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『そして夜は甦る』
いま、あなたの心の中には、どの様な音楽が流れていますか?
(おはようござい、こんにちは、こんばんは。)
今朝、Facebookのタイムラインにフォローしている成毛眞氏の<たったいま、まずは『そして夜は甦る』を読み始めた。>を見つけた瞬間、原尞氏が亡くなったのかなぁと思い、ネットニュースを確認したところ、『直木賞作家の原尞さん死去 私立探偵・沢崎シリーズ』の見出しを見つけました。
(https://www.sankei.com/article/20230510-BF3NWJYN5FLERM6CKTUWA3ZDZI/)
原氏の作品は、いわゆるハードボイルド小説で、最初に読んだ作品が『そして夜は甦る』でした。何とも言えないくらいカッコいいんですよね。作品の内容をここに書くのも憚られるので、ワタシが好きな主人公<沢崎>を表現するにあっての小道具というか、ディテールがいいんですよね。
例えば、<まだ走るというだけの理由で乗っているブルーバード>、<決して陽の射さない二階の奥にある事務所>、<上着のポケットからタバコを取り出して、紙マッチで火をつけた、“ピース”という間の抜けた名前の両切りのタバコだった>などの表現がたまらないですね。
ハードボイルドといえば、レイモンド・チャンドラーを思い浮かべますが、原氏自身もチャンドラーを愛しており、チャンドラー作品の影響が原氏の作品にも感じられます。この『そして夜は甦る』はデビュー作となります。
ちなみに原氏は、経歴も変わっていて、小説家の前にはフリージャズ・ピアニストとして活動していたとの話もあります。さらに、原氏は遅筆で有名でした。デビュー作から次作発表までに1年半を要しており、更に3作目の発表までに6年、第4作目の発表までには9年、極め付きは第5作目の発表までに14年を要しています。この第5作目の発表までの14年の間に、どうでもいい話ですがワタシは4度の転職をしています。
今朝は、原氏の訃報を受け、成毛氏と同様に『そして夜は甦る』をkindleで読み始めたところです。ワタシも、この作品を読むのは何度目かなぁ?
原氏の作品の主人公<沢崎>を通じて、ワタシは何とも言えない“寂寥感”を感じることがあります。これがオトナとしての振る舞いだなぁと勝手に思い込んでいます。
“寂寥感”と言えば、竹内まりやさんの『人生の扉』にも感じます。
今朝は、通勤電車の中で『人生の扉』を聴き、『そして夜は甦る』をkindleで読んでいます。ふと見上げると、西新宿の高層ビル街が目に入りました。<沢崎>の事務所のある新宿の街も、すっかり区画整理で街が変わってしまいました。
もう二度と原氏の新作を読めないのは悲しい事です。彼の愛したレイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』になってしまいました。
本日は、ここまで。お付き合いいただき、有難うございました。
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