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花セーバー

日本近代史のエリアなので、おおよそ学校では習わない史実『5・15事件』であります。

世界恐慌を引き金に日本も大不況に陥る。格差は広がるばかりで国民の不満は鬱積する。共産主義革命を目指す軍人たちはクーデターによる国の再興を計画する。決行時期を巡り、後に2・26事件を引き起こす一派と5・15事件の一派とが決別する。

昭和7年5月15日(日)の夕刻、9人の海軍将校が総理官邸に押し入った。官邸にいた犬養首相は青年将校たちを前にこれからの日本について説くが『問答無用』と撃たれる。撃たれてもなお『撃ったヤツを連れて来い!話して聞かすから!』と言った。

『話せばわかる』犬養毅の名言であります。

そのすべてを暴力でなく『対話』で解決したかったんでしょうね?尊敬申し上げております。

もちろんそうなればベストだとは思いますけど、でもだいたいはそうならない。お互いの思惑はだいたい反対側にあるものですからね?

それよりもなによりも、相手は『話し合いで解決しよう。』なんてこれっぽっちも思っていないとなりますと、これ、どうやって話し合いまで持って行くんすかね?

『よし!じゃ、話をしようじゃないか!』ってお互いがなって初めての『話せばわかる』であります。確かに話すことで理解できるところもあります。

『はぁ?オマエと何の話をすんだよ!』って状態にあって『話せばわかる』なんてことになるワケ無い。まさに『問答無用、撃て』だったワケですしね?

ですから、相手に解決させるつもりが無く長年にわたって停滞している問題について、『今後も話し合いを中心に解決に導いていく。』という外務大臣並びに外務官僚の論理としては、『解決するつもりが無いとは言わないが先ず無理かな?』とほぼ同義語であります。

『武器を捨て話し合いで解決しよう!』

武器を捨てて、まではいい。ただ『武器を捨てる』までの具体的なプロセスを聞いているのです。

日本の原爆被害を目の当たりにしても、更なる開発を重ね世界に拡散していった核兵器について、ようやく世界が漕ぎ着けた『核拡散防止条約』が成立してもなお、核兵器は世界に広がり続けているという事実です。

人間しか持ち得ない崇高な作法である『話し合い』の結果を丸ごと反故にするんですから、よく言ってアホ以外のなにものでもない。そんな賢いチンパンジーよりちょっと賢いくらいのアホに対して、話し合いで何をどう解決しようっていうの?にらみ合ってキーキー言う?

世界の賢い人たちが何十年も知恵を絞ってああでもないこうでもないと議論を交わし続けても膠着状態であるにも関わらず、『武器捨てれば解決よ!』みたいにカンタンに言っちゃうから『脳内お花畑』って言われちゃうんですよ。

そして決定的にダメだなと思うのは、そんな『話し合い』つってるアナタたちこそが、誰よりも『話を聞こうとしない』という絶望的なこの現実、まるで5・15事件の青年将校と同じく、取り付く島もない。

『自分たちが正しい!』

内輪で議論を重ね結論が出ているからでしょう。『話し合う』としても結論ありきの、まさに犬養首相を車座に囲う青年将校たちそのもの。

その『話し合い』とは『時間を稼ぐこと』を意味していないか?

『話し合いを持ったが結果的に決裂した。』とした事実だけを求めていないか?

平和的に取り組んでいるというアピールに使用しているだけじゃないか?

そして関係をこじらせ、状況を膠着させ、日本が被る諸問題を事実化することを目的としていないか?

話し合いでは解決しないことをどうやって解決しようかと話し合ってるのに、『話し合いで解決する。』って、どうやって?ねぇ?

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