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ステート・オブ・グレイス

そもそもヤクザものとかマフィアものとかは観ない。なぜって『面白くない』からです。他人の迷惑顧みず身勝手に生きてるクセに葛藤もクソもあるかいなって思ってまうからです。

じゃなぜ観た?

キャストがエグイからです。

名作にこの人あり『ショーン・ペン』、狂人『ゲイリー・オールドマン』、奇人『ジョン・タトゥーロ』、名脇役『ジョン・C・ライリー』、いつも偉い人『エド・ハリス』、後に嫁になる『ロビン・ライト(・ペン)』そら観るやろ。

以下、壮大にネタバレしますから要注意!


最初のシーンから匂わせてますんで、潜入捜査ものとしてはかなり良心的です。時系列を遡ったり複雑にして観てる人を混乱させるような幼稚な手法は要りません!って感じで、正々堂々と脚本と監督の手腕で勝負しようという姿勢が潔いです。

ショーン・ペン目線で観てると、時々『…あれ?どっち?』って思うこともあって、監督がいかに優秀かわかりますし、それに応えるショーン・ペンはもとより、ゲイリー・オールドマンや、ロビン・ライト、さすがの名演です。

音楽はモリコーネ。何も言うことはありません。

強大なイタリアンマフィア組織と、その汚れ仕事で食い繋ぐアイリッシュマフィアって構図でしょうかね?

アイリッシュマフィア一家のテリトリーが欲しいイタリアンマフィア、手を組むことで安定したいアイリッシュマフィア、お互いの利益が噛み合って話が進んでいた最中に起きたある殺人事件が全ての歯車を狂わせる。

その裏でマフィア壊滅を狙う警察組織と、友情と愛と仕事の狭間でもがき苦しむ潜入捜査官…親友を殺され一気に復習モードへ流れ込むラストシーンの勢いはすさまじいものがありました。

アイリッシュのお祭りのシーンと銃撃シーンとを交互に魅せるのはよくある手法かとも思いますが、あんなに沈着冷静だったボスが最後、無防備で撃ちまくるシーンは、実弟の葬式で弟の親友で自分の部下だった男からおもむろに警察手帳を渡された時の怒りの感情そのまま繋がってるんだろうな?と思うと、『なんでそこでバラすんよ!』って思ったけどなるほどなと思いましたね。

好きか嫌いかなら好きな映画ですけど、ヤクザものマフィアものはやっぱり嫌いです。

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