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投資未経験探偵に正拳突き

豊田章男氏が「終身雇用を守っていくのは難しい」と語ったのは記憶に新しい。未曾有の円安、そして新NISAの運用も始まり円の価値を倍加させるため投資が急増した。社会保険料で多大な天引きを受ける昨今、マネーリテラシーは必須だ。

もしこれを読んでいるあなたが副業の手段を持っているならいい。だが探偵は別だ。投資から逃げてはいけない。なぜなら投資における基本的な分析は全て公開情報の読み込みだからだ。また、企業調査はM&Aに起因するものもある。株式の基本的な知識がなければ依頼人と契約どころか話にすらならない。企業案件を増やしたい探偵、稼いで新たな機材を揃えたい探偵、今すぐ投資と勉強を始めろ。

有価証券報告書とIR

IRとはインベスターリレーションズの略で、その名の通り投資家向けの広報だ。上場企業のCFOクラスが肝入りで作っている。まず探偵がIRで最初に覚えるべきは有価証券報告書(Annual Report)だろう。その中でも連結財務諸表、すなわちBS, PL, CFだ。自分なりにでいいから最低限、財務諸表からその企業の性質を語れるようになれ。
(例)サッポロビールの固定資産のウエイトが高いのは恵比寿ガーデンプレイスの土地所有が起因する

ここで英語表記しているのは基本的に有価証券報告書は世界共通であるからだ。一回語句を覚えれば世界の企業を分析できるようになる。咄嗟に「ファイザーの有価証券報告書を取ってきて」と頼まれたら、すぐ用意できるようになろう。もちろん、最低限の会計と語学はいるぞ。

IRはこの有価証券報告書、決算説明会のスライド、決算短信で主に構成される。CFOやら情報責任者が肝入りで務め、いわば会社の官房長官だ。これに不備があると厳しい。例えば、決算短信にも関わらずウェブサイトのアタマに出てくるような「ビジョン」で埋められたものは、業績不振を誤魔化しているだろう。

当事者になれ

探偵は主に対象の行動を収めたり風評を集めるといった、いわば有機的な情報のプロだ。証券アナリストほど株式分析ができる必要はない。だが、投資が普及し一般人により身近になれば、依頼人に共感するための経験は必要だろう。Youtubeや本で学ぶのも良いがインデックス、積立といった投資で自ら当事者になるのが手っ取り早い。社会保険料に財を吸収され、モノの価値が上がり円の価値が下がる時代、自分と弟子が生き抜くための手段を確保しなければならない。

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