見出し画像

眞子さま騒動から女系天皇について真剣に考えてみた

そもそも天皇家は女系だった?

まあ神話の話ではあるのですが、日本国土を創生した神である伊邪那岐神が目を洗った際に生まれたのが「天照大御神」。みなさまご存じの通り太陽神であり天皇家の祖先神であり、女神だと言われています。

国造りを完成させたのは大国主命(出雲大社の神様)だけど、地上世界を治めるのは天照大御神だということで話し合ったという国譲り神話があるんですよね。

天皇家は男神の大国主命が祖先神ではなく、女神の天照大御神が祖先神なんですね。

一説には天照大御神は卑弥呼だったのでは?という説もあり、神道のシャーマン的要素もあり、皇族ってほんとロマンの塊だと思うのですが、世界中見ても土着の宗教って多神教で男性、女性に区別なく、非常に人間臭い感情もありいざこざもありという物語であふれています。

男性主権、男尊女卑に大きく影響を及ぼしているのは、キリスト教や仏教などの新興宗教で、これらは基本的に女性を排除した男性の為だけの閉ざされた学びの世界だなと感じざるを得ないんですよね。

キリスト教や仏教が男尊女卑であるとは常々感じるのですが、私個人としては、皇室や皇族や神道が男尊女卑だとは全く思ったことが無いんですよ。

歴史を見ても女性天皇は存在する

日本の歴史上女性天皇は、推古天皇・皇極天皇・持統天皇・元明天皇・元正天皇・孝謙天皇・明正天皇・後桜町天皇と8人います。

なので女性は天皇にはなれないというのは誤解です。

Y染色体で考えるのか遺伝子情報で考えるのか

昔の人たちがY染色体なんて知っていたとは思えないんですが、上記の女性天皇のうち結婚して子供を産んで継承させている人たちは皆皇族の夫を持っているんですね。なので皇族のY染色体を持った子孫が現代にいたるまで途切れなかったというのが一応歴史的な認識となっています。

女性は性染色体がXX、男性はXYなので、皇族のY染色体を受け継がせることができるのは男性皇族のみということになります。

皇室典範では「女性皇族が皇族以外の男性と結婚した場合、皇族ではなくなる」という規定があります。眞子さまも他の女性皇族の方々も、結婚すると皇族ではなくなるということです。愛子さまも皇族の方以外と結婚すると皇族では無くなり女性天皇にはなれないということになってしまう。

ただ個人的に、Y染色体にそこまで大きな遺伝子情報としての影響力があるのかどうかは怪しいと思うんですよね。主な重要情報はX染色体上にあり、Y染色体は男性の性別を決定づける生殖器を作る情報というだけの役割しかなく、X染色体に比べて情報量が薄い。

父親(XY)と母親(XX)から一本ずつの染色体を受け継ぎ、その組み合わせが父のX+母のX=女の子XX、父のY+母のX=男の子XYが生まれるわけですが、そのY染色体にはX染色体に比べて遺伝子情報があまり乗っていないため、母親のXからの情報がより濃く受け継がれる可能性が高いんですね。だから男の子は母親似が多いと言われる。

女の子の場合は父親からもX染色体を受け継ぐので男の子より女の子の方が父親の遺伝子を濃く受け継ぐ可能性が高い。一説によると男性XY染色体のX染色体は女性XX染色体のX染色体よりも遺伝力が強いともいわれています。その為女の子は父親似が多いと言われる。

ただし、遺伝子情報は繁殖を重ねるごとに繁殖相手の遺伝子情報と混ざり合い変化していくものでもあるので、皇族のY染色体が重要なのか、皇族の遺伝子情報が重要か、どちらを重視するのかという話になりますね。

権力争い・家柄としての問題

結局どーしょもない人間の社会で一番重視されるのってここなんじゃないのかなと思うんです。眞子さまと小室圭さんの結婚に対して大きく反対していた人たちの言い分を聞くと、「小室佳代さんが皇族の親戚になるのが許せない」「家柄が違い過ぎる」ということなんですね。

前述したとおり、皇室典範では「女性皇族が皇族以外の男性と結婚した場合、皇族ではなくなる」と決められているので、眞子さまは皇族ではなくなるんですが。

いままでの長い日本の歴史の中で、天皇家は皇族以外の男性を一族に迎え入れないことで続いてきた。

そして平安時代から、権力の欲しい男は娘を皇族に嫁がせ、また皇族の女性を嫁に迎えて、女性をやりとりすることで権力や権威を奪い合ってきた歴史があります。

「小室家が皇女と結婚して皇族の親戚筋になるのが許せない」という思考はまさにこの、女性をやりとりして権力や権威、今なら税金といったものが小室家に与えられることが許せないという思考なんだと思います。

