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No.32 二人目の出産。この病院にしてよかった

二人目を妊娠中、突然メルエール病を発症し入院療養をした。
母子手帳を見たら妊娠24週目の頃だ。
約一週間の入院生活で病気は治まり、心身ともに回復した私は、
12月に出産するまでの間、安定した状態で過ごせたと思う。

11月には長女の七五三も無事にお祝いすることができた。
あの時は私の両親も山梨から来てくれて、その時神社で撮った家族写真を見ると、初孫娘と並び、緩みっぱなしの父の顔が写っている。
私にはあんなに厳しかったのに、こうも変わるものかと思っていたけれど、
娘のことを本当に大切に思ってくれていたことが写真からも伝わってくる。
マタニティのワンピースを着た私のお腹はぱんぱんだ。母もまだ若い。

出産については助産師さんに相談をしていた。
出産予定日はあくまでも予定で、いつ生まれるかわからない。
多分夫は出張で不在なので、いざ出産となった時に、上の子を誰に見ていてもらうのか。両親も近くにはいないし、どうしたものかと考えていた。
そんな私の悩みに、助産婦さんは
「出産の時にはお嬢さんも一緒に連れてきていいですよ」
と言ってくださった。受け入れ側の余裕のようなものを感じた。
本当にありがたかった。この病院を選んでよかった。
これでいつ出産となっても慌てなくてよい。安心できた。

出産前の妊婦健診で、「子宮が張っているな。もしかしたらそろそろ生まれるかもしれませんね。破水するかもしれないから気をつけて生活してください」そう言われた。
破水……そういう緊急事態は避けたい。
予定日まではまだ10日もある。早めに出てくるつもりなのだろうか?

それが最後の検診になるとは。
その日の夜中にお腹がチクリと痛くなった。
病院にはタクシーで行く予定だったけれど、おそらく30分くらいはかかる計算だ。急に陣痛が進んだ時に手遅れになっても困るし、破水に気をつけろとも言われている。娘もいるしな。かと言って、一人目の時の二日半という長いケースも無きにしもあらず……。
とりあえず病院に電話をしてみたら、「もう来てしまっていいですよ~」と助産婦さん。相変わらず余裕を感じる。
のちのち思うと、この病院では、妊婦の不安材料を、極力取り除くことをしてくださっていたのではないだろうか? そんな気がする。

私は家を少し片付けて、持ち物をそろえ、身支度をした。そしてタクシーを呼び、全ての準備が整ってから寝たままの娘を着替えさせた。
夜中の2時。娘はびくともせずに熟睡だったけれど、玄関で立たせたらさすがに起きた。
「ママどうしたの…………」と寝ぼけながら言った。
「赤ちゃんが生まれるかもしれないの。一緒に病院に行ってくれる?」
「えっ! 赤ちゃん生まれるの?」完全に起きた。
眠いところを起こされたにも関わらず、泣いたりぐずったりせず、上機嫌でいてくれた娘には今も感謝している。
赤ちゃんの誕生を心待ちにしていた娘は、病院に着くまでタクシーの中でずっとしゃべっていた。
出張先の夫に連絡をしたら「予感がしてなんとなく起きていた」と。
「朝一の新幹線で帰るよ」と言ってくれて、一安心。
これで娘のことは完全に大丈夫。
夜中の道路はガラガラで、大雨の中20分で病院に着いた。

夜間外来で私は思いかけず車椅子に乗せられた。
まだ全然歩けるけれどいいの? 
娘はその横を歩いてついてくる。
彼女は今だに言う。
「あの時お母さんは車椅子に乗って、私は歩いた」

昨日の昼間に検診に来たばかりなのに、もう戻ってきました。

今日も幸せな一日でありますように。

Love & Peace,




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