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白いキャデラック

 また私は夢の中で京の都にいた。5月の晴れた日。今までは徒歩が多かったのであるが、今回は車を与えられていた。白い車。少し大きめだ。車幅が異様に広い。ヘッドの部分に気を使うレベルだ…。そう、これはもしかするとキャデラックという車種の外車なのかも知れない。語呂が良いのでそういう事にした。
 私は家のある細い路地裏から車に乗り、水辺へ向かおうとしている。眠る前にやたら海、湖水などというワードを見かけたためかも知れない。
 私の本籍は京の都では無いのであるが、幾分か暮らしていた事があるため、当時の記憶でそこそこの回数、夢で見る事ができる。少し現実離れした地理なのではあるが、そこに登場するのは紛れもなく京の都なのである。
 都の中程の、私の住処らしき所からの出発である。路地裏から出るといきなり私は道を強引に右折し、分離帯の隙間を左車線から侵入し割り込み右折(Uターンに近いかも知れない)し、高速道路を目指す。この道順は本籍のある地理と似ているものの、恐らく五条、七条辺りの体感である。

 琵琶湖へ向かうつもりであろうか…

 高速では怖いもの無しの運転である。見慣れないデジタルのスピードメーターを確認すると、セーブして時速120キロという数字が見えたかもしれない。夢の中で私は、警察のやってくることは無いという根拠のない自信を持っていて、スピードなどは気にしない輩なのである。
 トンネルのある、5車線はあろうかという道を走るのである。行き先はただただ、ひと時の癒しを求めて水のある所へと向かっている。
 白い砂浜と静かな波打ち際へ、ただ足を浸すためだけのために…

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