あなたの知らない「小咄の」世界

 良い男と一緒にはなったが、故に他の女の事ばかり気になってとうとう寝付いてしまったおかみさん。

さぁ今際の際。
「俺はお前の事だけが好きだ。
お前が死んだなら雌猫一匹膝に乗せる事もしやしないよ、、、」
という優しい言葉に涙して旅立ったおかみさん。

ところがドッコイ亭主は四十九日も終わらぬうちから若い女を引っ張り上げての乳繰りあい。

えぇぃ悔しや、恨んで出てやろうと閻魔様に幽霊の鑑札を願って出るが、いつまでたっても許可がおりない。

痺れを切らせて閻魔庁へ出掛けたおかみ。
「御願いで御座居ます、あの道楽者を懲らしめる為です、是非とも幽霊の鑑札を!」

閻魔は困った顔で
「うぅん、、、そなたには幽霊の鑑札は出せぬ!化け物の鑑札ならよかろう」

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