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Huawei P30とP30Liteとの比較レビュー2.0

P30 Liteのあまりの完成度の高さに、上位モデルのP30が欲しくなり…人間は松・竹・梅。L・M・Sサイズがあると、中間グレードが欲しくなる。

真ん中のレンジが最も売りたいモデル≒最も利益が出るモデル。と感じながらも、辛抱たまらん。購入しました。
主にP30Liteとの比較という軸でレビューをしていこうと思います。

前回と同じく、P30の公式情報のリンクを貼ります。スペック等はこちらでご確認ください。自分が語るのはスペック+αの部分です。

P30 Liteにつきましては、年始にnoteでレビューさせていただきました。よろしければ後からこちらも併せて読んで頂ければ幸いです。

自分自身、スマホにほとんどこだわりが無い人間だったのですが、こんなに短期間で新しい端末が欲しい。このP30 Liteの上位バージョンなら鉄板だろう。そんな期待を胸にP30を入手しました。前書きが長くなりました。それではレビューを始めて行きましょう。Liteと比較が出来るように、基本的にはほぼ同じカテゴリ分けで記述していきます。


いきなり結論

P30をP30 Liteと比較したとき2点だけ明らかな欠点があります。逆に言えばそれ以外のほとんど全ての尺度に於いて、価格なりの順当な性能向上がなされており、隙が少ないということです。それを除けばほぼ完璧な機種です。

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その2点について説明します。

①画面内指紋認証の精度が下位モデルの背面指紋認証に明らかに劣る
P30 Liteや過去機種の指紋認証の精度があまりにも優秀だった影響なのか、画面内指紋認証の精度はイマイチであると言わざるを得ません。
フラッグシップ機ということで「弊社はこんな技術もあるんやぞ!凄いやろ!ドヤァ!!!」みたいな意味合いも込めて、画面内の指紋認証を搭載したのだと思いますが、精度が下がっているのでは意味がありません(笑

「寝起きに指紋認証の通りが悪い」と聞き、そんなことあるんか?人の指紋は時間によって変わるの?と思ったのですが、おそらく皆さんカーテンを閉めて寝ており、部屋は暗く、目覚ましが鳴り、とりあえず暗い部屋でスマホだけを探りアラームを止める。つまり指紋を認識する光量が足りない。

また、日中の屋外、特に晴れている日や直射日光下にいるとき。つまり上記とは逆に光量が多すぎる場合も認証の精度が悪化します。これは、指と液晶と指紋センサーの間から光が入ることが原因と考察します。

屋外で頻繁にロック解除をする場合。自分の場合は、写真を撮りまくる場合、これはかなりのストレスになります。P30 Liteのように構えたら自然と指紋認証の位置に手が来てロック解除されている。というわけにはいかず、もどかしい思いをすることが多いです。

※即撮りたい場合は、電源ボタンを押してスワイプでカメラ起動という回避策もあります。また音量ボタンのカスタム設定で超速撮影やカメラ起動、というウルトラスナップショット機能というのもありますが、これらは意識していないと忘れるので、慣れれば快適かもしれません。

逆に指紋認証が問題なく使用出来る環境は、室内です(日中・消灯時と夜間・照明下)昼夜共に、最も得意とする中間光量となるのだと思います。


②外部拡張がNMカードであること

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独自規格のNMカードです。参考価格ですが、128GBのMicroSDが現状、安いと2000円以内で手に入り、使い回しも便利なことと比較して、NMカードは執筆時点で、純正だと5000円超(定価は1万オーバーだったと思います)ジェネリック品でも4000円台とかなりコスパが悪いです。現状Huawei製端末の一部でしか利用出来ず…ここはSDにしてほしかったところです。

Huaweiエコシステムの範囲を飛び出し、この独自規格が広まることは考えにくい(万が一普及すれば強い)


