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プレミアリーグ20-21 各クラブ私的MVP



いよいよ今季のプレミアリーグも大詰め。

財政的にも精神的にも苦しいシーズンを闘う各クラブで "個人的に" 素晴らしい活躍をしている人物にスポットライトを当ててみました。さっそく見ていきましょう!





マンチェスターシティ

ロレンソ・ブエナヴェントゥーラ

ペップとはバルサ時代からの付き合いであるフィットネスコーチ。過密日程リーグに新型ウイルスが襲いかかったシーズンにも関わらず、主力選手をほぼ無傷で長い時間出場させることができているのは間違いなく彼のプロフェッショナルな仕事っぷりに他ならない。

戦列を離れた選手へ一方的にメニューを提示するのではなく、コミュニケーションをとりながら着実に丁寧に回復させていくことは当たり前のようで非常に繊細で難しい仕事。それに加えて彼は「フィジカルトレーニングとピッチでのプレーを切り離して考えない」、あくまでペップのスタイルにマッチしたメニューを日によって作りかえるそのひたむきさと秀逸さが、アホみたいに厚いシティの選手層を維持していると言っても過言ではない。

マンチェスターユナイテッド

アーロン・ワン=ビサカ

攻撃性能皆無と言われながらここまで出場試合数はマグワイア、ブルーノフェルナンデスに次いでラッシュフォードと同じ31試合。まだ23歳ながらこれほどまでに完成された守備能力の高さを考えれば現代フットボールにおいて5000万ポンドの値札は適正価格に見えてくる。

クリスタルパレス時代、とある日の紅白戦でBチームの右サイドバックのポジションが空いており、同クラブコーチのケビン・キーンが当時ウィンガーだったワン=ビサカの身体能力に目をつけその試合でコンバートさせると、チームのエースであるザハを完封した過去を持つ。

レスター

ブレンダン・ロジャース

ウンデルやフォファナ、カスターニュら若い世代にしっかりとお金を積み、CL圏内フィニッシュが現実的な目標となった今季しっかりとその期待に応えたロジャースは"本物"だった。

ボールを握るスタイルを崩さずに3CBへ移行させた試合でも選手たちのプレーに迷いが感じられないのは、確固たるプランと各プレイヤーの能力や個性を把握して適切な役割を任せるマネジメント能力の高さに他ならない。アジョセやプラートが控えに回ってもパフォーマンスが落ちないのはそういった細かい選手管理が行き届いている証拠で、マディソンやハーヴィーバーンズらの離脱などがありつつもバタバタせず、未だ3位をキープしている。

終盤に来て少し出し尽くした感が漂い始めるも、下からの追い上げに負けずに踏みとどまれるか否かで今後の評価は変わってきそう。

チェルシー

メイソン・マウント

比較的自由を与えられていたランパード政権から、各アタッカーの長所を引き出す為の繋ぎ目としての役割を求めるトゥヘルに切り替わり、自身が持つ相手DFを歪ませるボールタッチとアイデアが輝く2列目から、試合によってよりバランサーと化したプレイメーカーの役割が求められる3列目での仕事を熟し、万能型MFとしての格がもうワンランク上に達した22歳の生え抜きのプレーは誰が見ても太鼓判を押すだろう。

FA杯のルートンタウン戦でキャプテンを任されたように今後はチームの大黒柱としての期待も増していくはず。なんかもう出来すぎてて凄い。

ウェストハム

トマーシュ・ソウチェク

リンガードやライスほどの華はないものの、ここまでリーグ戦全試合に先発出場中の鉄人MFがもたらす安定感は群を抜いている。

192cmという長身を守備時には3列目以降に鍵を掛ける壁として、攻撃時にはボールを上手く隠しながら持ち運び、前線に顔を出すときは体格を活かして思い切りよく飛び込んでこれるなどこれといった隙が特に見当たらず、プレミアリーグほどスピード感のない代表戦では長短織り交ぜたパスでチェコをコントロールしている。

愛妻家らしく、メディア対応などでも落ち着いた性格が滲み出ており、全く飾らない人間性などを加味するともはや完璧人間の領域。これで移籍金£15mだから参ったもんである。

