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名脇役


名脇役、SexyZoneが2018年に出したアルバム「XYZ=repainting」に収録されている曲である。去年のJr.ちゃんたちのコンサートでカバーされまくり、セクラバ内で楽曲人気投票をすれば必ず上位にランクインしてくる。かくいう私もSexyZoneの音楽にはまったのはこの曲からだ。


ある時ふと思った。この曲がなぜこんなにも人気があるんだろうかと。


それに対する私が考えた答え、

それは聞いた人の99%が、この曲は【自分のことだ】と思うからだ。 


みんながみんな、自分の過去や今で感じた胸の痛みを全部この歌にのせて聴くから。恋心という、自分の一番やらかい場所を引きずり出されてその気持ちがまるごとそのままメロディに乗るからだ。


記憶と結び付いた音楽は強い。好きな人の香水を街中で感じて思い出すのと同じくらい、好きだった人と一緒に聞いていた曲、元カレが好きだったバンド、失恋したときに自分を慰めるために聞いていた曲、何年たっても人は覚えているものだ。


そんな自分のなかのじゅくじゅくとした部分をまるごとこの曲は一言一句さらっていく。最初から最後まで、この歌には恋をしたことのある人間が必ず一度は頭に思い浮かべたであろうことしか出てこない。


名脇役は、わたしのことを歌った曲だ。


おそらくこの世の99%の人はそう思う。曲としての魅力だけじゃなく、自分が恋に焦がれたぶんだけ、恋に恋した気持ちが強いぶんだけ、この曲は特別なものになる。


だから名脇役を好きだと言う人が多いことを、私は嬉しく思う。街中ですれ違うあんなにかわいい彼女も、叶わぬ恋に身を焦がしたことがあるのだと。世の中でこれだけの人が、私と同じように頭のなかでうじうじしたことがあるのだと、勇気をもらえる気がする。



そして、こんなどうやったって最強になってしまう曲が他のアーティストではなくSexy Zoneの曲であることを嬉しく思う。失恋なんて人生で一度もしたこと無さそうなあの5人が、あれだけ切なく歌ってくれると、もうなんか恋ってうまくいかないよね!しゃーないしゃーない!!!と思わせてくれる、その説得力たるや。


でもSexy Zoneはベビーピンクのルージュを塗って新しい恋に会いに行こうとも言ってくれる。

いつまでも頭の中の記憶と会話して名脇役な自分を慰めているのではなく、すべての助演男優•助演女優のみなさまに幸あらんことを。そして私にも一刻も早く春が来い。





何かしらの間違いでいいから、けんとくんのものになれないかなあ(おだまり)


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