以上の2点となります。強いて挙げるのであれば指紋認証です。2つとも自分にとっては非常に大きな欠点でした。外部拡張NMカードの件については、128GBで足りる人にとってはあまり関係が無いので、絞り出して2つというところでしょうか。

デザイン

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自分が選んだブリージングクリスタルは、ホワイト、シルバー、ゴールド、青、紫、赤、白、と光りながらグラデーションしていき、何色とも言えない高級感がある色調、それでいて派手過ぎず、シンプルで飽きの来ないデザインだと言えます。
P30 Liteより側面部分の金属加工にもお金をかけている。よりコストが高い表面処理がなされているように感じます。所有感が素晴らしいです。

写真性能

シンプルに上位モデルというだけあります。写り方が全く異なります。好みの問題もありますが、P30はシャープで鮮やかな印象。Liteはソフトウェア処理で頑張って補正している印象(それでもコスパは高い

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P30 LiteでAIオート撮影(24MP)黄色くフワッとした印象

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P30でAIオート撮影(10MP)パリッと鮮やかな印象

ここらへんのクオリティの差はライカのレンズ料金がそのまま出ていると思いました(笑)オートフォーカスの速度もP30が優勢です。


☆注意!2/14日に追記!
新幹線の車内や自動車の車内から、つまり窓越しに撮影する場合、P30ではレーザー光の反射?で距離を測っているのか、窓の方に焦点が合ってしまい風景が撮影出来ない。という現象が発生しています。
P30Liteでは発生しないのでP30特有です。人によっては殆ど無い撮影シーンかもしれませんが、自分の場合は割と多いので念のため。



※解像度はデフォルト設定です。P30は40MPで撮影するとズーム等の機能が効かなくなるので10MPで撮影しています。

スマホ内で全てを完結する人。写真をPCに落として見ることが無い人にとっても、かなりの違いを感じることが出来ます。
またLiteと全く異なるのは暗所撮影能力ズーム機能です。日中であればLiteでも必要十分な写真が撮れると思いますが、これが暗所撮影となると、雲泥の差となります。

Liteから乗り換えると恐らく夜の撮影で一番強烈な性能差を感じることかと思います。夜景はとても明るく鮮明に、Liteで乗るノイズもかなり軽減され、手ブレも圧倒的に少なくなります。低照度で撮影するのであればLiteは考えられない。というレベルの性能差があります。

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P30 Lite 暗所撮影(一番手ブレしなかったもの)ほぼ手ブレ写真でした

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P30 暗所撮影(タイミングが間に合わず構図が変わりました)

暗所撮影に比べて使う機会は少ないですが、ズーム機能も全くの別物と考えて良いでしょう。Pro版ほどでは無いものの実用的なズーム機能を持っており、弄ってみると楽しいです。

P30はズーム用の望遠レンズのみOIS(光学式手ブレ補正)を搭載しています。できればメインカメラもOISを搭載してほしかったです。ここは残念なポイントです。Pro版ならメインカメラにもOISが付いており、ここらへんは、更に上位モデルとの性能差を付けた部分かと思います。

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参考:P30 Liteの5倍ズームと等倍の風景

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P30の5倍ズームと等倍の風景

ただしP30もLiteも日中の実用レベルではそれほど手ブレが気になることが無いため、HuaweiのEIS+PDAFは優秀だと感じました。それでも夜間はP30が圧倒的に優勢と言わざるを得えないでしょう。カメラ専業やセンサー部門が主力でない会社がRYYB配列という全く新しいセンサーを搭載した製品を発表するのは驚きです(センサー自体はソニー製だそうです

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P30(夜景モード)設定でもかなり細かく調整ができ面白い

また意外な点ですが、P30とLiteを比較したときに写真を大量に撮影しているときのバッテリーの消費がP30のほうが圧倒的に少なく省エネである。という差を体感しました。ここらへんはNPUの学習効果でしょうか。


