ファンダムエコノミーの未来感

宇佐美りん「推し、燃ゆ」。ちょっと前に芥川賞を受賞した作品である。普段はこういうのは読むことはないが、あるポッドキャストで大絶賛されていて、しかも某メルカリで安く手に入ったので、読んでみた。短い小説だった。ちょうどそのタイミングで黒鳥社から出版された「ファンダムエコノミー入門」。これが今日の話。

ファンダムエコノミーとは

「ファンダムエコノミーは、もはや一部の過剰な消費者が生み出す周縁的な経済圏ではない。それは、生産者と消費者の関係性を根底から変え、これまでとはまったく異なるビジネスを生み出す巨大な潮流だ。伝統的な経済システムと接しながら、モラルエコノミー、ソーシャルエコノミー、贈与経済がハイブリットされた摩訶不思議な新しい経済は、来るべき政治、文化、社会さえをも変えてしまうかもしれない。」(帯より)

ファンダムエコノミー自体は古くからあって、コアなファンというとわかりやすい。シャーロック・ホームズにもあるし、スター・ウォーズにもある。日本ではオタク文化もそうだろう。ただ、今まではある種の限定的なものとして捉えらてきたが、ここにきてその特別な感じはもうしなくなってしまった。BTSは普通にファンがいるし、ゲームをする大人も普通になった。


推し、という財・サービス

財・サービスは、生産者と消費者が貨幣で交換されるもの、が従来の経済学である。推しは、財・サービスとしての売買の対象ではないということらしい。つまり、消費ではないということか。むしろ、贈与に近いというのである。BTSのCDを買うとか、グッズを買うだけでなく、ファンが出資して広告を出すとなると、ちょっと従来の消費行動で説明できなくなっているというわけだ。

時代は変わる

「推し、燃ゆ」を読んでの感想が、わからん、だった。BTSはもちろん知ってはいたが、それほどまで世界で人気があるなんて知らなかった。そして、このファンダムエコノミー。正直なところ、自分には理解できない。そこに書いてあることは理解できるが、ピンとこないのである。しかし、それは仕方のないことだとも思う。時代は変わる。
サブスクリクション、が消費行動を変えてしまったように、ファンダムエコノミーが消費行動を変えることがあるのかもしれない。アップル・ミュージックに入ってからもうCDは買わなくなってしまった。本はまだ買ってはいるがkindleも使っている。そのうち本も買わなくなるかもしれない。

まとめ

ちょっとまとまりがなくなってしまいましたが、ファンダムエコノミーの紹介でした。これから経済活動が変わるかもしれないという話。繰り返しになりますが、自分にはいまいち理解できないとしても、それはそれで押さえておかないといけないのかもしれません。一気に自分が歳を取ってしまったような感じなるのも仕方のないことですね。

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