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分類できない愛

私は星についてはよく知らない。どの星がなんて名前か、どれが繋がってなんの星座を成しているのかもよく知らない。中学の頃に習った星の動きなんてのも、もう忘れてしまった。それでもわたしは星が美しいことだけはよく知っている。

私は音楽が好きだけれど、そのコード進行だとか音楽理論を全く知らない。正直AメロBメロの意味もよくわかっていない。ただ、私の好きなアーティストが掻き鳴らすそのギターは美しく、聴いていると勝手に涙が出てしまう時さえある。

明文化しなくてもいい。何よりも確信できるその美は自分がどうしても埋められない自分の心のうちにある不安定で揺らぐ隙間を埋めてくれるような気がする。だから私はよく星を見に家を出た。

私は無知のままに生きたいし死にたい。何かを本当に嫌いになってしまう時は、その嫌いな部分を言語化出来てしまうときだと思う。もうはっきり嫌いな理由を述べれるようになってしまっては、そんな所ばかりがちらついて、そのものにまだ気付かぬ魅力があっても、もうその嫌悪は拭えなくなるだろうから。何となく嫌いなだけで済めば、見つけることの出来なかったたいいところが見つけられるのだと思う。

なるべく感覚的に生きていたい。


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