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浅層混合処理工法と仕様

浅層(せんそう)混合処理工法に関して、その概要と仕様に関して詳しく解説します。浅層混合処理とは、表層改良とも呼ばれる地盤改良工法の一つでGL-2.0m程度の改良に適用されます。ここでは、本工法のその他の地盤改良工法と比較した時の特徴に加えて施工手順も詳しく説明しています。

浅層混合処理工法と仕様
撹拌状況

地盤改良工法

地盤改良とは、建築物を地盤上に構築するにあたり、地盤沈下・不同沈下の影響が及びにくくするため、地盤に人工的な改良を加え安定性を保つために行う工事のことです。軟弱地盤の上に構造物を築造すると地盤支持が不足して倒壊に繋がります。このように安全性を確保するために改良工事を行うことを地盤改良と言います。

浅層混合の読み方

本記事では、浅層混合処理工法に関して解説します。浅層(せんそう)とは地表からの深さを対象深さで区別した呼び名であり、処理対象層の深さが数メートル程度の比較的浅い層を指す用語です。浅層混合処理工法は、一般的に深さGL-2.0m以内の地盤改良時に用いられます。

浅層混合処理工法とは

浅層混合処理工法とは、表層改良とも呼び軟弱地盤範囲があまり深くない(GL-2.0mまで)に場合に採用される工法です。築造する構造物範囲を1~2m程度バックホウを用いて掘り起こし、セメント系固化材を攪拌混合することで地盤強度向上と沈下抑制を図ります。

特徴

バックホウを用いて施工するため、戸建て住宅などの狭隘部での施工性に優れていることに加えて、地盤状況・攪拌状況を目視確認できるため作業効率が高く、短工期施工が可能です。また、その他の改良工法と比較すると地盤改良費用も少なく済むメリットがあります。

施工手順

浅層混合処理工法は、バックホウを用いて基礎となる表層部分の地盤とセメント系固化材を用いて攪拌混合を行い所定の地盤強度を発現させます。具体的な施工ステップを下記に示します。
①  基礎にあたる地盤を掘り、底盤を均一に整地する
②  セメント系固化材を既定の配合量に合わせて入れる
③  固化材と土をむらなく混合攪拌する
④  重機で締め固めた後、ローラーで均一に転圧(締固め)する
⑤  ②~④を数回繰り返す
⑥  完成後に、建物などを支持する改良地盤となる

まとめ

浅層混合処理工法について理解できたでしょうか?施工手順で詳細に記載した通りバックホウを用いた施工のため施工性や汎用性に優れた工法です。仕様として特徴を上げた通り、GL-2.0m程度までの改良にのみ適用できるので小規模建築・土木構造物や道路等で適用される傾向にあります。


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