台風一過
ぼんやりと微睡みながら、厚い布の向こうから差す陽光を、閉じた瞼の奥に受けている。
外の音は、雪の日かと思うほどピタリと静まり、昨夜の雨風の記憶を掻き消すかのようだ。
ただ、緩やかな頭の奥の眠気は気圧のそれであるし、テレビから聞こえるきぃんと高い中継音。からの、淡々と各地の状況を、独特の間でやり取りしているニュース番組。
非現実的な現実は幕を引いたが、舞台装置と後片付けだけが残る日曜の今朝。
次の瞬き後に、いつもの日と同じ常を求めながら、ゆっくり、と、意識を枕に預けて落ちた。
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