牌譜添削①雀豪3さん

ありがたいことに添削希望をたくさんいただいたので、順番にお返ししていきたいと思います!

今回の牌譜主さんの概観

雀魂牌譜屋より

ラス率を減らしたい

牌譜主さんは雀豪3とはいえ別アカウントで聖2の経験がある実力者。
着順もトップから順にざっくり27-27-25-21%。安定段位は聖2なのでやはり既に雀聖くらいの実力はありそうな方でした。聖3以上を目指す為にはラス率が20%を切りたい。よって、実際にラスを引いた牌譜を多めに見ることにしました。

改善余地は放銃率か

和了率23%、放銃率12.7%という成績。十分優秀ですが、聖3以上を目指すとなると、放銃率はもう少し下げたいところ。(玉の間での聖3の平均放銃率は11.54%) その他数値は特段大きく気になる点は無し。

放銃率をもう少々減らすために、何かできることがあるのではないか。そんな仮説のもと実際に牌譜をいくつか拝見し、大きく2点気になった点をお伝えしたいと思います。

課題1.敵の副露への評価が低い

リーチへの平面押し引きは問題なし

牌譜主さんの基本スタイルは、序盤はブクブク目に素直に進めて先制リーチ主体、後攻になればオリというオーソドックスなものと感じます。シンプルに勝つために重要なポイントはしっかり押さえているようです。さすがは元聖2ですね。ただし、「相手がリーチの場合は」という但し書きがつきます。

敵の副露手に対して後攻の意識なく攻めてしまっているケースがある

リーチに対しては後攻ならしっかりと後手であることをわきまえた動きができていたのに対し、敵の副露手を軽んじて押しすぎてしまっているケースがいくつかありました。2副露も入れば聴牌の可能性がありますし、捨て牌に3-7牌が複数並べばさらに聴牌確率は上がります。そういった相手に対しても適切に押し引きができるようになると良いと思いました。(具体的な事例は課題②とまとめて紹介します)

課題2.将来出ていく牌の安全度意識が必要

「押さざるを得ない局面」を作ってしまっている

平面での押し引きは比較的問題なかったものの、中盤の手組で「将来危険牌を切り出さなきゃいけない構え」にしてしまっている部分がいくつか見られました。おそらく、「これ安全牌無いから、押すしかないよね?」と思いしぶしぶ切って放銃しているケースが結構あるのではないかと推測します。

事例集

では、1.2合わせて事例を紹介していきます。

事例① 8/9 21:14の牌譜より

事例① 打7sとしたところ

ここは打5pが良いでしょう。シンプルに6pが1枚見えているという攻めの要素もありますが、一番手が速そうな対面に対して7sが唯一切り出しやすい牌なので残したいところですし、うまくボンテンが取れたときに5pよりは安全な7sの切り出しで聴牌をとれる形にしたいです。

事例② 8/9 13:21の牌譜より

事例② 上家の4sをチーして打7pとするが…

ここはスルーが良いでしょう。課題1.2両方混ざった事例です。まず下家の評価が低いこと。カンも含む2副露で、かつこの中張牌のバラ切り。これは結構聴牌か、少なくとも近いところまで行っているという意識があったでしょうか。
加えて、自分の手を見た時に、将来出ていく牌にも危険牌が多すぎます。両方を鑑みるとここはラス目とはいえまだ東1。引き気味にならざるを得ない局面に感じます。

事例➂ 8/8 22:00の牌譜より

事例➂打9pとしたところ

これは打3sがいいでしょう。今回はさほど危険ではないとはいえ、将来ドラが出ていきやすい手組は避けるべきです。シンプルに待ち受けが14sより69pの方が良いというポイントもあります。タンヤオのポンテンはどちらを切っても取れます。

事例④8/8 18:11の牌譜より

事例④ここから打9pとするが

ギリギリのタイミングですが、これは発を勝負するならこの時点で瞬時にツモ切るのが良いでしょう。9pや1pはかなり安全度の高い牌なので残したいです。発はここで切らないなら最後まで切らない方が良いことが多そうです。実際この後6sをポンして、最後に発を勝負して上家に痛恨の放銃、ラスの直接の原因となってしまいました。

事例⑤ 8/8 18:51の牌譜より

事例⑤字牌を3巡ツモ切ったが…

これは一刻も早く7pを逃がしたいです。ラス目でブクブクに受けて1牌も逃したくない気持ちはわかりますが、7pが将来放銃になるリスクをかわす方がアガリ率もトータルで高くなります。そもそも今回はシャボ受けも3枚見えてしまっているというのも大きいです。やはり、将来切る牌の危険度意識が少し弱そうです。

事例⑥ 8/9 13:21の牌譜より

事例⑥この6mをプッシュ

さすがに親の仕掛けに対して押しすぎだと思います。ラス目とはいえ自分の手はドラなし、かつこの巡目でアガれる確率はかなり低め。まだ中も通さなければならないこの状況でのプッシュが痛恨の放銃となりました。個人的には、その前の8mももう押すべきではなかったと思います。おそらく他の牌譜の押し引きを見るにこれが「リーチ」相手なら止められているような気がしますので、これも副露手の軽視から来るものではないかと推測しています。

最後に

以上、牌譜添削という性質上どうしても少し偉そうな書きぶりになってしまい、大変申し訳ありません。
聖3、魂天を目指すには、目安として「あと放銃率1%ダウン」で届いてくるのではないかと思います。そして放銃率1%とはおおよそ10半荘に1回です。今回拝見した10個程度の牌譜の中で、実際に放銃を防げてたケースがちらほらあったので、十分可能かと考えています。だからこそ、他にもちらほら気になった細部もありましたが、一番重要と感じたこちらにフォーカスしました。この課題が牌譜主さんにとって示唆あるものとなれば幸いです。

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