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わたしが欲しいのはエモーションだった、みたい

クッタクタになってしまった制服その1、黒いマキシ丈ワンピースを買い替えました。
オンラインではセオリーリュクス、セオリー、ブレンヘイムなどをチェックしていたけれどどれもピンと来ず。
フレアのシャツワンピース、マキシ丈、ベーシックカラーで無地かそれに近いもの、ウォッシャブル、ほっこり系ではなくすっきり、でも優雅な感じ。中にカットソーなど着込んでロングシーズン着られるもの。
ここまで条件を絞ってしまうと、オンラインの段階で全然候補が見つからず、今季の買い替えは無理かなあ…と思いました。でも手持ちのワンピースはそろそろ寿命。
数ヶ月オンラインで色々探しましたが、これはと思うワンピースは1着だけ。

試着してみたら、あらいいじゃないと思ったので買うことにしました。

いいじゃない、と思ったのは鏡越しの背中に入ったラインが後ろ姿を堂々とみせてくれて綺麗だったところ。背筋が伸びていないと似合わない服だと思いました。

買ったのは色違いのライトグレーですが。

綺麗に広がるスカートとちょっとマスキュリンな背中のかっこよさが混ざり合って、こうなりたかった理想の女性像に近づけた感がありました。袖を肘までたくし上げて、中にタートルネックを入れたりしてこなれた感じで着るといいですよ、と店員さんに教えてもらいました。

あとボタンが見えるところも見えないところも全部素敵。
店員さんと、こういう普通のワンピースが探すと意外とないんですよね〜と盛り上がりました。何かで見て来てくださったんですか、と聞かれたのでZOZOとかネットで調べてこういうワンピースがここにしかなかったんですって言ったらZOZO全部見たんですか…??と驚かれて、そういえば普通の人はお買い物の下調べにここまで時間かけないんだわ、と思い出しました。
ネットでしっかり調べてなければ絶対辿り着けなかったワンピースです。

ロペは前々から気になっていたブランドです。大学生のときからロペピクニックは好きだったし、そのお姉さんブランドであるところのロペはあきやさんの教室のおすすめブランドにも入っていました。
コンセプトは「クラシックなのに、モダン。マニッシュなのに、フェミニン。」
可愛いのもかっこいいのもきれいなのも捨てられない私には刺さります。あとエモいんですよ、ロペ(を含むJUNの系列)の服は……。上のワンピースも、かっこいい要素で固めることもできるのに、あえてボタンがアンティーク調でかわいらしい要素があって、エモい服を作ろうという気合いみたいなのを感じてしまう。

そんなわけで意気揚々と購入、今日おろして通勤で着てみました。
うーん、かわいい、かわいいんだけど何か足りない。
通勤なのでアクセサリーが足りない。それ以上に月初、部署異動初日の気疲れで目が死んでる。もっと堂々と着たい服なんだけどな。
同じようなシャツワンピースならユニクロにありそうなもので、それでなくロペを選んだのは、服そのものがかわいくてかっこよくて堂々としていて控えめで、エモーショナルだからなのです。「日常着」だけどエモが欲しかったのです。

この服を買った私は、本当に欲しかったのはワンピースじゃなくて、感情の湧き立つ日常だったんですね……。
昔から、自分自身のことで泣いたり笑ったりするほど人生に集中してきませんでした。
そのかわり、小説を読むこと、漫画を読むことに本気になれてた、他人の文章、他人の人生に感情移入することで、他人の人生に間借りして生きてきました。
でも今は自分の人生がガタガタすぎて、他人の話に没入しようとしても上の空、みたいな感じ。
本の代わりに感情を動かしてくれるモノを探して私はファッションに辿り着いたようです。

意識できてよかった。
ファッションは好きだけど、私は手に入れて泣いちゃうほど布や皮を好きかというと多分そこまでじゃないです。
感情を動かすことを目的に服を買い続けたら、どんどん強い刺激が必要になって、たぶん買う服の値段、量が上がり続けて破産します。
服を手に入れて、それを着てどこで、何をして、何を感じたいのかを知りたい。
皆、何にエモーションを感じるんだろう。どうやってエモーションを動かすものを探すんだろう。
このワンピースと一緒に、私のエモーションを探していこうと思います。

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