「ノバン」という布のこと
「ノバン」は「노방」「老紡」と書きます。
元は「ノバンジュ」「老紡紬」という名前で、生糸で織られた平織りの薄いオーガンジーのような布です。
精錬しないので少しパリパリとした手触りで、主に韓服の裏地や夏の生地として使われます。
別名「チュアサ(주아사)」ともいうそうです。
ノバンはとても扱いやすく、透けた感じがとても綺麗な布地です。
反幅は一般的に110cmあります。価格も他のシルクの布に比べるとお手頃なこともあり、日本でポジャギを作る方には人気がある布ですが、韓国の作家さんたちはあまりノバンで作品を作られません。
裏地のイメージが強いからです。同じ手間をかけて作るならもっと良い布を使って作りなさい、と言われます。
それでもシルク100%のノバンは上品で程よい光沢があり色も豊富なので、一重のチョガッポに仕立てるのも、合わせ仕立てにするのもおすすめです。
そんなこと言いながら、私個人としてはノバンで一重の作品を作るのはあまり好みではなく、ヨイジュムンポの土台にしたり、ケキ縫いで繋いで裏を付けたりするのが好きなので、一重仕立てのノバンの作品はほとんどないのですが。。。
(「ヨイジュムンポ」と「ケキ縫い」については、また別の機会に記事を書きますね。)
余談ですが、随分前に韓国でノバンを買ったとき、よく使う色を1反買ったらどうだろうとお店のご主人に聞いてみたら、1反は100ヤードあると言われて、いつものように少量ずつ購入することを貫こうと心に決めました(笑)。
ゴージャスなチマチョゴリを何着も作るならまだしも、チョガッポのために100ヤードはさすがに一生かかっても使い切れそうにありませんからね^^
見ていただいて、ありがとうございます!