作楽(Nord)#4 作楽宝相華文/千寿錦織
1,正倉院文様の一つ、作楽宝相華文
制作した帯を出してきて、デザインはもちろんのこと、一つ一つの色同士の関係性や織組織をみて、やっぱり好きだなぁと思ってしまうのが、この帯。
宝相華文は、架空の唐草の一種。正倉院にも納められている、この時代最高といってもよい、デザイン。パルメット柄を基本に、インドから唐を経て、天平時代に日本に入ったもの。
仏教装飾にも使われていると蓮華系の一種とも言われ、帯や着物のほう様々なアレンジがなされている文様です。
2,織組織は千寿錦織
ちなみに、織組織は、千寿錦。
一般的に有名な(西陣織といえば・・・)みたいな織組織ですが、となみ織物が独自に改良。軽く薄く絹の風合い、光沢を地にのこしている織物。
シリーズとしては、作楽シリーズの中の『Nord』。地は白に近く、結構絹の光沢に頼った色味を配色。
限りなく濃い緑系統の色で、同色で濃淡を作りながら唐草を織り、
同じレベルのボリュームで、ピンク色でホタルボカシを表現、アクセントにしている袋帯です。
今、あまり『ピンク色』はお洒落もののモノづくりでは使わない色ですが、この帯では、敢えて中心に据えいます。
3,裏地/変わり御召十
この帯では裏地を結ぶことはほとんどないかもしれません(でも結べます)が、表を結んだ時、チラッと見えるお洒落としても素敵だと思います。デザインは、真ん中は御召十(織を十字で表現)、両端は無地柄。
【評判は・・・】
帯の人気はどこで測ったらイイのか、わかりませんが(笑)、、、。あまり社外から持ち出されていない帯。人気があるのかないのか、評判がイイのか悪いのか、実はまだよく分かっていません。
ただ、今までの帯づくりの中でも、織組織と配色、がこのシンプルな柄の中で上手くできたな。。。と自画自賛できます。
4,コーディネートを考えてみる
当初、白大島とかにともで合わせたら・・・。と思って制作・配色していましたが、実は、濃い地色(写真は、あまみーいろ)で合わせてみると、これもなかなか良い感じになりそうです。
着物がシックに過ぎたとしても、帯のピンクが花を添えてくれそうで、良いバランスが取れる、個人的にはとても好きな帯です。
Online仙福屋/作楽宝相華紋
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