サッカーの本質を示す言葉材料集め(2)
サッカーの本質を語る言葉から、フットボールの歴史を学ぶ
(キッシンジャー)
「サッカーの本質とは、流動的であり、常に新しい状況を自ら興すことが求められる。攻撃と守備は相殺関係にあって、サッカーは、攻撃より守備のほうがしやすいそのため、(私が好きだった)50年前よりも、サッカーが守備陣営に偏りがちとなったことは悲しい。」
※バイエルン出生
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一周回って、攻撃は守備の起点・守備は攻撃の起点に
この言葉を道しるべに、フットボールのトレンドをおってみる
■(2000年代まで)
「得点されない」サッカー→フォーメーションサッカー
フォーメーションベース・トータルサッカー・バルセロナ/スペインの隆盛
※オランダ・スペインが長尺でやったことを把握しなければ
↓
■(2010年まで)フォーメーションサッカーを攻略する動き
インテンシティを高めたり、ますます得点されない守備の戦略を考案したり、そもそもスター選手を集めたり、プレーモデルの選択肢を増やしたり
でもまだポジションが果たすコアな役割は守られている印象。
※ドイツが長尺でやったことを把握しなければ
↓
■(2010年代)東洋哲学的フットボールの萌芽
(ここから少しずつポジションの定義が崩れていく)
最終ラインが攻撃の起点
守備起点があがり、攻撃起点がさがるトレンド
※ フランスが長尺でやったことを把握しなければ
↓
■(2010年後半)ポジショナルフットボールの限界
ドイツの歴史的敗退で、場はまた変わる
フランスとベルギーはなぜ、勝ったのか
イングランドはなぜ、リーグとともに復興を遂げつつあるのか
そしてオランダ・イタリアの逆襲
↓
■2018-そして潮流は「クラブサッカーの成熟」を最大化する時代へ
「テクニカルエリア外の通信機器の利用可能」という日本ではあまり取り上げられていないルール改定がもたらしたものは意外に大きかったかもしれない。アナリティクスの精度向上等を受けたフットボール研究の成熟、市場のグローバル化、クラブフットボール系ガバナンスの相対的パワー拡大、代表招集期間の相対的な短縮等の結果、クラブサッカーでしか成しえないことが増えて、それらの良さを代表で再現できた国が上位へいくようなトレンドになるのではないだろうか。「普段から一緒に練習している時間が長いから」といったふわっとした理由よりは、ピッチ上のトレーニングは科学的にもますます臨床実験の場だとすると、仮説検証をこまめに繰り返せるクラブフットボールの成熟が、わずかなIMDで生成する代表フットボールの成熟に寄与する度合いが増すだろうし、ポジションに固執せず、多様な「系」を有機的に作動させられるチームが強くなることは想像に難くない。(ピリオダイゼーションの隆盛・ラップトップマネジャー等の台頭がその兆候かもしれない)
「国内トップリーグで培ったサッカーを、UCLで披露し、クラブサッカーをインストール済みの選手らが即席でコラボレートするのが代表サッカー」がヨーロッパの「強化のダイナミックメカニズム※」だとすると、ヨーロッパがロンダリングでアジアがそのメカニズムを獲得する日は、まだまだ先だろう。けれども、その分、やれることは多いはず。「マンチェスターシティがリーグ戦に強く、UCLに弱いワケ」はこの観点からもう少し掘ってみたい。
※:コンセプトカー:国内リーグ、F1:UCL、市場車:代表戦・・・みたいな
仮説:クラブサッカーでしかできないこととは?
「”約束事と訓練"に裏付けられた個のクリエーション」
「90分の中でのフォーメーションデザイン」
マンチェスターシティの3種類のパターンと3名のコア選手を軸とした無数の対応パターンにみられるように、いまトップオブトップのピッチ上では、90分のなかでの、フォーメーションデザインの多様性が求められている
※ 童話「スイミー」のように、個がまとまった、いち「系」としての動きの多様性をいかにチームとして持てるか
→「意思と意思との紡ぎ合い」サッカーのコミュニケーション的側面がより試されるのが次のフットボール
→すると、もはやフットボールは「二項対立のスポーツ」ではなく「究極のコミュニケーションへ挑戦できる場」するという、新しい価値観が醸成されていく。その点が魅力になれば「一強のつまらなさ」という、このままいけば確実に世界のフットボールシーンが抱えうる課題への解決の道しるべになるかもしれない。・・・これは、人間の尊厳にまで及ぶ話になりそう。
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