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固化材添加量の計算方法と最小添加量

地盤改良において、固化材の算出方法を徹底解説します。指示書に書かれている地耐力は添加量を示すものではなく、室内試験の結果を元に算出された添加量を混合することで一軸圧縮試験により地耐力の判断が出来るのです。また、混合方法と施工方法に関しても詳しく解説します。

固化材添加量の計算方法と最小添加量
撹拌状況

必要地耐力からセメント添加量は分かる?

軟弱地盤現場において、指示書に地耐力100kN/m2や、200kN/m2と記載されているケースがあります。これは、地盤改良における目標改良強度となる値であり、改良した地盤で一軸圧縮強度試験を行うことで判断できる結果となっています。そのため、この数値だけでは、どのくらいのセメント添加量を加えるべきなのか判断できません。当該地盤の性質によっては、セメント系固化材の最小添加量50kg/m3を添加しても必要地耐力100kN/m2を発現しないケースもあり得ます。

必要添加量の計算方法

ここでは、割増し係数を基に求める方法を解説します。この方法では、石灰系・セメント系ともに路床等の安定処理に適用されており、割増し係数目安表(表-1)が提案されています。

参照:(社)日本道路協会:道路土工盛土工指針(平成22年度版)

実際の工事では、配合試験で決められた添加量に割増し係数を乗することで算出します。下記に参考式を示します。
 
実際の工事での添加量 = (室内配合試験で求めた添加量) * 割増係数
割増係数 = 1 + 割増率(%) * 1/100

最小添加量

ただし、実際の工事では、固化材の添加量が少なすぎると、土と固化材との混合の均一性が悪くなるため最小添加量が提案されています。セメント・セメント系固化材において、基礎地盤では50kg/㎥以上、路床では添加率3%以上としている例があります。石灰・石灰系固化材において、基礎地盤では50kg/㎥以上、路体で30kg/㎥以上、路床では路上混合(添加率2.5~3.0%以上)、プラント混合(1.5~2.0%以上)とされています。

混合方法と施工方法

混合方法には、中央プラント混合方式と路上混合方式の2種類があります。中央プラント混合方式とは、混合プラントで土と固化材を機械的に混合するもので、その構造上からも粘性の低い材料を使用する安定処理工法に適しており、施工数量の多い場面に用いられます。路上混合方式とは、一度仮締固めを行った後に、固化材を散布してバックホウでかき起こし混合する方法と、盛土材を敷き均し、固化材散布後にスタビライザで切り返し混合を行う方法があります。スタビライザで混合する場合、その混合深さは機械の性能(通常、30cm~60cm)に依存します。
 
いずれも固化材を均一に散布することが重要で、生石灰の場合、路上混合作業を2回行います。一次混合では、生石灰の給水作用によって当該地盤の含水比を低下させ、二次混合において含水比の低下した混合可能な対象土を均一に混ぜることで改良を行います。

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