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【Skeb】どんなアピールだとリクエストを投げたくなるか、をアピールを26件受け取ったクライアント視点でお伝えしたい話。

 題名を見て『なんだコイツ』とお感じになった絵師の先生方、大変おこがましい記事を作成してしまい申し訳ないと思っています。

 ただ、第三者視点やクリエイター視点で『Skebのアピールはこういう内容にするといいよ』というアドバイスをするような記事はいくつかあれど、実際にアピールを受け取った側がどういう気持ちを抱くのか?を生々しく語った記事というのは意外と無く、絵師の先生方にとっても需要があるのではないかと考えました。

 そのため、あくまでも私という一個人の経験にしか基づいていない話となってしまいますが、アピールを受け取った側の反応というのを僭越ながら貧弱一般リクエスターである私から共有させていただきます。


(補足)アピール機能ってなに?

 アピール機能の存在をご存じでない方のために、Skebのアピール機能について簡単に紹介します。

https://twitter.com/skeb_jp/status/1158662327744393217?s=20&t=ACCXLJCApmEH62iAAi3BtQ

 アピール機能は、簡単に言えばクライアントに対して『自分にもリクエストを出してほしい!』とアピールするための機能です。
 Skeb公式の上記ツイートによれば、納品された作品のページから『新規アピール』を選ぶことで、クライアントに対してアピールを出すことができるようです。

 そして、『この金額でならリクエストを受けます』という目安の金額と、具体的なアピール内容を記載することでアピールを送信できます。
 金額については、私がこれまでに受けたアピールに限れば、先生方自身のおまかせ金額よりも少し少ない金額を記載している方が多かった(※)です。

 そしてアピールの内容についてですが、初めてだと『どんな内容を書けばいいんだろう?』とお考えになる先生方が多いと思います。Skebのアピールはクライアントとクリエイター間でのみ公開され、それ以外の人が閲覧することはできないからです。

 そんな先生方へ、あくまで私個人の視点ではありますが『クライアント側としてどんな文面だと嬉しかったか』というアピールの文面例をこの記事内で紹介していますので、引き続きお読みいただけると幸いです。


そんなにアピール受け取ってるの?

 話が前後してしまいましたが、私自身の自己紹介をさせていただきます。
 VRChatというVRSNSを中心に活動しているバーチャル一般人のせと。です。VRChat上において、『まりな*MARINA』という3Dモデルの見た目を少し変更したアバターを用いて様々なイベントに参加するなどしている者です。

 そして、自身のアバターを常用し続け好みに刺さりまくったことからSkebで自身の使用するアバターのイラストを描いて頂くリクエストを送信し始め、記事執筆時点で累計20枚のイラスト19名の先生方に描いて頂きました。

 これだけ多くのリクエストを送信していると絵師の先生方から直接アピールを送信して頂くことも多く、(個人情報になりかねないため画像として公開することはできませんが)記事執筆時点で累計26件のアピールを頂いてきました。
 なお、その中で実際にこちらからリクエストを送信させて頂いたのは9件です。

 これが割合として高い方なのか低い方なのかは分かりません。ただ、私はSkeb界隈でいう石油王の方々のような頻度でリクエストを送信できているわけではなく、私生活を若干犠牲に毎月無理のない範囲でちまちまリクエストを投げているタイプのクライアントです。
 そのため、毎月無限にリクエストを投げられるわけではないものの、頂いたアピールはリクエスト先の参考として真剣に考える判断材料として全て目を通し、なおかつ送信して下さった先生方のTwitterアカウントや過去作品を拝見するなどしたうえで利用させて頂いております。


どんな思考回路でアピールを読んでいるのか

 ここからが本題です。私が先生方からアピールを受けた際に、どういった基準や思考でアピールに対して反応するか否かの判断を行っているかを、可能な限りお伝えしていきたいと思います。

