【ななちゃんの心拍が止まってから②】決めなきゃいけないこと①

2024.5.3(29w6d,心拍が止まった翌日)

ななちゃんの心拍が止まった日のことは、前回までの記事に書きました。

そうそう、最後の診察でななちゃんは、骨盤位(逆子ちゃん)でした。私が通っている病院は、骨盤位であっても、可能な場合は経膣分娩という方針で、それは、心拍があって陣痛がきた場合も同じでした。

ななちゃんの場合は骨盤位だから苦しいとかではなく、心臓の病気が原因なので、立ち会いができる状態で見守られて産まれてくるのがよいと言われていました。


ここで、病院の方針は大きく分けて2つ。この2つの中から、ななちゃんをお腹の外に出す方法を決めなくてはなりませんでした。7日に診察の予約がとってあったので、その日までに決めようと思っていました。


1つめの方針は、自然に陣痛が来るまで、お産を待つこと。

子宮内胎児死亡となっていても、その時点で痛みや出血の症状がなくても、いずれ2週間以内に陣痛が来て、お産になることが多いそう。自宅で無理ないように過ごし、陣痛などの症状が出た時に入院するという方針。
最長で4週間まで待てるそう。
この方針の利点は、分娩誘発をしなくてよいということ。
ただ、不利益は、長く待っていることでまれに血液凝固障害が起きる可能性があるそう。それから、いつまで待てばよいのかという精神的な負担。そして、無痛分娩はできないということ。それから、お産後の赤ちゃんを調べることは難しくなること。赤ちゃんの皮膚が柔らかくなり、めくれてしまう可能性があること。


2つめは、分娩誘発を行う方針。

この方針の利点は、子宮内細菌感染や血液凝固障害などの合併症を減らせること。無痛分娩(和痛分娩)も選択できること。お産後の赤ちゃんを調べて、亡くなった原因を調べられること。
不利益は、分娩誘発に伴う合併症の可能性があること。

分娩誘発の方法
1)陣痛をおこす前処置
①頸管拡張法
 吸湿性頸管拡張剤を頸管に挿入。水分を吸って自然に膨らむ作用を利用して頸管を広げる。約半日で効果が出るが、効果が少ない場合は、半日ごと数回挿入し直す可能性がある。

②メトロイリンテル法
 ラテックスフリーのシリコンでできた袋(風船のようなもの)を頸管に挿入し、水で膨らませて頸管を広げる。発熱、感染が起きることがある。

③プロぺウスによる頸管熟化法(37週以降の場合に状況に応じて実施)
 子宮の出口を柔らかくする目的で、膣内に10〜12時間薬を挿入。

2)陣痛をおこす(強める)方法
①オキシトシン点滴による方法
 オキシトシンというホルモンを薬剤にしたもので、低濃度の点滴として使用する。少量から始めて、適正な陣痛になるまで少しずつ増量してゆく。副作用、ショック(チアノーゼ)、過強陣痛、子宮破裂、頸管裂傷、微弱陣痛、弛緩出血、羊水塞栓症

②プロスタグランディン点滴による方法
 プロスタグランディンという薬剤を低濃度の点滴として使用する。少量から始めて、適正な陣痛になるまで少しずつ増量していく。緑内障、気管支喘息のある人は使用できない。副作用、過強陣痛、子宮破裂、頸管裂傷、羊水塞栓症、心室細動、呼吸困難、喘鳴。

③人工破膜による方法
 胎児を包んでいる膜(卵膜)を破って破水させると、胎児の頭が下がりやすくなり、陣痛が強まりやすくなる。発熱、感染が起きることがあり、お産まで時間がかかりそうな場合は、抗生物質の内服、点滴を行う。

子ども医療センター産婦人科「分娩誘発についての説明」



私は、これまで3人の子どもを産んでいますが、自分の身体の状態も子どもたちの状態も健康であったし、妊娠経過も順調に進んでいったので、助産院での自然なかたちでの経膣分娩しか経験がありませんでした。(それがどれだけ奇跡的なことだったのか、今回の妊娠で思い知らされました。)

そのため、分娩誘発も始めてです。

促進剤は痛いのではないか。無理に頸管を広げるってどんな感じなのだろう。陣痛を起こすと、自然にくるより痛みが強いのでは?副作用がいっぱい書いてあって不安。
麻酔を使って、無痛分娩もできる、とのことでしたが、麻酔を使うのも心配。(そもそも医療行為が苦手な私)麻酔が効き過ぎて、しびれが治らなかったらどうしよう、とか麻酔の副作用の心配のが強かったです。


そんなことをぐるぐるずっと考えていて、なかなか分娩の方法を選ぶことができませんでした。


もう一つ、懸念していたこと。それは、ななちゃんと同様に、とても大切な長女のこと。長女は4年生で、初めての宿泊体験学習(学校行事)が2024.5.13〜5.14にありました。長女は、いつも「ママの作る唐揚げが1番美味しい!」と言っていました。初めての宿泊体験に、明るい気持ちで、手作り弁当で送り出してあげたい、そんな気持ちもありました。

そのため、入院や出産で、その日に家にいないのは嫌だな、そんな思いもありました。


なので、私の中では、15日まで自然に陣痛が来るのを待つ、それもいいなと思いました。誘発されてくる陣痛の恐怖と、長女のことを思っていました。

夫の意見としては、7日に入院というのが強かったようです。入院したら、すぐ産まれるものとみんな考えていて、7日に入院したら、13日までには帰って来られる、お弁当も作れるという意見でした。自然の陣痛も、いつ来るかわからないので、15日まで待つと決めても、お腹の中で待ってくれるかどうかはわからない、それも不安ではありました。


また、どれだけ出産の痛みに耐えても、誘発された陣痛の痛みに耐えても、生きたななちゃんにはもう会えない、そのことも、私が決め切らない要因でした。


この日は、結局思考も停止していて、何も考えられない、身体も動かない、とりあえずぼーっとしていたので、夫とその話をするのもやめてしまいました。


(子どもたちは、夫の実家でバーベキューをするという用事があったので、いとこたちと会えるのも気晴らしになると思ったので、予定通り夫の実家に行ってもらいました。)


そして、まだもう一つ、考えなきゃいけないことがありました。その話は次回。

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