見出し画像

保身からのディスタンス

『遠いからやめとくわ。』

よくある断り文句であるものの、ホントのところは距離が理由では無いのはみんなわかっててあえてそんな無粋なことを言わないだけですね。

『アカメ』という魚をご存知でしょうか?

バラムンディと近縁のスズキ目の日本固有種であり『幻の魚』と言われる絶滅危惧種であります。

西日本ですと、四万十川の汽水域で釣れることがあります。四万十川と言えば『日本一の清流』として有名な高知県を流れる川です。

『アカメを釣ってみたい!』と思ってる人が『あーやっぱ遠いなぁ…やめとこ。』とは絶対にならない。それどころか『どうやって行こうか』を先ず考える。

同様に『オーロラを見てみたい!』と思えばフィンランドまで飛行機を乗り継ぎ乗り継ぎ行くでしょうし、『皇帝ペンギンを見たい!』と思えば南極にだって行くかも知れない。

時間とか距離とか労力とか金なんてカンタンに乗り越えられる。それだけ人間の欲望ってのは高い障害をも乗り越える原動力になりうる。

『遠いからやめとくわ。』

それも確かに一つの要因ではあるでしょうが、距離が即ち絶対的な要因にはなり得ない。

足が不自由でほとんど歩くこともままならないならそういう理由もあるでしょうが、これだけ交通が発達した現代において『距離』はそこまでの深刻な理由にはなりえない。

特殊なケースとして、熱狂的なファンにとっては逆に『距離』こそがモチベーションにもなることだってある。

一時期、韓流ドラマが爆発的にウケた頃、『ぺ・ヨンジュン』の熱狂的ファンのオバサマたちがロケ地めぐりをした。そこに『ぺさん』はもういない、いるハズも無いのに…

あの時、日本全国のオバサマたちが『遠いからやめとくわ。』と言ったか?

距離も、足が痛いのも、飛行機の乗り方がよくわからないのも、タクシーじゃないと行けなくても、家族の心配も、その熱狂はすべてを凌駕してしまうことは既に実証済みであります。

『遠いからやめとくわ。』

肉体的な問題、家庭の事情、金銭的問題、もちろんそれぞれ事情はあるでしょう。『行きたい気持ちはあるけれど行けない理由がこれである。』とわざわざご丁寧に伝えてくれている優しいお気持ちだとは思います。

やっぱり名前が売れないとダメだな。ということで、『行けたら行く。』については機会がありましたらまた。

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?