① その月に出せるお金があるかどうか

 金は命よりも重い……!とまでは言いませんが、前述の通り私生活を少し犠牲にリクエストを投げるタイプなので、月に投げられるリクエストには限界があります。
 また、他のリクエスターの方がどうなのかは分かりませんが、私はクレカの使用金額がリセットされる月初めやSkebの手数料無料キャンペーン中にまとめてリクエストを送る傾向があります。
 そのため、月半ばにアピールを送信されると『こ、今月は無理……』となってしまいすぐにリクエストを送れず、そのまま月を跨いで気になった他の先生にリクエストを送ってしまうことがあります。逆に言えば、月の終わりや手数料無料期間中は割と懐が緩くなります。


② 『コピペ感』のある文面でないか

 あまり詳しくは触れませんが、私はアピールを受け取って依頼を出した結果、ちょっと失敗してしまったことがあります。その時受け取った文面がコピペ感たっぷりな文面だったため、それ以来コピペ感のあるアピールに対してはかなり警戒するようになってしまいました。

 ここで言うコピペ感とは何か。私の場合は、『自分(クライアント)が描いてほしいキャラクター以外(他人が使っているアバター、VTuber等)であっても同じ文面が使い回せそうな内容ではないか?』と自分の中で定義しています。
 ……上から目線なことを言っていないか戦々恐々しながらこんなことを書かせて頂いております。申し訳ないです。


 例えば私が普段描いて頂いているアバターは『銀髪猫耳の碧眼の女の子』です。それに対して、こんなアピールを頂いたとします。

かわいいキャラクターだったので、ぜひとも描かせて頂きたいです!

 『かわいいキャラクター』となると、別に私が使っているアバターではなくても他にもたくさん該当する子が巷に溢れているのです。
 となると、このアピールを送った先生は別に描く子が私が使っているアバターでなくてはならない訳ではないのかな……?と(少なくとも私は)感じます。
 そうすると、私がリクエストを送信しても高いモチベーションでイラストを描いてくださるのだろうか……と不安になり、最終的にお互いにとって良くない結果になってしまうのを避けるために、リクエストを送信しない判断をすることが多いです。


③ 明らかにこちらのキャラクターを見てくれている文面はとても嬉しい

 ②の続きです。逆に言えば、わざわざ私という一個人が使っているに過ぎないいちアバターを描きたいがために真剣に考えて送信してくださった文面というのは明らかに伝わってきます。

 以下に2件ほどアピール例を紹介させて頂きます。

(前略)
猫耳が元々好きなのですが、アバターの雰囲気がまとまっていて、心に刺さりました。制服にパーカーは最高な組み合わせです。 個人的におさげの髪留めがとても可愛い!と印象に残っております。
(後略)

 このようなアピールを頂くと『めっちゃ見てくれてるやん……』と感じます。
 具体的には、猫耳や制服、髪留めなど具体的な部位な箇所を提示していること。それに加え、『制服にパーカーは最高な組み合わせ』『おさげの髪留めが可愛い』のように惜しげもなく自らの好みであることをさらけ出していると、敢えて『うちの子』を選び、描いてくださろうとしているんだなあ……というのがとても伝わってきます。
 こういった文面というだけでも嬉しいです。ちなみにこの後めちゃくちゃリクエスト送信しました。


 次の例は、さらに猛烈なアピールを頂いた時のものです。


(前略)
とても可愛らしい獣耳の女の子(まりなちゃん)をお見掛けし、ぜひ私にも描かせていただきたいと思い、アピールいたしました!

