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えーい

どうしようもなくきっと5月はダメになるだろうなと思って、三連休をいただいていたので実家に帰省した

帰ってきた神戸、おかえりって母親が改札で出迎えてくれて、わけがわからないくらいあったかくて、おかえりの言葉で人間はこんなにも感動することがあるのかって、泣いた


実家に帰って靴を脱いで私の部屋へむかう
壁にびっしり貼られたブルーハーツと椎名林檎とセックスピストルズ、大量のCD、ギター、積み上がった文庫本、知らないバーで知らないおじさんから貰った名刺、全部がそのままになってた


とりあえずベッドに寝転がってぼーっと天井を眺めて、たくさん泣いたことや音楽を聴きながらベッドの上に立って口パク熱唱をしたことを思い出して、なんだかなーって気持ちになった


たった1ヶ月しか実家を離れていないけど、なんつーかやっぱり東京は好きになれない

最近は動悸がひどくて仕事中も立っていられないくらい、お客様の前で笑顔を振り撒くので精一杯なくらい症状も酷くなって、病院に行くと自分が弱い奴みたいに感じそうで謎の意地を張って行きたくなくて



前まで好きだったものを見ることも聞く余裕もなくて、今は好きなものがないから、私かなりつまらない人間になってる


とりあえず地元の喫茶に行って本を読むことにした

喫茶店に入ったらマスターが私を見ておかえりなさいって言ってくれた
東京で頑張ってるのは立派ですね僕も誇らしい気持ちですなんて笑ってくれるので、なんだか頑張らねばな、という気持ちになりながらアイスコーヒーを頼んだ


18時台は誰もいないのでお客さんが私だけの状態で、煙草を吸いながら今更買ったカラフルを読んだ


私の愛する地元は本当に夕方を過ぎると誰も人がいない


自転車を漕いで夜の手前のような深い青色の空を見ながらビートルズを聴いて、泣いた、かなり泣いた

なんか久しぶりに生きている、を実感して、クソ泣いた


満員の電車に乗っているとこんな小さいプラットフォームの中にこんな大量の人間が押し込められて一定の方向へ運ばれている現実が、考え出すと気持ち悪くて、日本の社会が狂ってることに恐怖を感じる


私の人生てちっぽけなほんとご飯粒みたいなもんで、でもそのご飯粒も頑張ってるわけで、何をしても私らしく輝ける人生!なんてものがわからなくて、この現実を受け入れたくなくて、脳内がぐちゃぐちゃすぎる、もう自由帳はぱんぱんに埋まってるから書き足すところがなくて、どうしたらよいですか、ふらっと散歩にでも行きましょうか


チャージを忘れて改札で引っかかる、階段を登る時にスカートの裾を踏む、ゴミを出し忘れる、傘を職場に忘れる、目の前で電車が発車する、買いたかった冷凍うどん5袋入りが売切、占い最下位、靴下に穴が開く、好きだったバンドが解散する、シャワー中にリンスがきれる、
そういうものの積み重ねで疲れちゃったー


ただ少し嬉しかったのが本屋さんで自己啓発本のコーナーを通っても立ち止まらなかったこと、まだ自分が大丈夫な気がしてホッとした(自己啓発本を読むのが悪いことじゃないよ)

中原中也に愛されてみたい人生だったし、星の王子様に会いたいし、本の世界に行ってみたいし、過去の人になってしまった人に会いたいし


たぶんゲームなら私はHP1とかで、エネルギーを補給しなきゃなんだけど、そのエネルギーがどの街を歩いて探してもどこにもないような、何だかそんな感じ


帰りの新幹線は周りの人から変な視線を向けられるくらいにずっと泣いていた

家族の前だけは泣かない、今度こそ泣かないって決めていたのに、発車の時間で号泣をした私は、弱くて可愛いんだと思う


帰りたくもない大嫌いなひとりぼっちの家に帰宅して、ただいまなんて言うもんかって、くそがって、舌打ちして、ベッドに寝転がってまた泣いた



見栄を張って強いフリなんてできないけど、職場の人には強いねなんて言われて、私が身体もおかしくなっていることも、帰り道に銀杏を熱唱して涙を流していることも、ひとりになるとなんか広い海とそよ風が吹いた芝生と青い空を想像してそんなユートピアに行きたいと願っていることも、なんにも他人にはわからないんだなって、もちろん私も上司の考えてることなんてわからないんだけど、私はちっとも強くないのだ


こんなつもりじゃなかったのに、こんな人生なんだったら、さっさと三途へ行った方が、よっぽど、なんて考えて


辛いの一言で私のこの気怠い今を表現したくない

青春とか眩しさとか夢とかそういうものが似合わなくなった私は可愛いんでしょうか


わからない、けどまた明日も満員電車で仕事へ行きます


おやすみなさい



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