Tom Waitsにセレナーデを
唐突だが、Tom Waitsの”San Diego Serenade”と言う曲をご存知だろうか?彼のセカンドアルバム、”The Hearts of Saturday Night”に収録されている曲だ。
歌詞は全て”Never...,till I...”「...するまで、決して...することはなかった。」という過去を振り返り回想していく歌詞になっている。これはあくまで僕の勝手なイメージだが、恋人や大切な人を失った男(=Tom)が自分の過ちや後悔を思い出しながら、1人酒を片手に思い出している最中の曲と解釈している。まさに、酔いどれ詩人と呼ばれるTomの世界観を味わえる一曲だ。
僕がこの曲に出会ったのは、まだ大学生の頃で、酒と欲に溺れ、沢山の過ちを犯しながらも、それが人生の箔になるなど、あまりにくだらない思想に支配されていた頃だった。たまたま行った古着屋の人と仲良くなってひょんなことからTom Waitsを聴き始めた。そして、1stアルバムを飽きるほど聴いた後に、この曲に出会った。1stアルバムもさることながら、2ndアルバムには彼が描く夜の煌びやかな世界と、そこに生きる落伍者たちの儚い楽しみと叙情的な感情の移ろいの世界が余すところなくつまり、当時の僕はその世界観にどっぷりと浸かりきった。
さて、前置きが長くなったが、何故、僕がこのタイトルを選んだのかという説明をしなくてはなるまい。先述の通り、僕はこの曲が好きと言う言葉で言い表せないくらい特別なものである。今まで様々な音楽を聴き、趣向が変わっていってもなお、変わらずプレイリストに居座り続け、人生の苦楽を共にしてきた。そして、この曲に出逢わせてくれた古着屋の人、なによりもこの曲を生み出してくれたTom Waitsに感謝をしている。その感謝の気持ちと尊敬の念を込めて、僕の今までの半生から趣味趣向、果ては思想や宗教感まで落伍者という視点から届けたい。読んでいただく皆様にそんな僕を笑うも良し、馬鹿にするも良し、好きなように感じ取ってくれれば良い。
僕はただ尊敬するTom Waitsに向けて、独りよがりなSerenadeを奏でることにしよう。それでは皆様、以後お見知り置きを。
https://m.youtube.com/watch?v=MPyl3C77Ies
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