動画性能

動画も写真と同様にP30のほうが鮮明に写り、激しい動きにも強く手ブレにも強い傾向があります。概ね写真と同じ傾向ですが、日中であればLiteでもかなり優秀です。ただし夜間の動画がほとんど使い物にならないレベルで白飛び手ブレします。P30ではそこそこ改善されています。
とは言え動画性能については、手ブレ、画質全てにおいて、現状、昼夜問わずiPhoneが異次元レベルの高性能なので、そこまでの期待は出来ません。

多数のレビューアーさんが同じことを仰っていましたが、現段階で静止画の性能はHuawei。動画ならiPhoneが最強。これに私も同意です。

また写真撮影時と同じく、P30とP30 Liteでは動画撮影時のバッテリーの減り方が異なり、P30のほうが、より省エネで効率よく綺麗な動画を収めることが出来ると言えるでしょう。

動画の始めに実際に撮影したものがあります。よろしければグッドボタンとチャンネル登録をお願いします(定型文w


ゲーム性能(3D性能)

カメラと並び、Liteと比較したときにとても大きな差が出る部分だと思います。Liteならカクつく部分も全く問題なくスムーズに動作し、データの読み込み等も早いです。またSnapdragon800番台と比べると流石にパワー不足な分か発熱は少ないように思いました。
少なくともあと数年は大抵のゲームなら問題なく動作することが考えられます。ただし重たい3Dゲームを最高品質でシビアにプレイするとなると、やはりiPhoneやSnapdragonには敵いません。

余談ですが、ゲームに関しては写真撮影や動画撮影のときに感じた、Liteとのバッテリーの減り方の差、省エネ効果はほぼ無いと感じました。


音楽再生機能(スピーカーはNG、イヤホンの話

ここは非常に意外な部分でした。P30 Liteの音楽再生には非常に満足しており、その上位モデルであるP30のDOLBY ATMOSはさぞ高音質なのだろう。
と、期待をしておりましたが、P30Liteに搭載されているHuawei Histenサウンド効果と同レベルと考えて良いでしょう。それだけHuawei Histenサウンド効果は優秀であると言えます。

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Huaweiの公式サイトや量販店向けのパンフレット資料にもHuawei Histenサウンド効果のプロモーションがありませんが、これは正直もっと前面に押し出して良い部分だと思います。

P30付属の某🍎にそっくりなデザインのイヤホンはまあまあな品質(マイク部は低品質でした)カナル型イヤホンの使用をおすすめします。安物でも十分に楽しめます。

Pro版ではイヤホンジャックがありませんがP30にはあります。
Bluetoothも5.0でaptX HDやLDAC HD対応なため、有線無線問わず高品質なサウンドが期待出来ます。


ディスプレイ

液晶画面はLiteとほとんど同じ大きさで、本体自体はややコンパクト。有機ELは力強い発色をします。スマホで動画やゲーム、ネット閲覧などをヘビーに楽しむ人にも満足出来る画質であると思います。LiteのIPS液晶と発色の好みはあるかもしれませんが、基本的には視野角も広く、鮮明で見やすい印象を受けます。↓の両サイドの黒い部分はノッチではありません。

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ノッチの様に見える黒色の部分は「非点灯」部分です。黒の表現が最高です。壁紙を真っ黒にすることでも省エネ効果が得られます。このあたりは有機ELの強みと言えます。Liteでも十分にディスプレイは綺麗ですが、比較すると特に屋外で綺麗に見える優位性を感じました。


その他ユーザー体験

先に述べたように、ゲームとカメラ(特に暗所撮影)については明らかな差を感じます。P30 Liteに比べるとP30はスクロールが滑らかで、アプリ起動や表示、ブラウジングなどがワンテンポ早いです(省エネモードでも早い

SoCの差がそのまま出ているのか、大差。とまではいかなくても、誰もか体感出来る動作の差があります。ただし、ハイエンド機からの乗り換えでも無い限り、Liteでもそれほど問題を感じないはずです。