デフォルト衣装の上着が萌え袖っぽくなっているのが個人的にたいへん好みに刺さったのですが、画像投稿されていた胸元がハート型に開いている黒の衣服も非常に可愛らしかったため、そちらを描かせていただくことは…可能でしょうか…?
恥じらっている表情や、少し拗ねている表情、照れ笑いしている表情などもきっと可愛らしいと思います。

スタイルもいい子なので、胸と萌え袖(こちらは私個人の性癖)はなんとしてでも画面に収める構図にしたく思います。
自分の体を抱えるように内側に肘を曲げ、やや胸を強調するポーズなどいかがでしょうか?
衣装がちょっとセクシーながらも清楚な印象のため、下品にはならないようにしたいなと考えております。

(後略)

 このアピールを頂いた時、私は2つの点で衝撃を受けました。
 1つは、これはVRChatでアバターを描いてもらっている方にしか伝わらないと思うのですが、アピールでアバターの名前を書いて下さる方はかなり少ないです。実際にこれまで頂いた26件のうち、アバターの名前を書いて下さったのは実は1件だけでした。
 アピールを作成する側としても手間だとは思うのですが、VRChatユーザーが相手である場合に限っては、相手が描いてもらいたそうなアバターの名前を書くというのはかなり有効な手段だと思います。少なくとも私は『そこまで見てくださる方がいるとは……』とびっくりしました。

 そしてもう1つ。具体的な構図やポーズ、表情など描きたいイラストの案を無数に書き連ねているような内容。これを見た私はさすがにびっくりしてしまいました。その手があったか……と。
 描きたい意思が伝わってくるのは言うまでもない。それどころかアイデアをガンガン出してくださるのは、なんだかもうイラストを描いて頂く以前のこの段階でお金を出せないのが逆に申し訳なく感じてしまうレベルです。
 ちなみにこの後めちゃくちゃリクエスト送信しました。

 とはいえ、アピール1つ1つに対して丁寧に構図などの提案をするレベルで思案を重ねるのは負担が大きいと思いますし、常にここまで気合を入れてアピールする必要はありません。なぜなら、次に述べる点があるからこそ、必ずリターンが得られるとは限らないからです。


④ 絵柄が自分の好みに刺さるか次第なところもある

 ここまで長々と書き連ねておいて今更ではありますが、クライアントに刺さる絵柄かどうか、も反応の有無を左右するところだと思います。

 コピペ感丸出しなのは云々、と有識者ぶった事を書いている私も、結局文面よりも絵柄を優先してリクエスト送信を決めてしまったことがあります(もちろんアピールの文面で判断したこともあります)。

 クライアントがどんな絵柄が好みかどうかは過去のリクエストやそれに対するブーストの文面などを見ればなんとなく把握できるかもしれません。
 しかしながら、絵師の先生方は絵柄で個性を出していると思います(私の偏見)から他の先生と絵柄が全く同じになるということはそうそうないはずです。
 ですから、やはり実際にアピールを送ってクライアント自身に見て頂かないと結果が分からないという一面もあると思います。


『自分に合ったやり方』で攻めに行くべきかも

 というわけで僭越ながら、クライアント視点でアピールを受けた時の文面等に対する印象を簡単にご紹介させて頂きました。

 こうして見ると、少なくとも私というクライアントに限れば、リクエストを投げたくなるアピールの文面の傾向というのはあると思っています。
 その一方で、結局自分の絵柄がクライアントの好みにどストライクでハマりさえすれば、コピペ感のある文章でもリクエストが飛んでくる可能性があるのもまた事実だと思います。
 そのため、一人のクライアントに対して気合を入れてアピールをするのも、無数にいるクライアントに片っ端からアピールをするのも、どちらも選択肢として考えられると思います。これについては、最終的にはどちらが自分自身に合ったやり方なのか、を先生方自身で見出していただくことになるのではないでしょうか。

 また、この記事内の判断基準はあくまでも貧弱一般クライアントの私がこうである、というだけで、他のクライアントさんはアピールに対して私と異なる判断基準をお持ちになっているかもしれません。例えば金銭面に余裕がある方であれば、私とは判断の優先順位が変わっていたり、全く異なっているかもしれないですね。

 この記事が今後の皆様のアピール作成や、それを通じて生まれる新たな作品の糧となれれば幸いです。我々クライアントは、先生方の素敵な作品をいつでもお待ちしております……!

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