「井の中の蛙」になりたくなかったーー 出版社で校正の仕事をするKさんの「書くこと」とは?【2019年7月期受講生課題記事】
※こちらは「ライティング基礎ワークショップ(2019年7月期)」の受講生が、課題として作成したインタビュー記事です。
クラシカルなワンピースに身を包み、インタビューに答えてくれたKさん。
出版社で校正の仕事をするKさんに、文章を書くようになったきっかけや、書き始めてから見えてきたことをお聞きしました。
身近に書く人がいたことで、自分も書きたいと思った
ーー文章を書き始めたきっかけを教えていただけますか。
職場の同僚の影響です。私は今、別の会社に転職しているのですが、前職の同僚にnoteを書いている人がいたんです。
実はそれまで、漠然と「文章を書きたい」気持ちはあったんですけど、なかなか一歩目を踏み出せないでいました。
身近に文章を書く人がいると知って、「じゃあ私もやってみよう」とnoteを書き始めました。彼女とはお互いのnoteを読んで感想を送りあっています。
ーーnoteにはどんなことを書いていますか?
日々感じたこと、特にモヤッとしたことについて書くことが多いです。
私はモヤッとしたことがあっても、理由がよくわからないまま過ごしてしまうことが多かったんです。「なんで自分はこれについてモヤッとしたんだろう?」を探るために書いていますね。
ーー文章を書きたいと思うようになったのはなぜでしょうか?
自分の思いや考えを言語化できる人にすごく憧れがあったんです。小説や、他人の書いたブログを読むのが好きだったんですよね。
自分も思っていることや考えていることを言語化できるようになったら、もっと人生が楽しくなるんじゃないかと感じるようになったんです。
ただ日々が過ぎ去ってしまうよりは、ひとつひとつ考えて深堀りできたほうが、面白いと思うんですよね。
友人に手紙を送る気持ちで
ーー身近に文章を書く人がいたことで、「書くこと」のとっかかりになったんですね。
そうですね。
書き出せない理由の1つが、「せっかく書いても、読んでくれる人がいなかったら寂しいな……」と不安に思っていからだったんです。今は1人ですけど、私の文章を読んでくれる人ができました。「彼女のために書こう!」と書くことに前向きになれたんです。
noteを見せあっているのは前職の同僚ですが、気心の知れた友人でもあるので、彼女に手紙を送る気持ちで書いています。
ずっと踏み出せなかったのに、「誰に届けたいか」が定まったことで、急に文章が書きやすくなりました。
自分の中のモヤモヤを晴らす手助けに
ーーnoteを書くようになって変わったことはありますか?
今までは、モヤッとしてもその気持ちを抱えたままモヤッと感が消えるのを待つしかなかったんです。
noteに書いて感情を言語化するようになってから「私はこれにモヤッとしてたんだ!」とスッキリすることが増えたんです。気持ちの整理がしやすくなりましたね。
自分が感じたことについて、客観的に見られるようになったと思います。
「井の中の蛙」になりそうで不安だった
ーーnoteでは日記を書いていたとのことですが、sentenceを受講した理由はなんだったんでしょうか?
最初は身内向けに書ければいいやと思っていたんですけど、だんだん自分の文章の幅が狭いままだと感じてモヤモヤするようになったんです。
井の中の蛙じゃないですけど、そこだけで満足しちゃうと、視野が狭いままになってしまうんじゃないかと不安に思うようになりました。
「書く」プロの方々の世界を見られれば、視界が広がって独りよがりな文章にならずにすむんじゃないかと思ったんです。
ーー視界を広げるために講座の受講を決めたんですね。
はい。
私は埼玉出身でずっと関東から出ずに生きていたこともあって、自分の世界が狭まっていくことに恐怖を感じていたんです。
文章を書くにしても、もっと広い視点で考えたほうがいいんじゃないかと焦りがありました。
講座を受けて広い世界を知ったうえで、自分の小さな世界を書くことで、文章に深みや奥行きが出せるようになれればと思ったんです。
自分の文章を形の残るものにしたい
ーー書くことで実現したいことを教えてください。
友達と一緒にZINEを作りたいと思っています。ぼんやりとですが、形に残るものを作りたいですね。文芸フリマに申し込むのもいいかなと考えています。ジャンルは…… エッセイかな。
ひとつのテーマで複数の記事を書くことにも憧れがあるので、noteのマガジンも作りたいですね。
(インタビュー・文/亀井 麻美)
(写真/ APhoto by Green Chameleon on Unsplash)
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