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「白い死神」のホロスコープを読む。

ソビエト軍から「白い死神」と恐れられたフィンランド国軍の超絶凄腕スナイパー、シモ・ヘイヘ。また彼の才能を世に知らしめるきっかけとなった上官のアールネ・ユティライネンのホロスコープを読んでみました。

私たちはいつも自分のホロスコープを始め、様々な占術で「自分の未来」や「運命」を知ろうとしますが、自分一人で完結して生命を終えることなどありません。

今回読む二人は、個々として素晴らしい才能を持っていながらも通常世界においては孤立しがちなホロスコープです。しかし二人が出会ったことで大きく才能を開花させています。六芒星アスペクトの典型的な例としてお読みください。

プロローグ

最近読んでる「亜人」アラ大友克洋?と思うほどに絵が上手いのです。

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並べるとどっちがどっちだかワカンナイですねェ。えっわかる!?そりゃそうですよね〜大友克洋万歳!大覚様万歳!健康優良不良少年万歳!

とはいえ、亜人作者さんの絵がめちゃくちゃ上手いので、もうパクパクも全然気にならないですし、質の良い同人誌を読んでる気分はもう戦争。(小ネタしつこい)

で、その亜人の中に出てきたのが、今回のお題。実在の人物シモ・ヘイヘ。

ここから少し長くなりますが、興味のある方はぜひ読み進めていって下されば幸いです。

「白の死神 シモ・ヘイへとは?」

元々はフィンランドの片田舎で農家の生まれという普通の生い立ち。しかし少年時代から射撃の腕で名を上げ、様々な大会で優勝していたそうです。

20歳で徴兵され国軍に入り、25歳で戦地に立ったその日からわずか100日で500人以上を銃殺し、敵であるソビエト軍を震撼させます。

【記録では200人以上、非公式なものを含めれば狙撃で殺害した542人よりも多くの敵兵士を殺害したと言われている。これらの記録は戦争開始から負傷するまでの約100日間のうちに残されており】


数字がエグ過ぎる。
ちなみに後に作られたアメリカのシモヘイヘ考察番組では100日で800人狙撃殺害したという統計が出ている。マイナス20〜40度の極寒の地で一日に80人を。一人SATにもほどがある。

超ストイックなシモ・ヘイへのホロスコープ

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★冥王星・いて座水星180度
針の穴に蠅を通すような(←例えです・参考中島敦)、過集中した自己鍛錬を重ねる。

またこれは観相学になるのですが、シモ・ヘイヘのように耳の先端が尖っていて内側に入っている人は集中力と勘が恐ろしく良いそうです。研究者タイプ。

★冥王星・いて座太陽180度
本人の望む望まないに関わらずダイナミックな人生を歩む事になる。抗えない人との出会いによって自分の生き方が大きく変わっていく。

★ドラゴンテイル・みずがめ座火星0度
みんなの為に・祖国のために頑張る事は当然。自分をロスさせる無駄なことをする人の気がしれない。

★みずがめ座火星・土星0度
強靭な肉体、体力。
動き始めると自分のペースでは止まれない。前進する気力とそれについていける体力。自分の限界を知ることで精神・身体の向上を得る。

★月・火星 180度
普段は静かだが獲物をみつけることで別人のように生きる。直感の良さ。あるいは直感に頼り過ぎて理性が薄くなる。不動宮なので一度自分が決めたことは延々と続けることが出来るが止まることが苦手。強制終了になるまで気づかない。(実際シモは顎に砲弾を受け大怪我をすることで戦場から去ることになった)

★火星土星0度・月180度
自分の持っているものだけで
シンプルに、そして最短距離で動こうとする

★向かうべき課題ドラゴンヘッドに月

「方向は合ってるけど苦しい」

これも「出生時間が午前10時付近だったら」の仮定のもとで推測していますが、ヘッドという向かうべき課題に常に月が伴うので、一見スムーズな人生のようで、常に強い葛藤が伴っていた人生だったのではないか?と思います。

公式世界記録( 殺人に公式も非公式も…はさておき )を樹立し、異例の昇格を経ても、彼は常に控えめだったそう。

博物館所蔵のために写真を求められた時も、写真に写っている自分は切り取っても構わないとまで手紙に記していたそうです。

シモの上官「モロッコの恐怖」アールネ・ユティライネン中尉とは?

さて、シモ・ヘイへを語る上でかかせない人物。アールネ・ユティライネン。彼はシモが所属した部隊の上官にあたります。

どういう人物か?というと、地獄の黙示録のギルゴア中佐のような人、といえば解りやすいでしょうか。あのヘリでワルキューレを流しながら爆撃してサーフィンしていた人ですね。本当にこんな人いたんだ!というくらいの戦場逸話が沢山なので、ぜひwikiで読んで頂きたいです。→最後に貼っておきます。

そんなアールネのホロスコープはこちら。
さらっとね。

★太陽・木星180度
かなり気の大きい人。しかし天秤座なので一見大らかにみえる言動も実は計算されています。

★太陽・冥王星120度
歴史に残る偉業を成そうという自信、野心。それに伴う行動

★太陽・天王星・木星・冥王星で長四角形
上記の太陽木星の大らかさを冥王星と天王星が更に強固なものへと結び付けています。外側に与えるインパクトは大。また本人もそれを意識して振る舞うでしょう。

