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虫の日の虫劇場

むかしむかし、とても仲良しの虫たちが、

一軒の家にいっしょに住んでいました。


 ある日のこと、カブトムシが急に苦しみ出しました。
「どうした、カブトムシどん」


「おなかがいたい、いたいよう」


「何か悪い物でも食べたかね」


 虫たちは心配そうに、カブトムシの周りに集まりました。


「とにかく、医者を呼んで来ないと」


「だれが一番、足が速いんじゃ」


 すると、年取ったカナブンがいいました。


「そりゃあ、ムカデ君だろう。なんといっても、足が百本もあるんだから」


「よし分かった。ぼくにまかせろ!」
 ムカデは、すぐにげんかんに向かいました。
 それからしばらくしましたが、ムカデ君はなかなか帰ってきません。


「おそいなあ、どうしたんだろう」


「だれか、ようすを見て来いよ」


 そこで、バッタ君とカミキリムシ君がようすを見に行くことになりました。


 2匹がげんかんにいくと、ちょうどムカデ君が、わらじ(→詳細)をぬいでいるところでした。


「やっと帰ってきたんだね、ムカデ君」
 するとムカデ君は、首を横に振りながらいいました。
「ちがうよ、ぼくの足は百本あるから、わらじをはくのに時間がかかるんだ。まだ、半分しかはいていないんだ」

おしまい


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