北海道大学大学院法学研究科法学政治学専攻特別選抜 受験体験記
2022年12月に内部の特別選抜に合格したので受験体験記を残しておきます。受験者も2人しかおらず、早期卒業制度ができてまだ日が浅いので、お役に立てばと思います。
受験資格等
・専門科目の学業成績における通算GPAが3.0以上
・次年度卒業見込みもしくは卒業後3年未満
・59単位以上修得済み(6月試験に出願する場合は54単位以上)
・大学院修了プログラムの早期卒業希望者は11月試験のみ出願可能
普段からちゃんと勉強していれば満たせますが、大学院修了プログラムの修了要件はよく確認しておきましょう。全学教育科目と合わせてGPA3.3以上必須で、かつA・B・C・D・Eの各区分でそれぞれ12単位ずつ必修なので取りこぼしがないように気をつけましょう。
自分もロシア語演習を含む全学教育の単位を取り過ぎて専門科目の単位が危なかったです。
提出書類
入学願書
主に書いたこととしては、志望理由(北大と法学研究科でそれぞれ)、研究テーマとアプローチの概要、実務への影響です。記入枠が小さめで下線がない空欄だったので、文字数などは気を付けた方がよいかもしれません。
志望理由の部分は「道内最大級の図書館を有していること」と「研究環境が変化しないこと」などをメリットとして書きましたが、後から考えると前者については首都圏の大学の方が優れているので微妙な気がしています。しかし、深掘りされたのは、浅すぎる理由しかかけていなかった「実務への影響」の部分のみだったので、そこまで見られていないかもしれないです。
履歴書
総合入試文系から法学部に移行したのちに総合法政コースに分属されたので複雑で面倒ですが、外部試験の願書でも通用するくらい詳しく書きました。念のために。
レポート(4,000字以上)
研究計画書の代替物という位置付けだと思います。研究テーマを明確にしたうえで先行研究を分類しながら列挙し、その問題点を指摘すると同時に、修士論文で取り上げるテーマを紹介するような形で書きました。
参考文献は書籍・論文併せて日本語で30、英語で10程度、ドイツ語で5くらい参照しましたが、すべてを隅々まで読んだというわけではないです。研究者ごとの癖を把握しておくと口頭試問で詰まらずに答えられるので、それが分かるくらいには読み込んでおくとよいと思います。
4,000字以上という指定でしたが、「卒論相当論文」でもあるので、15,000字程度にしました。自力で書き上げたものを持ち込んで指導教員に相談しましたが、形式面での若干の修正と用語の定義の曖昧さのご指摘をいただいた程度だったので、内容面での加筆修正はほぼ自力でした。
個人的な反省としては、先行研究の整理をもう少し丁寧にして、教員に相談する際に不明点を質問できるようにしておけば、より良いものに仕上がったのではないかと考えています。
口頭試問:当日の流れ
まず、当たり前ですがスーツで行きましょう。できれば就活と同じ要領で髪もセットした方がよいです。
受験会場ではまず待機室に通され、学務の担当者が呼びに来るのを待ちました。呼びに来たら試験室に向かい、入室します。自分の場合、3対1の面接でしたが、うち2人の先生のゼミをとっているので、あまり緊張感はありませんでした。
ただし、想定問答として用意しておいた志望理由などの部分は聞かれず、研究テーマ・研究対象国・研究手法(アプローチ)の選定理由についての質問と、使用する史資料の確認と不足の指摘、語学レベルの確認がありました。
研究テーマが極左テロリズムということもあり、「極左」に焦点を当てるのか「テロリズム」に焦点を当てるのか、またそれはなぜかという質問がありました。また、研究対象国については自分の第二外国語がロシア語であり、ドイツ語を学習途中ということで、それなりに突っ込まれました。語学レベルも修士課程で研究するのに相応しい程度で身に着けられるのかがそれなりに見られていたと思います。
そして、研究アプローチでは、「○○という手法はなぜ採用しないのか」といったことを深掘りされました。さらに、使用する史資料として挙げていましたもの以外で利用できるものの指摘もありました。
いちばん焦った質問は「実務への影響」でした。そこまで深く考えずに書いており、しどろもどろになってしまったので、書くとすればもっと調べておくか、いっそ書かないほうがよかったなとも思います。
全体的に適切な応答ができていたかが怪しい部分がありましたが、60分のところ15分から20分程度で「質問は以上です」と言われて切り上げられました。
対策
「そんなものはない」のが正直なところですが、お世話になっている先生や大学院の先輩がいれば相談してみましょう。志望理由書の内容や提出レポートは専門に関係なく読みやすさなどの面でもチェックしてもらうようにするとより良いものに仕上がると思います。
あと、語学の勉強はしておきましょう。英語と研究対象国の言語は最低限でも必須でしょう。追加で1カ国語くらいできると強みとしてアピールできると思います。自分はCEFRで言うと英語がB2-C1、ロシア語がB1、ドイツ語がA2くらいのレベルでした。
短縮修了を目指そう
早期履修制度
意味不明な制度ですが、学部3年生で修士課程の授業を受けることができます。公共政策と合併開講の科目であれば、社会人学生や非法学部出身の学生が多いため、法研のみで開講されている科目と比較すれば追い付きやすいと思います。最大で10単位まで引き継げるらしいです。
学部・院合併開講科目
学部で開講されている科目で、かつ大学院でも開講されている科目は法研に進学してから単位を引き継ぐことができるものがあります。A+からFの評価を秀・優・良・可・不可にどうやって変換するのか分かりませんが、とりあえず引き継げます。たしか6単位までいけたはずです。
注意事項
残念ながら、上記諸制度で引き継げる単位数の上限が(たしか)15単位と定められています。法研の学生便覧を熟読して、楽しい「制度の抜け穴ライフ」を送りましょう。
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