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浅層混合処理工法と設計基準強度

浅層混合処理工法の特徴と併せて、設計基準強度に関して詳しく解説します。浅層混合処理工法はバックホウでの施工となるため地盤改良のための専用重機を導入する必要が無いことが大きな特徴です。そのため施工性や経済性の観点から非常に優れている一方で、GL-2.0m程度までの適用範囲に留意する必要があります。ここでは、設計基準強度に関して、試験概要と強度の概算方法なども詳しく説明しています。

浅層混合処理工法と設計基準強度
撹拌状況

浅層混合処理工法の特徴

浅層混合処理工法の大きな特徴を下記に列挙します。
①  短工期施工が可能
   バックホウでの施工となるため地盤改良専用の重機が不要で施工スピー
     ドも他地盤改良工法と比較すると非常に速い。
②  安価
   他地盤改良工法と比較して専用の資機材が不要、加えて、バックホウと
      セメント系固化材(フレコンパックにて搬入)のみで施工が出来るため
      非常に安価である。ただし、GL-2.0m程度になると柱状改良工法の方が安
      価なケースがあるので比較検討が必要である。
③  狭隘部での高施工性
      バックホウ施工のため搬入路が狭い場合や、狭小地でも容易に施工でき
      るため施工性能に優れている。
④  高低差地盤でも施工が可能
      上述の通り、バックホウ施工ではその他の地盤改良工法と比較して重機
      の設置地盤面を水平にする必要がなく、高低差のある地盤でも施工可能
      である。
⑤  様々な土質に対応
      基本的には砂質土、粘性土が対象だが、腐植土や酸性土でも適用可能な
      セメント系固化材に変更することで、さまざまな土質に対応可能な工法
      である。
⑥  六価クロム低減に寄与
      現地盤が腐植土や火山灰室粘性土層などの六価クロムが溶出しやすい場
      合は、六価クロム低減型セメント系固化材を採用することで、六価クロ
      ムの溶出量の低減が可能になる。

設計基準強度

改良地盤は、どの程度の強度が求められるのでしょうか?また、強度試験はどのように行うのでしょうか?改良地盤の設計基準強度は、現地盤の土と配合設計に基づくセメント添加量試験による室内配合試験体、あるいは、原位置試験である現場採取コア試験体による一軸圧縮強度試験を行います。その結果から適切な配合計画、設計基準強度を設定します。一般的に、材齢 7 日の一軸圧縮強度試験で300kN/m2以上としています。

設計基準強度の概算

各セメントメーカーにおける固化材添加量(N/m3(kg/m3)と強度の関係性は、上述の通り材齢7日の一軸圧縮強度試験により表示されています。原則、改良地盤の設計基準強度は、材齢 28日の一軸圧縮強度試験結果に基づきますが、土質によっては材齢 28 日と材齢7日の一軸圧縮強度比から、材齢 28 日の一軸圧縮強度を、おおよそ算出することが可能であるため材齢 7 日の一軸圧縮強度試験で300kN/m2以上あれば良しとしています。

 

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