トッテナム

ピエール=エミル・ホイビェア

今夏の移籍市場最大の成功補強の1つ。夏が来る前の早い段階でサウサンプトンからの退団の意向を示唆しており、主将剥奪などを味わうもピッチ全体を俯瞰しながらプレーしているかのようなビジョンと危機察知能力、バランス感覚の良さなど本来持つ能力が損なわれることはなかった。

バイエルン産と耳にしてどことなくブンデスを感じるのは今季2部降格が決まった失意の名門シャルケで武者修行を積んでいたから。
「100年に1度の逸材」と橋本環奈的扱いを受けていた当時のゴレツカと切磋琢磨していただけあり、球際でしっかりとチェックに行けてポゼッションを奪える点はプレミアリーグでの成功において非常に大きな加点要素だった。

リヴァプール

ディオゴ・ジョッタ

蘭U-18代表フーフェル + 移籍金£41m + £4.5mのボーナスを含む、決して安くない投資だったものの結果的にしっかりと適正価格だったことを本人が証明。新加入選手を半年ほど"寝かせる"リヴァプールに加入してから1年経たずして欠かせない戦力となった。

左ウィングを主戦場としながらクロップが4-2-3-1を採用する際には9番に置くことも可能。これによりチャンスメイク型のフィルミーノを1列落とすことが出来るので非常に使い勝手がいい。加えてここまで公式戦2ケタ得点を記録しており、マネ、フィルミーノ、サラーの"スリリングスリー"の形を削らずに4番手以上の仕事をやってのける実力はオリギ泣かせにも程がある。

課題は極端にハネ上がった周囲からの期待とチームが自身に求める役割とのギャップが生じたときに結果で黙らせることができるかどうか。南野泣かせにも程がある。

エヴァートン

マルセル・ブランズ

洞察力、育成力、交渉力のどれをとっても世界トップレベルにあるフットボールディレクターはミナ獲得の際バルセロナからの天文学的オファーを7割値切り、アランとドゥクレを加入させ、ハメスに至ってはなんとFAで獲得していたことが後の本人の証言で明らかとなった。手薄なDFラインに適正価格でゴッドフリーをノリッジから、伸び盛りのエンクンクをOMから釣り上げ、ピックフォードの控えに実力者オルセンを加えるなど文字通り"完璧"な動きをひと夏で成功させた。

彼の人物像や経歴については天下のエバートンジャパン様 (Twitter→@Everton_Japan)が詳しく丁寧に書いていらっしゃるので是非ともご一読ください。↓

アーセナル

グーナーの皆様

間違いなくMVPはどれだけ辛くてもアーセナルを応援し続けているサポーターの方々です。今シーズンは特に心をえぐられましたね。

次に行きましょう。

アストンヴィラ

ジョン・マッギン

『玄人好み』とはまさに彼のことで、プレミア昇格を決めた18-19シーズンにクラブへ加入して初年度にサポーターが選ぶ年間最優秀選手に輝いた過去を持つ。最小限のボールタッチで最大限の結果を出すプレースタイルは、プレミアリーグのようなテンポの速いリーグでこそ異彩を放つ。

時折みせるスーパーミドルやボレーなどが特筆されがちだが、一番の長所はボールを受けてからの状況判断のスピードに秀でている点。グリーリッシュやワトキンス、エルガジにトレゼゲ、少々異色さが抜きん出てしまうベルトラントラオレなど個性的なアタッカーが揃う中で彼を起用している意図はそういった所にある。
一方で容姿はあまりアスリートのスピーディーさを感じずらいスコティッシュの一般男性といった感じであり、そのギャップに萌えるファンも少なくない。先日Instagramで自身のおなかを気にするファンに向けて腹筋バッキバキに生まれ変わった写真を公開し話題を呼んだ。