日本国憲法第24条には

婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

と定めてあります。

「女を男(親)の権力争いの道具にするな」

「政略結婚や親の決めた結婚はダメ」

「結婚する当人同士の合意に”のみ”基づいて成立し、男女は同等の権利を有する」

という、まあ非常に当たり前のことが理解できない人が大変多いということ。

雅子さまも週刊誌に散々誹謗中傷や名誉棄損の報道をされ続けていましたが、この「家柄」と「権威」というものに取りつかれた人たちにとって、果たして「納得できる家柄」の人間がそうそう日本にいるのだろうかと疑問に思います。

そしてどうしてもこの手の人たちにとっては、男が支配するもの、女は従うものという固定観念がある。

男だけじゃなく、女にも女の男尊女卑的バイアスが無意識にあるんですよね。これはフェミニストという人にもものすごく強く感じることがあって、女はこうあるべき、女の悲劇はこうである、女ならみなそう思うべき、みたいな固定観念の押しつけがものすごく強いと感じます。

男性の無意識の男尊女卑と、それがあるという前提での女性は被害者であるという女性の男尊女卑の概念。フェミニストとミソジニーって表裏一体で鏡合わせにそっくりだと感じるんです。同じ価値観を共有している。

私は妊娠してから子育て中の今現在専業主婦なんですが、それは私は親から教育ネグレクトを受けていて学歴もキャリアも無く、性格的に怠惰であり、また育児を手伝ってくれる親兄弟もおらず、子育てがやりたくて結婚したので子供を自分で育てたいという気持ち、夫の収入と私の持っていた貯蓄で現状やっていけるからなどの様々な理由から専業主婦であるだけで、本質的に自分は夫より高IQだと糞威張っており、何一つ恥じることもなく堂々と生きております。

しかしジェンダーバイアスの強い女性にかかると「専業主婦は夫を通じてしか社会と繋がれない劣った存在」「男に支配されている」「女も男並に働かなければ対等になれない」などの思い込みで、自分の理想とする女性ではない人を「男の傀儡」とか「劣ったもの」として見下したり攻撃したりしてくるんですよね。つまり専業主婦はミソジニーから見ると「男に寄生しているずるい女」であり、フェミニストから見ると「男に寄生しているダメな女」なんですね。本人が現実的に自分をどう思っていようとも、ミソジニーもフェミニストもバイアスで見下してきます。個人の生き方の選択の自由は尊重されない。

眞子さまと小室さんの結婚でも、批判する人たちは男女ともにそういうジェンダーバイアスがかかりまくっていて、歪みをものすごく感じます。

小室佳代さんと小室圭さんは別の人間、別の人格であるということも理解できていないし、小室圭さんと眞子さまも結婚しても別の人格であり、別の人間であるということが理解できていない。それに結婚は契約にすぎず、解消することも可能なのですが、離婚したら破滅に等しいような思い込みもものすごい。

個人を見た時に絶対に交じり合うことが無いものを、関係性や続柄というもので一緒くたにして捉えて混沌としてしまうんですね。

男性が女性を支配するのだという固定観念がある人たちが多い世の中で、皇族に加わるに相応しい家柄や権威のある男性が果たしているだろうか。そういう意味で女系天皇は国民感情的に成立しえないのでは?と思います。

要約すると・・・

科学的な視点から見て、男性から男性に受け継がれている(一応)他の男性が入ってこないことによって維持されてきた、天皇家のY染色体を特別視するのかどうか。

そして国民感情的な視点からみて、男性が女性を支配し、女性のやりとりで権力や権威が家から家へと波及するという概念を持つ人たちが、庶子から皇族に入ることを納得できるだけの家柄の男性家族が日本に存在するのか。

憲法上では婚姻は政略結婚やいいなづけではなく、男女双方の合意のみで成立し当人たちの気持ちが最も尊重されると定められていますが、皇族の方々、またそのパートナーとなる人たちが、恋愛感情や信頼関係などを持ったうえで十分な権利の保護と、国民感情の両方が成り立つ結婚がありうるのかなと。

結婚することで皇族では無くなる眞子さまでさえあの騒ぎで、相手が気に入らないとなれば癇癪を起して皇室を廃止しろと大騒ぎする人たちもいますよね。皇室が国民の税金によって維持されていることを考えると、尊敬できない男性家族の皇族入りというのは非常にリスクが高く、下手をすれば本当に皇室そのものが無くなりかねない騒ぎに発展しそうです。

その二点を明確にクリアしないと、女系天皇は難しいように思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?