実話に基づいたフィクション/帰り道の象徴
おはようございます!
今日の雲はすごかった。雲コレクターです。基本的には角の立った生クリームみたいなものに良さを感じるらしく、今日もシャッターを切る直前にそう思いましたが、ひとつ見たことのない雲も写真におさめることができました。もくもくと煙突から立ち上るように、撮り方も自然とそうなってしまったのかもしれません、でもぼくがこの目で見たのは空という地を這うような軌跡でした。どこか遠いところにいけそうな気がしてきます。僕が遠いところへいきたいと思っているからそう見えるのかもしれません。雲に夢をのせるというのは、ふわふわした夢と、それをのほほんと願う僕との距離としてちょうどいいものなのかもしれません。
土曜日。アリイと遭遇。5:32の電車に間に合うように、今日はとりわけダッシュをしてきたのに電車が遅れているらしい。アリイの姿をみて2秒ほど経って、その可能性の切れ端が頭をよぎったが、すぐに忘れて、ニヤニヤしながらその男に近づいてみると、遅れてるらしい、と教えてくれた。この前も、ほんの2ヶ月前くらいにもあったことなのであまり驚かなかった。今日遅刻しちゃうなーとも、アリイをこんな時間にみた衝撃にかき消された。両方たいしたことではなかったということだ。大阪に行くらしい、え、新幹線間に合わないんだけど、となんというか程よく居た堪れない感じで、笑いながら訴える。中学生のころからアリイはこういうときに面白いとされていて、リョートから常にそういう姿を引き出されそうになっていた。中学生だから力の加減がなっていない、アリイが一番怒ったのってなんだったっけ。リョートの音楽ファイルをビリビリにやぶいたやつ。あれ、俺が悪かったような気がする。思い出せない。キムラの鼻をキックで粉砕したときも怒っていた。同じくらい。あれも僕が火種を作ってしまった、習字の半紙、その時期は全紙を使っていたかな、についている青いふせんのようなピロピロに墨をつけて、アリイにちょっかいをかけていた。僕はヒットアンドアウェイ、キレない程度でやめておく、俺に火の粉が飛んでこないようにいたずらをする。悪かったのが、そうありつつ他の友達をお前もいっちゃえよ、と唆していたところ。そのときはそういう風にしたのか忘れたが、怒りのリミッターをはかるのが下手なキムラがアリイに特攻して、アリイからみたらその瞬間の怒りはすべてキムラに向けられるべきものに見えるので、キムラが蹴られた。鼻血がでて、ヨダ先生に怒られた。残念だなあ…と、低い声で言っていた。ショックを受けたのを覚えている。僕が嫌いだった3年D組、先生の担任しているクラスに対しての怒り方をうちのクラスに向けているのを初めてみたからだ。奴らと同レベルに陥ってしまった、と思ったのか、単に大人がガチで怒っている様子が怖かったのか、たぶん主にその二つの要因があって、国語の時間にここまではっちゃけないようにしようと心に決めた。先生は怒っているというより、悲しんでいるようにみえた。残念だなあ、というのはパフォーマンスではなかった。この話は実話に基づいたフィクション。
小岩。遅刻せずに済みそうでもあるし、ちんたら歩いていたらもちろん遅刻しそうだ。朝起きたときは、体調が悪いと思った。熱っぽかった。首やおでこを触ってみるがよくわからない、熱くはない。寒気もない、鼻水もでなければ咳もでない。鼻は万年詰まっているので、朝イチで痰はよく出る。そのうち蓄膿症の治療をしたいと思っているが、僕の鼻の形を変えない限り根本的には解決しない問題だとすでにわかっているので、また死ぬまでこのままでもいいや、ということにして、後回しにしている。最悪やらんでも全然問題ない。部屋が暑い、電車の車内が暑いだけでもある。働きすぎだとは思わないが、最近のシフトは勤務の日数が多いので、雇われの仕事にかける時間はたしかに長すぎるような気もする。1日丸ごと家で過ごす日が減った。これはなんの本だったか、坂口さんが、週2で休むくらいだったらもう週6で働いて休みなんて1日でいいか要らない、みたいなことに似ていることを言っていて、そっちのほうがかっこいいかも、と思った僕はここ数ヶ月シフト希望を詰め詰めで出すようになった。連勤、くるならこい、かっこよくなれるから。でも引越しバイトで俺いちにい、三十ウン連勤wって言ってたお兄さんはかっこよくなかったな。それだけで戦っていくのは無理がある。連勤も別に厭わない、でもやらんでもいいということを明確に知っている、ただそれは雇われ仕事ならそうというだけで、自分の仕事は休みなく絶対やるべきだ、とすべて知っているからこそかっこいいのだと思う。
バイトの最寄り到着。信号、あと2分、嘘、30秒かからないで変わりそう。予定通り51分について、従業員入り口から入るつもり。土曜日は忙しいから、入館カードを使えるようにしとかないと急ぎたい場面で仕事が滞るかもしれない。小走り。
