長いわオジサンの想い出話だわで読まないほーがいーよ

明日10日はスクランブル登板
要するに「代演」というやつ。
他の良い仕事が入っちゃって、寄席休みたいなぁ、、、
だから代わりに誰か(一応はお客さんへの手前、格上の人を頼むという伝統があるにはある)に入って貰うというシステム。

これだって頼まれる人、頼まれない人ってのがあって、ブッチャケ売れてる忙しい人に頼んだって断られるだけ手間なんでねw
ヒマ(だろうと思われる)な人がどうしたって入る回数が増えるって訳でしょう、、、
(以上あくまでも拙の想像です!)

ま、ある人に云われちゃったんだね
丗樂は代演ばかり入ってニヤ、、、以下略

アンタはヒマなんだね、って言われた様なモン

最初に断っておくてぇと今回この文言をムカついたとかではないの

噺家の系譜とかに詳しいマニアにゃ(しか)知られているケド
拙をこの噺の世界に産んでくれた親(それを師匠と呼ぶ)は
桂 枝助
という落語藝術協会が今の様に公益社団法人となる前に幹部入りまでしたお人だ。

両国のそこそこ大きく営ってた箱屋の若旦那だった枝助。
江戸っ子じゃなきゃダメだ。ってんで弟子を取らなかった。

(ここ、つまらん自慢と受け取って戴いていいが)
幸い江戸ッ子だった拙は晴れて弟子となれ藝人となれた。

良く一口に江戸弁
ってぇが、実はその江戸弁にも大変な違いが種々様々あるの。

解りやすく云うと、そこに見える島ではもう言葉が違うように、
江戸の町でも町内で微妙に発音等違ったりするんですわ。

枝助の喋り
中でも一番特徴的だったのは「ごはん」かねぇ。
ごはんって→→→平坦に発音するのがまぁ普通なのかと思う。

枝助は両国の訛りで
↑→↓
ってったって書いても何の事やら?
だよねぇ笑笑

桃屋のごはんですよ
のCM覚えておられますかねぇ?
三木のり平氏がナレーションしてました♪

あの、ごはんですよの発音
変に感じた方は標準人です!

三木のり平氏は浜町の人
大川の向っ河岸とこっち河岸
同じ極狭い江戸弁の一流派wだったてぇ訳です♪

多少話があっち行ってしまいましたが
そういう筋金入りの江戸っ子だった枝助師

拙が二つ目昇進とほぼ同時に60という若さで旅立ってしまいました、、、

弟子がいうのも衒いがありますが
兎に角皆んなに好かれた男でして、悪口なんて聞いた事ありませんし、いった人もないという好人物だった枝助、、、

その師匠から教えられた一つの事

それが
「俺っちわな、誰のどんな代演だって受けっちゃうんだ。
それが歌丸さんだろうが柳昇師だろうが。
そりゃお客さんはがっかりするよ?
だけどな、藝人座布団の上が勝負なんだぃ。
がっかりしたお客さんを笑わせりゃ勝ちなんだ!
その勝負したくっていつだってどんなトコだって出るんだよ俺っちは」

カッコ良過ぎて今これ思い出しながら泣きそうです

とにかく客席をしーんとさせてなぞ下りて来たことのなかった
爆笑派だった「寄席藝人」

見栄は張らない
俺は売れてない
だからいつもヒマです

だけど代演を引き受けるのにゃそういう薫陶あっての仕儀なのです

だから、百万が一
売れたとしても代演頼まれりゃ行くぜっ

それが藝の世界に産んでくれた唯一の恩返し
と信じてるから

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