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地盤改良の混合方法と留意点

地盤改良で使用されるセメント系固化材には、どのような特徴があるのかを説明します。加えて、混合方法のステップと施工上の留意点について施工担当の立場から徹底的に解説していきます。

地盤改良の混合方法と留意点
撹拌状況

セメント系固化材とは?(セメントと違うの?)

セメントを母材として各種有効成分を添加したもので、セメントでは固化させにくい土質や現場の条件に対応するために開発された。

種類一覧

固化材の種類は、下表のとおり、大きく3分類されます。それぞれの特徴に関しても解説します。

配送方法

製造工場にて専用の車に積み込む「ばら売り」とフレコンパックでの「配達」が出来ます。セメント系固化材には、紙袋・フレキシブルコンテナ・バラの荷姿があります。

施工方法

セメント及び消石灰の改良手順
路上混合方式におけるセメント及び消石灰の改良手順を解説します。
 1. モータグレーダーやブルドーザーを活用して整形作業
 2. 人力または、散布機を活用した固化剤の散布
 3. スタビライザを活用した路上混合
 4. モータグレーダーやブルドーザーを活用して敷き均し
 5. タイやローラを活用した転圧
 6. 養生
 
生石灰の改良手順
路上混合方式における生石灰の改良手順を解説します。
 1. モータグレーダーやブルドーザーを活用して整形作業
 2. 人力または、散布機を活用した固化剤の散布
 3. スタビライザを活用した路上混合(一次混合)
 4. モータグレーダーやブルドーザーを活用して仮敷き均し(一次混合)
 5. タイやローラを活用した仮転圧(一次混合)
 6. スタビライザを活用した路上混合(二次混合)
 7. モータグレーダーやブルドーザーを活用して敷き均し(二次混合)
 8. タイやローラを活用した転圧(二次混合)
 9. 養生

施工上の留意点

1. 石灰・石灰系固化材の場合
 ・特に粘性土においては、十分な混合によるムラが無い状態にする
 ・土との反応が緩慢なため十分な養生時間を確保する
 ・石灰に種々の混合物を添加した石灰系の固化材では室内試験の実施とと
  もに施工事例を参考に現場に適しているかの判断が必要である
 ・粉塵が舞う恐れがあるので、風速・風向きを確認して近隣住民(第三
  者)に迷惑が掛からないように施工する
 ・水和熱が大きいため、取り扱い中の水分に気を付ける
 
2. セメント・セメント系固化材の場合
 ・粘性土の塊が多く含まれている場合にはこれらの塊を適切に粉砕する
 ・施工中の排水を適切に確保して降雨対策として転圧・シート養生を行う
 ・施工中に表面が乾燥しないように散水することも重要である
 ・寒冷地での冬季施工では、セメントの水和反応が低下する恐れがあるた
  め温度対策を行う。加えて早強セメントや塩化カルシウムを添加する


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