リーズユナイテッド

パトリック・バンフォード

ユースからノッティンガムフォレストのトップチームへの就職が決まり、滑り止めで受けたハーバード大学を蹴り飛ばしてプロサッカー選手になった過去を持つ。

ピアソンやカラシュらが集う『チェルシー青田会』の1人で、たらい回しのローン生活を4~5年続けていた苦労人っぷりが選手としての才能とタフさを結びつけて頭角を現し、奇才ビエルサのもと計算されたポジショニングと気の利いた効率的なアドリブでリーズのアグレッシブなフットボールを支えている。

ここまでリーグ戦14得点はケイン、サラー、ブルーノフェルナンデス、ソンフンミン、DCLに次ぐ6番目の数字だがここ最近はあまりネットを揺らしていない。
ビエルサ曰く「彼は特別な選手になる為の資質や努力量全てを備えているがまだ発揮しきれていない」と責任を感じているらしい。正直今のままでも充分怖い選手だけども…。

ウルヴァーハンプトン

ロマン・サイス

元々は守備的MFだっただけあって最終ラインに固定されてもなお相手のプレッシャーを窮屈に感じているように見えるシーンは少なく、落ち着き払った姿勢がチームに安定感をもたらしている。

今夏に契約が切れるモロッコ代表は冬にリバプールがリストアップしたように、様々なクラブから声が掛かりそう。

アストンヴィラ戦のゴール目の前どフリーシュートクロスバー直撃はもう忘れてあげよう。

クリスタルパレス

ビセンテ・グアイタ

シュートを1本バチ止めする度に調子が上がっていく生粋のシュートストッパーで、調子の良い日はリーグでもトップクラスの活躍を披露する34歳のスペイン人GKは冬にレアルソシエダからの勧誘を断り南ロンドンへの残留を選択した。

自身のInstagramにて体幹トレーニングを行っている動画をよく載せており、ベテランの領域に差し掛かりながらも身体から反応するようなセービングを続けられるのは日々の惜しみない努力の賜物。

前半30分頃に断食を終えるイスラム教徒のフォファナとクヤテの体調を考慮し、栄養ゼリーの補給時間を確保する為にゴールキックを蹴らずにプレーを一時中断したレスター戦では彼の人の良さが見受けられた。

ニューカッスル

ジェイコブ・マーフィー

ジョッシュと共にノリッジ産の双子ウィンガーとして名を馳せたものの、2017年にクラブへ加入してからはサイドアタッカーにスプリント力を求める戦術にハマりきらず、ボールを持つことで真価を発揮する技巧派は昨季シェフィールドウェンズデイへ貸し出された。

ローンから帰ってきた今夏チームに残留し、シーズン前半はあまり活躍の場を与えられなかったが、ヘイデン離脱から5バック採用後は右WBにコンバートされ徐々に出場機会が増えた。ハイライトは10月末のウルブズ戦で、壁の大外から巻いて決めたフリーキック。

なお新型ウイルスが流行し始めた2020年4月、自宅待機により病院へ行けない地元の高齢者へ双子のジョッシュと一緒に処方箋を届けるボランティア活動を行っている。


ブライトン

イヴ・ビスマ

なんの捻りもなく今夏の人気銘柄の名前を挙げたが、ボールを丁寧に前へ進めていくサッカーにおいて蹴れる・刈り取れる・持ち運べるマリ代表の存在は絶大すぎて選ばざるを得ない。

内容は悪くないものの結果が伴わない同クラブは、今季2ケタ得点を記録しているアタッカーが1人も居ないのがかなり痛手となっている。そんな中で危なっかしいながらもフィニッシュまで持って行けているのは質の高い中盤が揃っているから。他の同ポジションの選手と決定的に違うのは飛び抜けたボール奪取能力と球際での強さであり、繰り返し相手ゴールへ迫れる機会が近年最も増えているのはポッターのシステム上必要不可欠なMFの活躍なくしては語れない。

