現場一人ひとりの社員に至るまで思いを同じにして戦略実現を目指していくことこそが肝要であるといえます。

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