プラネタリウム

星空を眺めているだけで心がいっぱいになって
息をするだけで胸がいっぱいになって
音楽を聴いているだけで心臓がいっぱい動いて
心の中が大きなものに囚われる
少しでいいよ
私が与えられるものなんか何もなくても
私は大きなものを与えてもらっている
少しでいいよ
このプラネタリウムみたいな光を
私はひとつの事しか考えられないで見ている
ねえ声が小さく弾んでいるよ
小さな微笑みがあたたかいよ
咳払いもあくびも耳に残るずっと
昔感じたようなあの頃の気持ちを思い出せるよ
宇宙の中にいるのが私だけでも
私の中にずっといるよ
夜の中にいるの
朝が来る前に
ずっとずっといるの
同じことばかりが巡っている
少しでいいよ
わたしはひとりでも歩けるし走れる
嬉しくて何も苦しくない
わたしはひとりでも息ができる
嬉しくて何も苦しくない
星空なんか本当は見えないのに
人工のプラネタリウムでさえ
心がキラキラ光った
そんな夜にわたしは与えてもらったものを
噛み砕いて心で食べている
爪と爪が近い位置で
写真の中の指と指が近い位置で
何度眺めても心がいっぱいになる
感情に名前をつけられない
答えのない今
あの頃想っていた「あしたもぜったい」
私もまたおもう同じように「あしたもぜったい」
絶対なんだと思った
絶対があるんだと思った
下手くそな言葉でも
絶対だって強く思う
私はまだ何も知らなくて
それでもよくて
これから知ることも
知りたくないこともきっと知って
ただひとつあるこの絶対を
わたしはあしたもぜったいだよって
強く思って息をする
それが当たり前なくらいに
あしたもぜったい、だから

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