P30 LiteにはないIP53等級の防水防塵がある模様(海外サイトにのみ記載)日本では審査申請していないだけの様な気はしますが、無いよりは心持ち嬉しいです。欲を言えば事実上の日本標準であるIP68にして欲しかったです。

急速充電は本当に早いです。20W超の電力です。P30 Liteでもかなり早い印象ですが、これは更に早い。非常に便利です。こうも早いとP30 Proの40W給電は早すぎて発熱や発火が心配になりますが、恐らく制御技術等がしっかりしているのでしょう(笑)

特に充電時の発熱も気になるレベルではありませんでした。

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両者バッテリーについては優秀と言えます。P30とP30 Liteを両方バッテリー100%にして機内モードにし、再起動して同じ場所に放置、他、条件を可能な限り同一にして、バッテリーの減りを検証しました。
P30もP30Liteも100%が8時間オフライン放置で、同じく97%となりました。バッテリー容量が微妙に違いますが、アイドル時の消費電力は誤差の範囲内というか、ほとんど同じと感じました。

どちらも普段遣いで、平日、意識してスマホを使っても朝100%で家を出て80%程度で夜帰宅。休日にGPS地図に写真や動画撮影、ゲーム他、外でヘビーユーズしたときでも50%以上。移動時の音楽再生だけ使用など、忙しくてあまり触らない日なら90%以上残っていることもあります。まだ購入間もないので耐久性についてはこれからの評価となりますが、両端末、ファーストインプレッションとして電池持ちが良い。という評価になります。

【2/14追記】
NPUの学習効果なのか、購入タイミングによる差なのか不明なのですが、明らかにP30(使用2か月程度)のほうがバッテリーの持ちが良くなり、P30Lite(使用4ヵ月程度)は悪くなったと感じます。バッテリーの劣化にしては早すぎる感じがありますので、これはP30のKirin980が優秀であることを示している様に思います。



また、サイズ感については思ったより早く慣れます。始めは大きすぎると思いましたがすぐに慣れ、重さも気になりませんでした。

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※月の撮影はオマケ程度の機能だと思って下さい(笑)


まとめ

正当な上位モデルと言えます。P30 Liteからのそのままのスペックアップを考えているのなら、ほぼ同一重量、同一サイズのP30は、内部のグレードが全て上で真っ先に述べた画面内指紋認証とNMカードの2点の欠点を除けば、ほぼ全項目に満足が出来る性能向上となっております。

執筆現在(2020年初頭)端末価格が6万台。予算が許すならP30がおすすめ、ライトユーザーなら、まさにLiteで文句が出ることはまず無いかと思います。写真撮影の他にもバッテリーやUIも使いやすく優秀です。先日、android10(EMUI)の更新もありました。

国内ラストのHuawei端末になる可能性がある、5万前後のNova5Tと比較するなら、あと1万程度頑張ってP30を購入したほうが満足度が高いと思います。


余談と今後の展開

そんな大満足のP30ですが、なんとなんと今度はP30 Proが欲しくなってしまいました(笑)なんという中毒性だ。

Lite→無印→と来てPro。それも1年以内に。Huaweiがエントリーモデル、準フラッグシップ、フラッグシップ端末と、どの様なグレード分けをしているのかも非常に気になります。1年にスマホを3台。明らかに要らない。必要無い。でも欲しい。

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それが趣味というもんだと思います(笑)大嫌いなはずの独自規格、NMカードも1枚入手してしまったため、Proの購入を後押ししております。現情勢でグーグル入りで手に入る、事実上の、国内のHuawei機で最後の、最高スペックのものになるかもしれません。

購入したら、きっとまたレビューすると思います。
以上、長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

身の上等はこれから書いていこうと思います。サポートしていただければ幸いです。1杯のコーヒーから、環境活動、多様性の理解推進、生活費やガジェットのレビュー等に使おうと思います!