★冥王星とみずがめ座土星120度
今何が必要か?を適宜判断し、無駄な物事は即切り捨てる判断力。ともすれば冷酷。

などなど、平穏な日常生活ではアクの強すぎる性格・素行不良で何度も除隊されています。しかしいざ戦場となるとカリスマ的な言動と実力で強い統率力を持ち、戦場でもミサを敢行するなどして部隊の統率を計っていたそうです。(戦場における信仰心は忠誠と強い絆を生む)

二人の出会いによって生まれる六芒星。

シモ・ヘイへは単体だとストイックなボクサーのような性格で、規定のある射撃大会などには参加すれども、常に人の後ろに立つような静かで控えめな人間だったそうです。また当時のフィンランドは戦争に流れ込んでいく混乱の時で祖国奪回への強い思いはあれど、自分から外に出ていくタイプでは決してありませんでした。

そんなシモとアールネが戦場で出会います。

二人の出生ホロスコープを重ねてみると六芒星が出来ます。これは一個人のホロスコープでは中々出来ない配置です。

戦場での出会いは
お互いの運命の輪を回し始めました。

シモの土星はアールネの太陽に120度。
アールネから出される指示を着実にこなし援助します。

シモの太陽とアールネの冥王星が120度。
シモにしてみるとアールネは自分の理解者であり、彼についていれば大丈夫という安心感も与えて貰えていたのかもしれません。

上官としてシモの性格を見抜いたアールネは、シモを適切な場所に都度配置し、彼に単体で動く特別な配置権利を与えることでシモの狙撃特性を充分に活かしました。

アールネの下で、シモの才能は大きく開花します。

アールネは独断で行ったことが多かったとは思いますが、前述のような敵軍の翻弄と部隊壊滅、シモの活躍による士気の高揚、などフィンランド国軍に大きな功績を次々に残していったのでした。

アールネとの出会いによって、優勝トロフィーだったシモの銃は、自分そのものになっていきます。

六芒星が生じるホロスコープはその才能の豊かさゆえに、自分ではどうすることも出来ない大きな流れに飲み込まれていくという面があります。

いよよシモとアールネは、がっちりと歯車の噛み合った強固な車輪となりました。

しかしそれは国家の命運という抗えない力の中に翻弄され、また周囲を巻き込んでいき続けます。そこには常に流され続ける運命があるだけでした。

戦火の中、大きな負傷で戦場を後にしたシモは入院中に戦争終結を迎える事になります。その後は入隊前のように田舎町で狩猟家として静かに暮らしたそうです。

アールネ中尉はその豪傑さゆえ、戦争の無くなった平和な日常の中では生きられず、お酒に溺れつらい晩年を過ごしたとのこと。

エピローグ

【多くの人間の命を奪ったことについて後悔の念はないかと問われて、「やれと言われたことを、可能なかぎり実行したまでだ」と述べている。】

晩年、記者に問われた際のシモのインタビュー記事です。これが彼の最大の「言葉」なのではないかと思います。

もしも戦争が無かったら、シモ・ヘイヘの驚異的な才能は、小さなトロフィーで終わったかもしれません。然しまた彼が静かで平穏な生活を心から望んでいたかどうか、は解りません。

「戦争は女の顔をしていない」という本をご存知でしょうか。ソビエトで女性だけの軍部隊が作られ活躍していた時代がありました。彼女たちもまたシモ同様に極寒の地で銃を抱え、肉片が飛び交う中で自国のために敵兵を殺害していきました。

国民に称えられたシモとは違い、功績を残した彼女たちは戦争が終わった後は全く口をつぐみ、健康的な女性として母として生きることを強いられたのでした。

シモ・ヘイへは2002年に96歳で亡くなっています。たった20年前です。先のソビエト軍に従事した女性たちは今90歳代。ちょうど原爆被爆者の方達と同じ年代です。

今、こうしてホロスコープを読んでこんな事を書いていられるのも、私が明日も生きている事が当たり前の日常だから出来ることです。

内戦で破壊され尽くされた瓦礫のアレッポで「私の天職は?」と問う人はいないでしょう。難民キャンプで「私の本当の使命は?」と言う人もいない。今タリバンに再統治されているアフガニスタンで「あなたには芸術の星があるから」は通用しないし、EUの規約改定で海外郵便がストップしたアイルランドで「連絡が届かないのは水星逆行の影響」なぞ言う人もいないでしょう。

私はこうしてシモとアールネを外側から勝手に書き散らしていますが、「うらなう」とは生きていて当たり前、明日も同じ日常生活があること前提の世界でしか成り立たないのだ、という事を忘れないようにしなくてはと思います。

今回のシモ・ヘイヘとアールネ・ユーティライネンは特殊な場で才能を発揮した例ですが、私たちも物事の大小に関わらず、自分一人で全てを回している事などありません。

自分の生き方だけを探すよりも、他者の生き方を知ること、また相手を受け入れることで変わっていく事があります。私も中々難しいですが、頑張ってやっていこうと思います〜。

それでは!

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