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浅層混合処理工法と品質管理

浅層混合処理工法の品質管理に関して詳しく解説しています。一般的に品質管理は、請負業者の地盤改良結果報告書によって確認されます。内容は、写真台帳・フェノールフタレイン試験結果・一軸圧縮強度試験結果の3点から判断されます。しかし一方で、改良厚の確認や実際の現場で必要強度が発現しているかは不透明な部分があることも詳しく説明しています。

浅層混合処理工法と品質管理
撹拌状況

浅層混合処理工法における品質管理

浅層混合処理(表層改良)工法を採用するとき、どのような品質管理を行うのでしょうか。まず前提として、浅層混合処理(表層改良)工法では通常セメントを固化材(改良剤)として使用します。セメントの最小添加量は50kg/m3とされています。

品質管理詳細

地盤改良における品質管理は、実施者である請負業者(施工業者)によって提出される地盤改良工事報告書によって確認できます。本報告書は以下の内容を含んでいます。
①  工事現場における写真台帳一式(施工着手前、施工中、施工完了後、搬
   入された固化剤の材料検収写真など)
②  フェノールフタレイン反応による固化剤の混合状況の確認(写真台帳よ
      り)
③  一軸圧縮強度試験の結果報告書

一軸圧縮強度試験の概要

一軸圧縮強度試験は、発注者立会いの下、施工時に一軸圧縮強度試験の試験用サンプルを6本以上採取し、2週目で3本の圧縮試験を実施して平均値を算出します。その平均値の結果を元に改良土の固化状況と強度判定を確認します。

品質管理試験の困難さ

実際に、地盤改良工事報告書からは、現場地盤とセメント系固化材の混合具合や強度の発現度合いを正確に確認することは出来ません。つまり、一軸圧縮試験で使用した試験用サンプルはあくまでも現場から採取したサンプルの一つであって、本成果(室内試験により発現した強度)が現場(室内と異なる自然環境の中)で発言していると確証を持つことは難しいのです。実際に自然状態で養生されている現場地盤が試験結果と同じ強度を持つと言い切ることは出来ません。
加えて、室内試験では、改良地盤本体におけるもう一つの重要な要素である改良層厚(厚み)についても確認することが出来ません。②フェノールフタレイン反応による品質確認では、所定の改良深度まで混合されていることを確認できますが、その深度において十分な強度を保有しているかは正確に判定することは出来ないのです。

まとめ

現状、現場の地盤改良精度はバックホウオペレーターの技術に依存します。従って、試験結果だけで判断せず、施工状況を目視で正確に確認することが重要になります。

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