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モロカイ島の日々――サンダルウッドの丘の家より

『モロカイ島の日々――サンダルウッドの丘の家より』
山崎 美弥子(著/文 | イラスト) 発行:リトルモア

この本にはなにか、特別な
精霊が宿っているとおもう。
本当に魔法のような本。
悲しみや焦燥感や痛みすらも
この惑星で味わえる特別なものだと
しっているように
すべてを包むやさしい気配が
どのページからも静かにきらめいています。

山崎美弥子さんが世界に紡ぐことばは
読むよりも感じるものだとおもう。
どんな小説をよむよりも
別の世界に連れて行ってくれる。
あたたかくて、無条件で、やわらかい
ずっとここにいたい世界。
そこではどんどんと
自分と世界の境界線が溶けてゆくような
そんなたゆたう心地よさを思い出すんだ。
いつかに美弥子さんがかいまみて、
そしてカンバスに描き続けている
「1000年後の未来の風景」は
あぁ、きっとこの感覚の場所なのだと気づいて
胸がぎゅっとなった。




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