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一軸圧縮強度とn値

地盤改良工事が終了したからといっても、実際に対象の地盤が強化されたかどうかを最後に確認することが求められます。その最終確認のための指標を一軸圧縮強度と呼びます。この記事では地盤改良工事には欠かせない一軸圧縮強度について詳細に解説して参ります。

一軸圧縮強度とn値
撹拌状況

一軸圧縮強度とは

一軸圧縮強度とは、側圧(横方面からの圧迫)が無い状態での圧縮荷重における、供試体(※)の最大強度のことを意味します。一軸圧縮強度は、地盤改良工事にとって必要不可欠な耐圧能力を検査・測定するための、一軸圧縮強度試験における重要な指標となります。
※供試体… 強度試験に用いられる試験体のこと。様々な規格に基づいて作成され、材質は土、コンクリートであることが多い。
一軸圧縮強度試験では供試体を鉛直方向(上側と下側から同時に等量)に圧縮していくのですが、徐々に負荷を大きくしていくと負荷に比例するように試供体の強度は増していき、やがて圧縮強度が最大となる瞬間が訪れます。
このときの圧縮強度が最大となる瞬間を「圧縮強度」と呼びます。「一軸」と呼ばれるゆえんは、側圧が無く、「鉛直方向からのみ」圧縮されるためです。反対に、「側圧がある」場合は、鉛直方向からの圧縮を含めて「三軸圧縮強度」と呼びます。なお、一軸圧縮強度は記号「qu」と表され、後述の公式(関係式)で多く用いられます。

n値とは

地盤の強度を計測する際には標準貫入試験という工程が存在します。
サンプラーを地盤にセットし、おもりを自由落下させサンプラーを打ち込み、特定の深さまで貫入するまでに要した回数を計測します。n値とは、このときのサンプラーを打ち込み終わるまでの回数(number)の略です。
一般的に、サンプラーを打ち込み終わるまでの回数が多いほど地盤は強固であると言えるため、n値が大きいほど地盤が強固であることがわかります。 

一軸圧縮強度とn値の関係

一軸圧縮強度とn値には密接な関係が存在し、以下の公式が成立しています。
qu=12.5×n
先述の通り、quは一軸圧縮強度を表す記号、nはサンプラーが貫入し終わるまでの回数のことでした。すなわち、上記の公式を用いることで一軸圧縮強度試験を行わずとも、n値さえ判明すればおおよその一軸圧縮強度を推定することが可能になります。 
ここで例題を見てみましょう。
仮にn値が20の場合…
 qu=12.5×20 =250
上記の場合の一軸圧縮強度の目安は250であると推定可能です。

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