褒めすぎたので彼の印象がダダ下がりしてしまいかねない2枚の写真を貼っておきます。未だに1枚目は許してないからな❗😡


サウサンプトン

ジェームズ・ウォード=プラウズ

ホイビェアが抜けたダブルボランチの一角を任されてからは、元々サイドでの活躍を期待されていた選手ながら同ポジションから外すことの出来ないクラブの核へと成長した。

過去にチームが3バックを採用した際、右WBで起用されていたようにその恐ろしいほど高精度な右足を活かすにはシンプルにクロスボールを放り込むことだと思われていたが、今季から中央に置かれた事で攻撃時に違いを作り出すべく他のボランチと比べやや高い位置でのプレーが続いており、フィニッシュまで持ち込めなかったのちその空けたスペースを相手のカウンターに突かれやすく、新戦力である守備的な相方のイブラヒムディアロとの連携がとりきれていない点やロメウの稼働率などまだまだ課題が残っている。

ボールが動いている際の不安要素は痛いがセットプレーとなると話は別。プレミアリーグに留まらず、欧州全体でも彼の右足はトップレベルにあるということを毎度のように痛感させられる。

バーンリー

アシュリー・ウェストウッド

古典的なイングリッシュフットボールを展開するショーンダイチのもと、175cmと決して体格に優れている訳では無いボランチをフル稼働させているのには非凡な危機察知能力と高い持久力を兼ね備えているから。

31歳ながら今季ブリストルから加入した同タイプの25歳ブラウンヒルに定位置を譲る気はさらさらないと言わんばかりの存在感を、"安定感"という魅力で示し続けており、バーンリー加入以降3シーズン続けてリーグ戦ほぼ無休ながらサラリーはチーム内で7番目とかなり優秀な人材である。

ハイライトは12節のアーセナル戦でジャカに首根っこを掴まれたシーン。なおこの試合は敵地エミレーツで見事に勝利を収めている。

フラム

アントニー・ロビンソン

昨シーズンの冬にミランが獲得に動くもメディカルで引っかかり移籍が成立しなかったエバートン産の左SBはフラムに加入するとEFLチャンピオンシップで不動の地位を築いていたクロス精度の高いジョーブライアンからあっさり定位置を奪い取った。

縦への意識が非常に強く、才能が花開いたウィガン在籍時には1人で相手2~3人を剥がしてしまうような思い切りの良いドリブルが目立ち、DFとは思えないほど相手ゴールへ迫る姿勢が大きな魅力。

血気盛んな23歳だけあり、人に行き過ぎてしまう荒削りな守備は前半で退場処分を喰らったチェルシー戦のような不運を招きかねないものの改善の余地は大いにあり、今夏にもビッグクラブが目をつける可能性は高い。バルサのデストといいローマのレイノルズといい、近頃若手がブイブイいわせているアメリカ代表はタレントが薄くなりがちなSBまで恐ろしい…。

WBA

サム・ジョンストン

2011年にオールダムへ貸し出されたEFL1(3部相当)から約10年かけてプレミアリーグにまでのし上がったユナイテッド下部組織出身の苦労人は、バスを停めながら不甲斐ないパフォーマンスが続く最終ラインの責任を1人で背負っており、リーグ最下位の65失点を喫しながらも依然として周囲の評価が高いのは毎試合のように素晴らしいセービングを続けている集中力の高さである。

仮にWBAが降格しても彼自身は今夏同リーグの多くのクラブからラブコールを送られることになりそう。先日当然のようにイングランド代表へ選出され、まだ28歳とこれからのキャリアが楽しみ。

過去に同クラブでタクシー強盗へ関与したキーパーは是非とも今のジョンストンの活躍を見習ってこれからの人生を楽しく生きて貰いたいと強く願っております❗


シェフィールドユナイテッド

全員

16勝4分4敗で勝ち点52、2位のバーミンガムU-23の44ポイントと8点差もつけて優勝を決めた❗️

いや〜本当に強かった❗️👏👏👏
Frank Magz君やAshton Hall君など今後が楽しみな若手も多くて未来が明るいなぁ🥰🥰🥰

おめでとう、シェフィールドユナイテッドU-23🎉🎉🎉







ここまで読んでいただきありがとうございました。
偉そうに全20チームに触れましたが当然全試合追えてるわけではないので

「テメー試合観てねぇだろ❗😤 何言ってんだ😡」

という方は優しく教えてくださるととても嬉しいです。それではさようなら。

皆様が美味しいものを飲み食いして健康でいてくださることをいつも願っています。😌

@sergio7eon

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