ミスったあ。ここんとこ2日にいっぺんやってる、オーダー票を提供の前に捨てちゃうやつをやってしまった。今日はそれ含めた取り違えがないようにかなり丁寧にやってたんだが、やり方を修正したほうがいいみたい。最悪、余計に作っちゃうほうが出すのを忘れるくらいならいいわけだから、滅多なことがない限り適当な確認で処分するのはやめとこう。混んでるときだとむしろひとつひとつという意識が働くし、そもそも提供口にもうひとりいるのでそういうミスが起きづらい。というかそちらの場面では、提供口の人が一番、どこまで終わっているかを把握できているのでむしろポンポン出した分の紙を処分していく意識が重要になるはずだ。んー、これはちょっと気をつけよう。捨てるならはっきり確認。さっきのも、変に申し訳なく思ってあいまいな確認をとってしまった。ゆっくり、ゆっくりでなくてもいいから、提供済みかの確認のときだけガチガチに。
10:56、休憩から戻る。そろそろ歩き始めたほうがいい。文量は、昼休みにはあまり膨らまなかった。悶々とTwitterを眺めていたい気分だった。ただ最後にはこれを書き進め始めることができるとわかっていたからそうできた。いてもたってもいられなさを、Twitterを眺めると同時に観察し続けることができた。「悶々」と、「居ても立っても」の分量が一定のラインを超えると、書き始めようと思う。さて仕事仕事。これやって明日は休み。また逆方向に歩いてっちゃった、切り返して店舗へ。トイレいってないけど大丈夫そう。
おつかれさまです!連勤、これにてひと休み。ちょっと前までは、(あるいは今もみかたによっては)実家で寝ることのできない日は連勤としてみていたのだが、今日の駅までの気分でいうと明日は休みだといえそうだった。間違えた…。今日逆だ帰る方向。たしかにいやに人が多かったな。まあ帰る時間はそう遅れないみたいなのでいいとして、着く時間も変わらないので快速ではなく各駅停車でのんびり向かうことにする。秋葉原まで。そのまんま反対向きの電車に乗るだけなので、座っとくだけでいい。もうくるらしい。
足が疲れた。熱っぽさはもうない、西陽もまあまあ気持ちいい。ぬるま湯に浸かっているような、僕はぬるま湯であまり気持ちいいと思ったことがないから、ちょうどそのくらいの、気持ちいいといわれたらそう思えないこともないかな、という気分でいる。座っちゃおう。肩をすぼめるのは得意だ。自慢じゃないが、一見満員電車にみえるところに、すみません乗りますというそぶりを見せることでみんなが精一杯生んでくれる隙間、あそこに身をおさめる技術なら僕は相当高いほうだ。なるべく他の体に力を加えないように、いいとこかするくらいに影響力をおさえて、いびつな隙間に体をあてはめていく。毎度、後ろのひとびっくりしてんじゃねえかな、こいつ、全然押してこねえじゃんって、と思いながら気持ちよく体をすぼめている。と同時に、これがデフォルトであってほしいとやはり思う。それがやさしさじゃ困るってやつだ。
ようやく元の駅に戻ってきた。ひと駅前から戻るのよりは、今の時間が無駄だったと思っていない気がする。二駅越したらもう惜しくもなんともないんで、悔しくない。まじかあ、と落胆のような心象をみたあと、今日は連勤の切れ目にいるのですぐ切り替えることができた。これが昨日の帰りだったらそうではないのだろう、まあそんなこと起こり得ないというか起こっていないんだけど。体はさすがに疲れていて、明日銭湯にいくと昨日決めてから、今が一番嬉しい。ありがてー。これならもう2日仕事して、免許更新して、そのあとようやく1日家で休んだら、次の日には余裕で九州に乗り込めるような体調になっている気がする。昨日の帰りはそう思えなかった、ああこれは、ちょっとやりすぎてるやつだな、冬眠とかいって今月も割とお金使ってるしバイトも頑張っちゃってるな、と思った。今はどうか。今は、もうどっちでもいいって感じー。明日とにかくゆっくりしたい、ゆっくりできると決まっているので嬉しい、ありがたいわー、って思うので手一杯。秋葉原で乗り換えて、赤羽まで京浜東北線でいっちゃうのが一番、人混みに揉まれなくて済みそう。明日が休みだからといってなんでもこい!と構えられるほどには元気ではない。その証拠に、いま着いたのが秋葉原ではなくひとつ手前の浅草橋だったことにこんなに感激することができる。書いていてキレも感じない、もう、今日働く前の僕の気持ちなんて、すずめの戸締まりの続き明日みたいなー、観れてないときのほうがやっぱみたいなー、観れなさそうなときのほうが観たいけどこれって観たいってことであってんのか?って感じてたことくらいしか覚えてないよ。秋葉原、帰り道の象徴。1番線へ。
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