よく思い出すこと。
かき鳴らすギターの音に反応するように、すぐさまドラムがリズムをつくり、ベースが唸る。心地よい旋律がいくつか走ると今度はサックスがそれを繰り返す。
即興のセッション。
私の大好物である。
演奏者同士が目配せをしあって、あらゆる音の流れを生み出す。
広がったり収束したりしながら絶え間なく心地いいリズムが刻まれる。
今私の家にある防音室は2人で練習するのがやっとのサイズだけど、ある友人は自分の部屋と称した離れの防音室をもっていた。20畳近くあるその部屋にドラムもピアノもアンプもミキサーも一揃いあって十分に練習スタジオとしても使える場所だった。
その部屋で、忘年会だとか夏のバーベキューだとかと称して、安心しきったメンバーでたまに行われる深夜のセッション大会。これが私の大好物だったのだけど、当の友人が所帯を持つようになって実家にあるその部屋に通うこともついになくなってきてしまった。
みんな大人になって、
ついには子供を持ったりもするらしいから、
これからはこれからでまた楽しいことがはじまるとは思っているのだけど。
(私の両親がそうだったように。)
あんなに美味しいお酒が飲める場所はいまのところまだみつけられていない。
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